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「武琉」は、再度、全身の稼動具合を確かめる。
傷口は、ゲル状の分泌物で塞がれて、体液の損失を最小限に抑えられている。
心臓の復活にはもう暫く時間がかかりそうだが、…にも拘らず、ミオグロビン同様に酸素を蓄える物質が「武琉」の脳と筋肉の活動を維持し続けていた。
武琉:我ながら、出鱈目だとは思うが、…そろそろ、本気でやらせてもらうぜ!」
兵士達に向かって間合いを詰めていく「武琉」! 兵士達の銃撃を、掻い潜り!
兵士:「ひいぃ! …来るな!」
しかしその攻撃の直前! 一瞬、何かが「見え」て、横跳びに急転回した「武琉」の僅か数cm右を、投げナイフがすれ違う!
音も無く飛来するナイフ! 何処から?
更に、二つ、三つ、それぞれ異なる方向から飛んで来る!
「武琉」は真っ暗闇の上空から飛来するナイフを、超人的な視力で補足、回避する!