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明里:「ウチの事、嫌い?」/武琉:(そんな訳無い)
今にも零れそうな瞳で、明里が見つめる。
明里:「ウチ、魅力無いかな。」/武琉:(そんな事無い)
掌に触れる柔らかな明里の頬が、何かに濡れている。
明里:「やっぱりあのヒトの事、想ってるん? ウチにはもうチャンスないんかな?」
なんて、答えれば良いのか、判らない。
でも、こんな中途半端な気持ちの侭で、明里と結ばれるなんて、有り得ない。赦されない。
武琉:「俺は、…明里を、壊したくない。」/武琉:(ずっと此の侭一緒に、居て欲しい…)
明里:「何やそれ、ウチは壊れたりせえへん。でも、アンタが何処に居るんか判らへんから、…壊れそうになるんや。」
明里:「アンタとのつながりが、欲しいねん。」
明里:「アンタがウチの事好きやったって言う、その証が、欲しいねん、」