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兎に角、此処に留まる訳にはイカナイ。何処かに脱出口でもあれば良いのだが、
足を引き摺り、…ヨロケテ、咄嗟に!明里が、武琉の肩を支える。
ふと、ぼやける右目を上げると、廊下の突き当たりに、一人の男が立っていた。 白衣を着て、GIカットの、…医者? 青い目をしている。
武琉:(くそ、…此れまでか、)/観事:(怪しそうな男だね、)
青い目の男は、黙った侭、手に持ったホワイトボードに何かを書いて…、見せた。
白板:「逃がしてやる。付いて来い。」
男は、身を翻して、ゆっくりと歩いて行く、…角を曲がって、
明里:「どうするん?」
武琉:「なに、罠なら、…もう一暴れするだけだ。」