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武琉:「立てるか?」/明里:「うん、」
何時に無くシオラシイ明里が、可愛く思えるのは、何だか妙な感じだ。…
今直ぐにでも命を落すかもしれないのに。
観事:(明里をだっこしたいなぁ)/武琉:(ああ、そうだな、)
その為にも、何としてでも此処を、乗り切らなければならない。
けれど、
どす黒いグローブの様に腫れ上がった両手の指は、もう動きそうにも無い。 鼻から喉へドロリとした何かが垂れて、唾と一緒に吐き出すとそれは、…血に混じった白っぽい膿?
武琉:「やれやれダナ、」/観事:(やれやれダネ!)