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「武琉」は、恐らく自分は死んでしまうのだろうと、…考えた。
確かに頭蓋骨を打ち抜いて、柔らかな脳髄をぐちゃぐちゃにかき回す銃弾の感触を、自分は感じたのだ。
…「武琉」は、ゆっくりと死んで行きながら、同時に、自分がこんなにも自由である事を知る。
喉を潰された女の上に馬乗りに跨って、自分は尚も未だ女の顔を殴り続けていた。
指の骨が粉砕するのと、女の上顎がグニャグニャになっていくのを感じていた。
何かが、視界の端に映って! その瞬間に、既に身体は飛び跳ねていた!
「武琉」には、もはやそれは黒い塊にしか見えなかった、感じなかった。
「思考」を取り残して、身体は、的確に正確に、敵を破壊し続けて行く!