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ウトウトとして、…気が付くと、何時の間にか眠っていたらしい、
あれから、どれ位経ったのだろうか? 窓も明りも無い部屋だから時刻が定かでない。
散々手探りで調べたが、何処にも脱出の手掛かりになりそうなモノは見当たらなかった。
微かにドアの下の小さな扉から漏れる隣の部屋の気配が、明里の顔を浮かび上がらせる。
明里は壁際に蹲って、不安そうな顔で上目遣いに、…もじもじ武琉を見つめている。
武琉:「大丈夫か?」/明里:「あ、…」
暗闇の中でも、明里が切羽詰っているのは、直ぐに判った。 膝を抱えて、小刻みに身体を震わせている?
武琉:「どこか、具合悪いのか?」
明里:「う、うん、一寸、…あん、な、…」
明里:「…お腹、痛いかも、…」(蚊の鳴く様な声)