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近くの児童公園のベンチ、昔も、嫌な事があるとこうして一人で公園に来て、ボーっとしてた。
黄昏の湿った優しさが、眠りに付き始めた町をゆっくりと包み込んで行く。
携帯が鳴っている。…耕助さんからだ。
耕助:「やあ、明里ちゃん。 武琉の身体検査の件、知り合いの医者の予約が取れたんだけど、武琉に伝えてくれるかな。 明後日の朝の10時にお茶の水の改札で待ち合わせ。」
明里:「ウチ、今、…武琉と話した無い。」
耕助:「どうしたの、元気ないなぁ、…もしかしてまだ仲直りしてなかった?」
何故だか、泣きそうになってる自分が、意味不明。 …何で、勝手に?こんな風になってるの?
必死に、受話器の向こうの耕助に気取られない様に、…堪える。