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仁美が静々と、階段を降りてくる。
武琉:「何時にも増して、…容赦無いっすね、」
地べたに座り込んだ侭の武琉、深呼吸で、墜落の痛みを、散らす。
仁美:「あら、武琉さん、私だって、拗ねる事位、あるんですよ。」
仁美:「でも、ごめんなさい、一寸、はした無かったですね。」
立ち上がって、姿勢を整えようとする武琉に、…
寄り添う様に近づいて、手を差し伸べる様にそっと触れた仁美の掌から、…行成!衝撃が透徹する!!
仁美の発勁は、威力の方向が、掴めない? 予測できない? 堪えられない!
気が付くと、ずっぽりと、身体の芯迄、エゲツナイ冷たさが、浸透している。…内臓が怯える。
武琉:「グフッ…!」