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武琉の手首は、不思議な事に本当に元通りに治っていた。 …一応、ちゃんと動くらしい。
あの後、耕助さんが消火器で火を消して、(どうやらガソリンでは無く、目くらましの煙だったらしい、) その侭、硬い消火器の容器で、私に悪戯していた武琉の頭をぶん殴って、…助けてくれた。
武琉には、諸々感謝とか、同情とかあった様な気もするのだけれど、…初めてのキスがお尻だなんて、…明里:「…アリエヘン、…」
そう言えば、あの牛男も、巨大な蜘蛛の残骸も、現場から不思議そうなものは全て無くなっていた。 結局尻尾の生えた女の子も取り返す事が出来なかった。
残されたのは全身七不思議の武琉ただ一人、でも、…
明里:「やっぱ当分、…赦したらへん!!」
と言うか、…絶対同じ事やり返してやるんだから! 覚えてなさい!!