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オックスフォードの片隅にある、綺麗な庭のお屋敷が奴らのアジトだった。 私と幼馴染は、日本から来た見学者を装って中に忍び込んだのだけど、案内された図書館で、とうとう悪の親玉みたいな教授が現れたの。
しかも、教授に付き従っている怪しいフードの男はとんでもなく強くて、ソコソコ喧嘩の強いだけの幼馴染は、全然歯が立たなくて満身創痍の致命傷を負って、可哀想に、そこで、命を落してしまった。
こんな処に来なければ良かったと後悔したわ、もう私も御仕舞いだと覚悟を決めたの。 そんな時に、閉じ込められた地下の牢獄から私を助け出してくれたのは、幼馴染の従兄弟の耕助さんだった。
とって怖い体験だった。 もう二度と危険な事に首を突っ込むのは止めようと心に誓ったわ。 そうして今、私は耕助さんと一緒に日本に戻ってきた。 …此処は成田空港の到着ロビー、
明里:「耕助さん、遅かったですね。」/耕助:「入国審査で、一寸手間取ってね。」