表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下位世界の『超』召喚獣  作者: 五月蓬
幻惑の魔王ドッペルゲンガー篇
12/55

決戦!影の魔王!

ようやくドッペルゲンガー戦決着!




 全身黒、まるで某探偵漫画の犯人のような容姿のドッペルゲンガーは、ゆらりとその腕を横に広げる。


「まずは……お返しだ」


 ぎょろりとドッペルゲンガーの目玉が回転する!それにびくりと反応するタカシ達。

 しかしふとタカシは何かに気がついたように後ろに下がる!


「タカシさん!どうし……」




 ドスッ……




 後ろを振り向いたアリアの視界に飛び込んだもの……それは……




「タカシさん!」


 自分を庇って、黒い槍に突かれるタカシの姿……




 ドッペルゲンガーの黒い槍!


 バックアタックだ!


 タカシにダメージ!


「タカシさん!大丈夫ですか!?そんな……私を庇って……!」

「いてて……大丈夫だってアリアちゃん。ただ地味に痛いんだよあいつの攻撃」


 槍に突かれた腹をさするタカシ。血が出ている様子もなく、致命傷からは程遠いようではある。


「バックアタックだから、お前の高い防御力が無視されてるんだろむきゅ。持ち前のスタミナが致命傷には至らせないようだがむきゅ」

「バックアタックってそういう効果があるのか?ってか可愛い声の癖に口調荒いな!」


 ふよふよと浮かぶむくちゃんは、突っ込むタカシを一喝する!


「言ってる場合か!奴から目を離すな!……むきゅ」


 もうお前キャラ作ってんじゃねぇよ!……とは突っ込むまい。タカシはむくちゃんの指示通り、今までとは一味違う魔王に意識を向ける。


 だが、その注意さえ無に帰すドッペルゲンガーの能力。


「少々……実力を見せて貰ったよ。霧の泉で」


 黒い影がゆらりと揺れる。


「厄介…………だが、それは……私もだ」


 ドッペルゲンガーが溶けるように地面に沈み込んでいく……




 魔王ドッペルゲンガーの影隠れ!


 タカシ達は魔王ドッペルゲンガーを見失った!




「消えた!」

「魔王の二回行動はやっぱりあるかむきゅ……しかもそれで攻撃と防御を両立するとは」




 幻惑の魔王、ドッペルゲンガーの異名の由来はこの狡猾な戦い方にある。

 姿を隠し、攻撃は意識外からの不意打ち……幻のように掴みどころがなく、防ぎようがない。


「あああ!面倒くせえ!」

「焦れば奴の思う壺むきゅ。実際に地面に溶け込んでるから、真理眼も無意味……ここは出てきた所を無理矢理仕留めるか……引きずり出すしかないむきゅ」


 引きずり出す……しかし、どうやって?




 その時、タカシに妙案!


「よし!館をぶち壊そう!」

「…………なんで!?」


 タカシのターン!


「いや、地面に潜ってるなら、地面ごと、館ごと壊せばいいんじゃね?」

「やめて!」


 ドッペルゲンガーが思わず飛び出した!


「釣れた!」

「しまっ……」


 飛び出したドッペルゲンガーをタカシの拳が捉える!




 タカシの攻撃!


「ぐぎい!?」


 ドッペルゲンガーにダメージ!


「また逃げられても面倒だ!一気に潰す!」


 顔をひしゃげさせ、吹き飛ぶドッペルゲンガーにタカシが飛びつく!


 タカシの攻撃!


「がはへッ!?」


 ドッペルゲンガーにダメージ!


 タカシの攻撃!


「ぐえッ!?」


 ドッペルゲンガーにダメージ!


「トドメだああ!」


 タカシの攻撃!


 その右ストレートがドッペルゲンガーに悲鳴を上げる間も与えずに、顔面を捉える!


 ガッシャァァン!

 吹き飛んだドッペルゲンガーが館の壁に激突し、壁が崩落する!


 ドッペルゲンガーに大ダメージ!




「やったか!?」


 崩落した壁、立ち上がる埃、流石にあれを受けて生き残る筈がない。




 タカシ達は息を呑み、徐々に晴れる埃を見つめ祈る。


 倒れていろ、と……










「や、やめろおおお!おおおあう!」

「お?お?ここがええのんか?お?」




 穴の開いた壁の向こう……其処には、逆さ吊りにされたレイと、その体を指でつんつんとつつく、角の生えた眼鏡のおかっぱ女……




「あ!師匠!すみませんでした!うっかり捕まってしまって……」

「お楽しみのところ失礼しました」




 タカシ達は冷めた目で踵を返す。


「ち、ちがっ……誤解だ!待って!助けて!」

「何をしている私!?」




 ガラガラと瓦礫を掻き分け、ドッペルゲンガーが立ち上がる!そしてレイをツンツンしてる女に詰め寄り怒りを露わにする。


「え?いや好みの男やったし遊んでた。……って何壁壊しとんの!?そっちこそ何してた私!?」

「敵襲だ私!」

「でじま!?」




 エセ関西弁の女は、タカシの方をまじまじと見る。


「…………5点!」

「ひでぇ!」


 タカシに精神的ダメージ!


 眼鏡女はレイいじりを止め、タカシ達を睨んでにやりと笑う。




「いんやー、一部始終は『影』を通して見とったわ。ああ、レイ君つれてくるまでやけども」

「私!それじゃ意味ないだろ!仮にもお前は私の本体なんだぞ!?真面目にやれ!」

「もうドッペルゲンガーゆうたらお前みたいなもんやて。私はお前がさらってきた男で遊ぶ…それだけや!」


 女はスカートの端を持ち上げ、頭を下げる。そしてタカシ達に改めて名乗る。




「どうもよろしゅう……私は魔王、ドッペルゲンガーや」

「……お前が本当のドッペルゲンガー……?」

「ちゃうちゃう!私は『本体』、こっちは『影』!どっちも私やないの」


 けらけらと笑うドッペルゲンガー本体。不気味な影とは打って変わって、軽そうなキャラである。


「君達、ずっと私の影殴っとったみたいやけど……あかんあかん!体はこっちや!影殴られたって痛くも痒くもないで?」

「それをバラすなんて……随分と余裕むきゅね?」


 むくちゃんの挑発。

 それに返ってくるのは魔王らしい不敵な笑み。


「そりゃそうや。だって、そこのイマイチイカサマボーイのターンは凌いだしな?」

「イ、イマイチイカサマボーイ?」


 ドッペルゲンガー本体は親指を自らに向ける。


「次は私のターンや」


 ドッペルゲンガー影が本体に吸収されていく!


「完全体になった私に……触れられるかいな?」


 影を纏い、ドッペルゲンガーの角がぐんと伸びる!




 魔王ドッペルゲンガー完全体が現れた!




「さあ、疑心暗鬼に埋もれて逝ねや!」




 ドッペルゲンガーから闇が吹き出す!


 ドッペルゲンガーのイミテーション!




 ボウンッ!


 軽い爆発音と共に黒煙。それに視界を一瞬奪われたタカシ達は慌てて魔法、真理眼を起動させる。


 しかしその一瞬でドッペルゲンガーは行動を完了させていた。


「また……!」

「アリアちゃんが二人……!」


 黒煙の中にはまたも瓜二つのアリアが二人……真理眼でも見抜けない、幻でも目くらましでもない、純粋で完璧な『変身能力』。


「「な、何で私にばっかり化けるんですか~!」」

「んな!?」


 泣き言を言うアリアの声がシンクロする!まるで双子ギャグのように!

 驚く一同をけらけらとからかうように、地面からぬるりと二つの影が這い出す。


「完全体の私は対象を完全に模倣する!」

「ほれほれ、本当の仲間を見抜いてみい!」


 動作も何もかも瓜二つ……声を発するタイミングも一緒……これを見抜く方法はあるのか?


「もういっそアリアちゃんが二人になったと思って喜ぶしか……!」

「ポジティブすぎます師匠!」

「駄目むきゅ。放って置いたら後ろから刺されるむきゅ」

「冗談だよ!マジレスすんな!」


 手詰まり……今まさに「魔王は力だけでは倒せない」という言葉を思い知るタカシ達。


「さあさあ!早よせんと!まずは不意打ちで一人いてまうぞ!」

「ちなみに我々は影。こちらへの攻撃は無駄だ!」




 ドッペルゲンガー影の煽りが焦りを促す。


「「いっそ私同士で殴り合いますか……?力なら自信がありますし……」」

「駄目むきゅ。いくら魔王より腕力強いゴリラみたいなアリアでも、魔王に一人では勝てないむきゅ」

「「そんな……」」


 どうしようもない……一同が諦めかけ、偽アリアがこっそり影のナイフを構えだしたその時……










『そうだ!アリアちゃんが、タカシ君をぶん殴ればいいんだよ!』

「な、何でだよ!?」


 ミリーの頭に電球が浮かぶ。


『アリアちゃんの方が力は強いんでしょ?だったらパンチ一発でタカシ君の受けたダメージ量で判断すればいいんだよ!』

「……それで行こう!」


 何故か顔を赤くして身構えるタカシ!


「よろしくお願いします!」


 タカシは興奮している!




 しかし、当のアリアはあわあわと慌てて……


「む、無理ですよう!タカシさんを殴るなんて~!」









「あれ?」

『アリアちゃん、声シンクロしてないよ?』

「あ、本当ですね」


 言葉を発した一人のアリアが不思議そうに首を傾げる。一方のアリアは引きつった笑顔で一同を見渡す。


「……」

「……なんですか?みなさん、さっきから何を話して……」


 其処でむくちゃんがピンと来たようにミリーに尋ねる。


「ミリーは存在を知ってる相手にしか見えないむきゅ?」

『そうだよ?』

「声も聞こえないむきゅ?」

『そうだ……あ』

「あ」

「あ」

「あ……ってなんですか?なんで私を見てるんですか?」


 慌てて尋ねるアリア。

 タカシはミリーを指差し、アリアに教える。




「ここに、幽霊がいます」

「え?あはは、やめてくださいよ~!幽霊なんているわけ……」




『幽霊じゃないよ!精霊のような何かだよ!』




 アリア、顔面蒼白。


「い、い、い、い……」


 透き通った姿、ない足……見るからにそれは




「いやああああああああああああああああああああっ!?お、おおおおおおおおお化けぇぇッ!?いやああああああああああああああッ!!!」

「ど、どんだけビビってんだ!?」

「とにかく分かったむきゅ」

「ああ」




 タカシ達は発狂したアリアを指差して、宣言する。




「魔王はお前だ!」



「「「来るな来るな来るなぁぁぁッ!!」」」


 影も一緒に泣き喚く。既に変身も解けて泣きながら逃げようとするドッペルゲンガー。


「俺は女は殴りたくないぞ」

「じゃあ私がやっつけますか?」

『ふっふ!今回は私に任せてー!』


 ドッペルゲンガーが本気で怯えている幽霊、ミリーがビュン!とドッペルゲンガー目掛けて飛来する!


「「「いやああああああああああああああ!」」」




 そして……




『……ベロベロバ~!お化けだぞ~!食べちゃうぞ~!』




 ミリーの驚かす攻撃!


「子供かっ!!」




 タカシが突っ込みを入れる。


 すると、走って逃げていたドッペルゲンガーはゴロゴロと転がり、床に倒れ伏した。


「あれ?」




 タカシ達はドッペルゲンガーに歩み寄る。




 動かないドッペルゲンガーはブクブクと泡を吹いて、虚ろな目をして失神してしまっている……


 つんつんつついても反応なし。完全に失神確定である。


『そ、そこまで怖がらなくても……』

「……魔王のくせに幽霊にビビるなよ」

「ま、倒せたのは事実むきゅ」

「良かったです~」




 魔王ドッペルゲンガー完全体を倒した!




 思いの外厄介だった幻惑の魔王、ドッペルゲンガー……彼女を思わぬ伏兵、幽霊(?)ミリーの力で撃破したタカシ達!




「はあ~、もう二度とこんな面倒な魔王は御免だぜ……」

『私、大分頑張ったよね?誉めて!』

「ただ居ただけだろうが」

「むきゅきゅー!」

「幻惑の魔王……強敵でしたね~……」




 タカシ達は気を取り直し、新たな魔王の元を目指す……





 次なる魔王はどんな相手か?




 そして、ドッペルゲンガーを撃破したタカシ達を見下ろす怪しい影……




「噂以上に面白い方々だ……これは世界が荒れますよ……!」




 パシャッ!




 タカシはふと振り返る。


「今何か……?」


 しかしそこには何もない。


「気のせいか……?」




 タカシは再び歩き出す。


 新たな魔王を目指して……








レイ「ま、待ってくれ!俺まだ吊されっぱなし……た、助けて!」




 レイは残念でかわいそうな子。


 ドッペルゲンガー、性別♀。

 本体はエロいこと大好き。レイで遊んでた人。

 影は真面目。でもやっぱりエロいことは好きなむっつりスケベ。

 共通点はBLでもGLでも何でもごされの雑食性。

 とうふさんとは高校時代に漫研で同人誌を描いてた仲。

 幽霊とか駄目。


 影を操り、他人の姿を真似る能力を持つ。




ド「あんたの姿した影でエロいことしたるわ」

レイ「やめて!」




 結局、まともには倒れないという……


 後書き裏設定はこれからもエスカレートしていく予定?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ