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下位世界の『超』召喚獣  作者: 五月蓬
幻惑の魔王ドッペルゲンガー篇
10/55

魔王ドッペルゲンガー




 霧深き霧の泉、その濃霧の中を歩けるのは、新たな力、真理眼のお陰であろう。


「凄いな。霧が全然邪魔じゃないぞ。あってよかった真理眼、だな」


 霧が消える、と言うよりは、霧は見えるが視界の妨げにならないといった不思議な感覚。一歩踏み出すのも一苦労な霧の結界を、一同は難なく進んでいく。


「キシャーッ!」

「おっと!」


 黒キャットが現れた!


 黒キャットを倒した!


 飛び出してきた黒い魔物をぱしりと払い、気にせず進む。


「さっきから出てくる黒いモンスターは何なんだ?あいつらはこっちが見えてるのか?」

「あれは魔王ドッペルゲンガーの配下ですから~。ドッペルゲンガーが張ったこの霧の泉の霧の結界の影響は受けないんですよ~」

「アリアちゃんは物知りだなぁ~」

「アリアはどうしてそんなに魔王に詳しいんだ?俺はバアルベリトのことすらよく知らなかったのに」

「……はい?今喋ったの私じゃありませんよ?」


 足を止めて顔を見合わせる一同。

 タカシ、レイ、アリア、むくちゃん、ミリー、アリア……




「……おい。アリアちゃん、なんか増えてへん?」

「はは……そんな馬鹿な……あれ?」

「むきゅきゅー?」

『ぶ、分身の術!?』

「あれ?あれ?あれ~……?私がもう一人???ど、どちらさまですか?」


 アリアが二人……異常な光景。

 あわあわともうひとりのアリアと顔を見合わせアリアが尋ねると、もうひとりのアリアは首を傾げて笑う。


「私ですか?嫌ですね~、忘れちゃいました?私は……」





「私だ」


 ???のバックアタック!


 もう一人のアリアが、手にする杖でタカシに殴りかかる。


「いてっ!」


 不意打ちにタカシは無防備にダメージを受ける。


「誰だ!?」


 剣を構えてもう一人のアリアを睨み付けるレイ。

 アリアはキリッとした表情で答える。


「私だ」

「だから誰だよ!」


 レイの声に反応するかのように、もう一人のアリアの顔から黒い何かが吹き出す!


「私だ」




「私が、ドッペルゲンガー。そう、魔王だ」


 黒い影が人の姿を形作る!


「魔王ドッペルゲンガー……お前だったのか!」

「そう、私だ。ドッペルゲンガーだ」

「何だこいつ!」


 黒い影の顔に口だけが浮かび、不気味に笑う。


「そう、アウトドア派の……私だ。館に籠もらず、部下に頼らず、私の領地に踏み入る者に対応する……私だ」

「何だこいつ面倒臭ぇ!」

「魔王が直接、いきなり出てきた……!?」

「何を驚く?」




「先程から……会っているではないか」




「そう……私に」


 黒い影が指を鳴らす。すると周囲から突如、黒い影が湧き出す。


 黒キャットが現れた!


 黒タイガーが現れた!


 黒オーガが現れた!


 現れた!現れた!現れた!現れた!現れた!現れた!現れた!現れた!現れた!


 数え切れない程の黒、黒、黒、黒……


 タカシ達を黒い魔物が取り囲む!


「囲まれた!?」

「関係ねぇ!なぎ払ってやる!」


 タカシが腕を振りかぶり、戦闘体制に入る!


「急くな」


 しかしドッペルゲンガーの制止が入り、動きを止める。


「自己紹介がまだだ……そう、私のな」






「「「「「「「私だ」」」」」」」




「!?」


 黒い魔物が口を揃えて放つ言葉。

 それに思わず仰け反るタカシ達。


「な、何だこいつら……怖ッ!!」

「この黒い魔物は何だ!?」

「いや怖い!どどどどうしましょ~……!」


 流石に焦りを隠せない一同。その様子を楽しむように、ドッペルゲンガーは口を歪めて笑った。




「私だ。全て私だ。部下などいない。私だ。全て私。私。私。私。私……」


 私、私、私、私、私、私、私、私、私、私、私、私、私、私、私……


 口を揃えて黒い魔物が言葉を連ねる。


 身の毛もよだつ光景。今まで余裕で歩んできたタカシも身震いした。


「全部……お前?つまりそれって……」




「そう、全て……私だ」


 黒い魔物が一斉にタカシ達に襲い掛かる!




 私だ、私だ、私だ、私だ、私だ、私だ、私だ。


「気持ち悪ぃぃ!」


 タカシが拳を振り抜く!


 ゴウッ!


 一薙ぎで三体、吹き飛んだ三体が他を巻き込む、巻き込む、巻き込む……一撃で魔物は根こそぎ吹っ飛ぶ!


「いやあああ!」


 アリアの杖の衝撃波が残る魔物を吹き飛ばす!


 馬鹿力二人の攻撃で、襲い掛かる黒い魔物は一掃される!





 しかし、倒れる影の中にドッペルゲンガーの姿はない。








「館にて待つ……私だ」




 霧の泉にドッペルゲンガーの声が響く。


「逃げたのか?クソッ!殴るだけ殴って……!しかも気持ち悪いぞあいつ!」

「……姿を変え、無数の体を持つ魔王……という事でしょうか?思った以上に厄介ですね……」

「だ、大丈夫でしょうか……?あんな魔王……本当に倒せるんでしょうか?」

「だ、大丈夫だって……アリアちゃん!俺がいるんだぜ?」


 タカシの強がり。

 しかしドッペルゲンガーに対する不安は消えない。


「とにかく進もう。話はそれからだ」


 気を取り直してタカシは進み、メンバーも後に続く。




 不安を抱える一同……その中で、ミリーがぼそりと呟いた。


『どうして……ドッペルゲンガーは私達の前にわざわざ出てきて、わざわざ自分の力を見せたのかな?』




 メンバーはその声に気付かない。


 ただただ歩き続けたタカシ達は、歪んだ黒い結界に囲まれた館に辿り着く……





魔王ドッペルゲンガー登場!


今までとは明らかに雰囲気の違う魔王です!でも、実力的にはベリトさんもフェゴールさんも対等以上なんですよ?彼等は運が悪かったのだ……


次回、ドッペルゲンガーとの対決!


館でタカシ達を待ち受けるものとは???



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