一話 小説家になろう
「よっしゃー!」
俺は一人で感嘆をあげて拳を天に突き出していた。というのも
俺はついに、念願のパソコンを買ってもらえたのだった。
そこまでの道は果てしなく辛かった。それは後に追いとくとして……
俺はパソコンを手にいれたらやりたいことがあったんだ。
――――それは。
小説を投稿したい。そう考えていた。
自分の世界を表現できる。実質俺はワクワクしていた。
もしかしたら俺の小説が他の人に読まれて
出版社に目をつかれて映画化などと妄想を張り巡らせていた。
そして俺は、馴れない手つきでキーボードを荒々しく叩く。
yahooから『小説』『投稿』と入力し検索をクリックすると
出て来たサイト。それは――――
『小説家になろう』というサイトだった。
七万以上の小説作品に利用者九万人以上という数字に俺は気負いしてしまう。
――――でも、そんなに見ているのなら目利きの良い人達が集まってくれるはずだ。
俺は、ユーザー登録の為の画面へとうつる。
ユーザー名はどうしようか? 十秒後閃いた名前は、
『新堂ショウ』
これにする事にした。本名は、菊池尚吾なのだが、さすがに個人情報をいれるのはまずいだろう。
次にメールアドレスにパスワード。そして性別、生年月日を入力し終わった。
そして多少ドキドキしながら『ユーザー登録』という四角で囲まれている
文字をクリックした。
新規小説作成という文字を見つけクリックする。そこに現れたのは、
真っ白の紙だった。いや紙では無いか……
気分が高揚しているのが自分でも分かる。
この真っ白の画面を俺が黒い文字で埋めるのだ。
「ハハハ! 絶対面白い小説を書いてやる!」
それから俺は殴り書きで、時を忘れる位没頭して小説を書いた。書き終わったとき
パソコンの時計で見たら三時間が経過していた。
一話だけの文字数が、なんと五千字を超えている。
「――――俺がずっと暖めてた作品だ。絶対面白いに違いない!」
俺は、疲れたのかすっと体をベッドに横たわりそのまま眠ってしまった。
☆
小鳥の囀りの軽快な音で俺はベッドから起き上がった。
俺は早速昨日お気に入り登録をした『小説家になろう』というサイトへと飛んだ。
俺は、ログインすると何と感想が届いていた。
どんなのが書いてあるのだろうと思い俺は感想を読んでみた。
それを見て俺は硬直した。そこに書いてあったのは――――