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気をつけろ。奴らはそこら辺に生息している

掲載日:2025/12/14



昨日、ただ移動したかっただけでタクシーに乗った。


特別な事件に遭遇する予定はなかった。


せいぜい

「少し運が悪かったな」

くらいで終わるはずだった……


ところがタクシーは黙々と

目的地に到着すると停車して、

料金を支払った瞬間、

運転席から深いため息が聞こえた。


どうやらお釣りがすぐに出せないらしい。


運転手は小さくイライラし、

ため息をもう一度。

そして極めつけに、舌打ち。



ああ、

これは人間じゃないな、と思った。

これはきっと――


「お釣りがすぐ用意できない時、

舌打ちする妖怪」だ。


この妖怪は、自分の不手際を客のせいにする習性がある。

お釣りが足りないとため息をつき、

準備不足を悟られる前に舌打ちで威嚇する。

接客業界では出禁にされがちだが、なぜかタクシーには生息している。


脳内ではまず

「あ?」からの

「こんちくしょう!」からの

「低脳がっ!」からの

「ホニャララ!!」←言葉にしちゃいけない


だが、

だが、

私は黙ってドアを開け、

何も言わずに降りた。


ヒュー!わたし大人ー!


そして目を閉じ思った。


人はこういう時、

妖怪に話しかけると、

たぶん舌打ちが進化する。

下手をすると、ため息が咆哮になる。


勝った気はしなかった。


でも少なくとも、

舌打ちを主食にして生きる人生とは、

その場で距離を取ることができた。


妖怪は今日もどこかで舌打ちしているだろう。


私は今日も、人間として静かに帰宅した。





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