最終話 それから
俺たちは宇宙船で何年も宇宙を旅した。
居住可能な星がないかと探し回って、時には資源を回収のため降りてみたりもした。
しかし、この広い宇宙の中でたった一つの星を見つけるのは容易ではなかった。
宇宙では足りないものが多い。そして、人は増えていくものだ。
追加で建造した宇宙船も今や100を超える。
今年で100歳の誕生日を迎えた俺は、息子や娘、孫やひ孫に支えられながら未だにこの宇宙を旅している。
妻のマリーは俺よりも数年早く天国へと行ってしまった。
そして俺も間もなく同じ所へと行くことになるだろう。
自分の体だ。よくわかっている。
だが、俺は心配だった。設計図のスキルを唯一持っている俺がこの宇宙船からいなくなれば、この先みんな生きていけるだろうかと。
だから国王に頼んで、星を探すのではなく条件の合う太陽系を探すことに方針を変えてもらった。
同時に俺はこれまで以上に大量の物を造った。
そうしてようやく。設計図3のスキルレベルが100に到達した。
設計図3のスキルレベル100で得た能力は、製造スキップ無限。
能力はあらゆるものを瞬時に作り出せるというもの。しかも、回数制限はないし、素材もこの宇宙に存在するものなら何でも使えるとある。
能力の説明文を信じるなら、神すらも作り出せるらしい。
とはいえ、俺は神なんぞに興味はないがね。
宇宙船はやがて俺が頼んだ通り条件の合う太陽系へと到着した。故郷の星と違ってここには太陽が一つしかない。
太陽からの距離を計算して適切な軌道位置に空いたスペースがあることを確認すると、俺は人生最後の製造スキップを発動した。
瞬間、俺たちの目の前に水と緑の星が誕生する。
「美しい……」
その星は故郷の星とは似ても似つかなかった。
だが、はるか遠いもう一つの故郷にはよく似ていた。
だから俺は、この星に愛をこめてこう名付けた。
『地球』と。




