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***


嬉しくもない再会後、マデリアは捕らえられた。後ろ手に縛られ城の一室に放り込まれたのだ。


「マデリア??!」


そこには既に捕らえられていた気心知れた友人でもある、第二王子妃·レイシェル。彼女のお付きの侍女たちも一緒に捕らえられていて、部屋の隅で身を寄せ合っていた。


「レイシェル様······」


「マデリアッ·····ユルベールは??ユルベールは一緒ではないの??アデルがついていたはずよ」


「········アデル様はわかりませんが·····ユルベール様はご無事なはずです。」


きっと大丈夫だ。

あの隠れている壺から出なければ、きっと大丈夫なはずだ。


「··········陛下や殿下も別室で捕らえられているわ」


レイシェルのその言葉に、マデリアは血の気が引いた。侵略された国の王族の結末なんて分かりきっている。


「·····許せない·····私達が何をしたって言うのよ······。」


レイシェル付きの侍女がポロリと零す。

それと同時に、自分の体に流れるイスレード王国の血がとても汚らわしく感じて。憎くて憎くて仕方なかった。


後ろ手に縛られたまま、勢いよく額を床に着けた。ゴン。と鈍い音がして、額に痛みが走ったが、そんな事些細なことだった。


「イスレード王国が·····私の祖国が····申し訳ございません·······。本当に····本当に·······。」


「マデリア、頭を上げて。

貴女は陛下の側室としてこの国に来た時点で、既にイスレード王国と縁が切れていると知っています。

誰が何と言おうと、貴女は我が国の者。余計な謝罪は不要よ。」


レイシェルの言葉に周りの侍女たちも賛同してくれて。それでもマデリアは頭を上げることが出来なかった。

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