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セム苔と灰を同量。
それらを大鍋で沸かした湯に混ぜ、煮詰めて冷やす。石鹸の作り方はとてもシンプルだった。
「材料や道具は僕が用意するよ。」
メモを書き込んでいた小さな手帳をパタンと閉じて、アルビオン王子は言った。
「その代わりマデリアに一つお願いがあるんだ。」
「私に·····お願いですか??」
どんな難しい"お願いだろう"。
そう身構えると、アルビオン王子はニッコリと笑って"あのね"と言葉を続ける。
「この"石鹸"を作るのに成功した暁には、商品化して市民に販売したいんだ。」
キラキラと琥珀色の瞳を輝かせるアルビオン王子に、マデリアは少し拍子抜けしてしまった。
「わかりましたわ」
「やった!!
お母様、良い商会があったら教えてください」
「いいわよ。」
マリアンデール王妃は、ゆっくりと紅茶を飲みながら息子の話に答えて。
「一流の商人を選んでおくわ」
母親の言葉に、アルビオン王子は無邪気に笑うのだった。




