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「何処にいる??!」
「"王宮にいる者は全て捕らえよ"との命令だ!!」
こちらに迫ってくる怒号と足音が聞こえて、マデリアはユルベールの小さな体を抱きしめた。
「ユルベール様、もう一度壺の中にお隠れください。
きっとアデル様が迎えに来てくださいますわ。それまで絶対に敵に気づかれてはなりません。」
「マデリアは??」
「私は大丈夫ですから、今は御身の事だけを考えて下さいませ」
マデリアはユルベールを再び壺の中に入れる。そうして、わざとらしく足音を立てて廊下を全力で走った。
狙い通りに此方に追手の足音が聞こえる。どうにかしてユルベールから追っ手を引き離さないと。
「いたぞ!!」
「こっちだ!!!」
訓練された兵など叶うわけない。
マデリアはあっという間に敵兵に捕まった。
「閣下!!女を一人捕まえました!!」
兵の一人がそう叫ぶ。
と同時に、此方に足早に近づく足音。
マデリアはそちらに目を向けた。
記憶にあるそれとは少しばかり老けているが、見覚えのある、己と同じ銀髪で、薄い紫色の瞳の男が一人。
「おや·····??お前は···??」
「------------お久しぶりでございますわね。お父様。」
白々しく顎を撫でながら此方を見下ろす男に、マデリアは思わず舌打ちをした。