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VOICE  作者: coriko
8/8

08.準備

次の日、色々相談したくて美香を家に呼んだ。


[ピンポーン]


チャイムが鳴り、ドアを開けると

「亜希。おまたせ」


美香が約束通りお昼にやってきた。

「いらっしゃい」


いつも通り一旦リビングへ行く。

休日のお昼から会うときは、必ず一緒にお昼ご飯も食べる。恒例行事みたいな感じ。

「今日は美香の好きなペペロンチーノだよ〜。美香のだけ辛味マシマシ」


昔はお姉ちゃんが作り置きしてくれてたけど、今はもう自分で作ってる。


「わ、すごくいい匂い〜。ありがとう!」


「冷めないうちに食べよ」


「うん」


そして、お昼ご飯を食べながら2人で昨日の話をする。

美香は、翔先輩がすごく優しくて、もっと好きになったらしい。スーパーの帰り道は翔先輩が家まで荷物を持ってくれたみたいで、家に帰ってからも少しだけ2人で電話したんだって。

もうめちゃめちゃ仲良しじゃん!


「翔先輩優しいね!」


「うん、優しい。見た目あんなチャラいのにね」


「ほんとだね」


2人で笑いながら話す。


「それで、亜希はどうだった?」


「……あのね」


手を繋ぎながら帰ったこと。

来週、2人で会う約束をしたことを話した。


「え!デート!?」


「そう、なるのかな?」


「よかったね!手まで繋ぐなんて、亜輝先輩も亜希のこと好きなのかな」


「どうだろう……。車にぶつかりかけて危なかったから繋いでくれただけかもしれないし……」


「……でも、嫌いだったら繋がないし、プラスに考えていこうよ」


「……そうだよね。


あっ!そう。美香に来週着ていく服選んでほしかったんだ」


お下がりばっかりのクローゼットを開けながら言う。


「亜輝先輩とデートだもんね」


「うん!」


そして、服を全て引っ張り出して並べる。


「うーん……」


「どう?どれがいいと思う?」


うーん……としばらく服を眺めながら悩んでいる様子の美香。


「……ずっと思ってたんだけど、お姉さんってキレイめファッションじゃない?」


「ん?」


「もちろん似合ってるんだけど、亜希にはガーリー系の方が可愛らしくて似合うと思うんだよね」


「がーりー?」


「うん。身長が低くて可愛い亜希にはガーリーがおすすめ!」


「……よく分からないけどわかった。とりあえずがーりーはここにはないってこと?」


ファッションのことは全然興味がなくて分からないけど、がーりーってやつが良いのかな。


「うん。せっかくのデートだし新しい服でも見に行く?」


「うん!美香が選んでくれる?」


「もちろん!じゃあ早速行く?」


「行く!」


引っ張り出した服を片付けて、よく行くショッピングモールへ向かう。美香が服を買う時はいつも来るところなんだけど、私は服は着れればいいやって思ってるからほとんど買ったことがない。そもそもお姉ちゃんがセンスのいい服いっぱい持ってるから、自分で選ぶよりオシャレなんだよね。

だからいつもはテキトーに選んでたんだけど、今回は亜輝先輩とお出かけだし、可愛いと思ってもらいたいもんね。


「あ、亜希、このワンピース可愛いよ。試着しておいでよ」


「……こんな大きいリボンついてるやつ、似合うかな?」

めっちゃかわいい服なんだけど、私に似合う?


「似合うから。とりあえず着てみて!」


無理矢理試着室に押し込められる。

……まあ、来てみるだけならタダだもんね。


「どう?来たら見せてね〜」


服を着て鏡を眺めていたら、美香の声が聞こえた。


シャッ


試着室のカーテンを開ける。


「どう?ちょっと私には可愛すぎるよね」

さすがにピンクのリボンは似合わないよ。


「いや、すごく似合う。可愛すぎる!」

美香が可愛い可愛いと連呼してくる。

嘘でしょ。自分でも鏡みたけど似合ってなかったよ。


「じゃ、次はこれね」


次の服を渡される。

今度はフリフリがいっぱい……。

うう〜。こんなかわいい服ほんとに似合ってるの〜??!


半信半疑で服を着て美香に見せる。

これを何度も繰り返し、とうとう5着目。


さすがに5回も服を着替えると結構疲れる。


「亜希、これ!これ着てみて!」


「あ、かわいい……」


6着目に渡されたのは、ふんわりとした感じのワンピース。パステルカラーのピンクでフリルも着いてるけど控えめで可愛い。



シャッ



試着して美香に見てもらう。


「すっごく可愛いよ!これにしなよ。一番似合ってる!」


「ほんと?じゃあこれにしようかな」


美香が1番褒めてくれたこの服に決めた。





*******





「今日はありがとう。可愛い服買えたよ〜」


買った服が入っている紙袋を見る。

ワンピースを買ったあと、別のお店でオフホワイトのカーディガンも購入。美香いわく、このワンピースにはこの色のカーディガンが合うらしい。


「ううん。来週のデート楽しんできてね」


「うん!」


「そういえばどこにいくの?」


「それがまだ予定は聞いてないんだよね。迎えに来てくれるらしいんだけど」


「そっか。まあ、任せておけばいいよ!どうだったかまた教えてね」


「もちろん〜」



服を買った後、近くのカフェで少しゆっくりしてから家に帰った。


それにしても、やっぱり美香に選んでもらってよかった。可愛い服も買えたし、あとはメイクの練習だけして、明日も学校だし、早く寝よっと。


少しメイクの練習をしてからお風呂に入り、ベッドに横になった。







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