【第85話】 呪われた島の住人
サブタイトル変更しました。
島を感じる、かなり大きい島だな。
大きさは分かるが、島の中、設備?はよく分からない。
何か、大きな設備があるみたいなのだが?
日の出と共にこの島を見つけた私達。
海から登る朝日はとても綺麗で、改めて島を出たんだ、と実感が湧いてくる。
そして遙か前方に漂う霧。
エノンが風魔法を使って霧を払ってみたけど、直ぐに復活してしまう。
この霧は不思議な霧だ。おそらく、誰かの意思で発生しているのでは?
とにかく霧が濃い。
でも私達には魔力感知があるから、この霧は無きに等しいのだ。
無きに等しいが、自然の霧では無いな、怨恨に近い意思を感じるし。
念話を邪魔する、悪意の黒い霧とはまた性質が違うみたいだ。
ただ心配なのは、この島、魔力が強いというか、濃度が濃い!
ナイダイさんは先に上陸して、周囲を警戒している。
(阿騎、ここは異様だ。落ち着けない)
(そうだね、ナイダイさん。魔力の流れがおかしい)
次々に接岸する船。
ドライアド、トルクちゃんが告げる。
(ここには知人がおる。異様な容姿じゃ、お主ら攻撃するでないぞ?)
パコッ。
「ゴビッ!」
「誰がトルクちゃんだ!トルクさまと呼べ!」
痛い。
持っているデカい杖で、どつかれる私。
熱気球は無事海岸に着陸し、皆一息つく。
「またこうして、あなたに会えるとは、トルクさま」
「おお、おばばゴブリン!無事か?お互い、ひどい目に遭ったのう。エルフはどうした?姿が見えぬが?」
「ドワーフ達と、こちらに向っております」
「そうか、ドワーフ王は無事か?妃はどうだ?あの勝気な妃が、妾は心配でならぬ」
「簡易転生されたようですが、覚えておられるのですか?トルクさま?」
「拷問に近い実験の記憶は封印されておる、他は大体覚えておる」
「そうですが、エルフも簡易転生、出来ればいいのですが」
話し込むトルクちゃんとおばばさま。
どう見てもトルクちゃんである。
無茶苦茶かわいいのだ!
私がトルクちゃんに見とれていると、ニトお父さんが声を掛けてきた
「ゴブ、少しは動けるようになったかゴブゴブ?」
ニトお父さんが頭を撫でてくれる。
「ゴブ、私としては同じ船に乗った方が、安心するのだがゴブゴブ」
「ゴブ、阿騎、サイザンは無事かしらゴブ?」
「ゴブ、大丈夫だよゴブゴブ、メイドンがいるし、王さまだってゴブ」
リュートお母さんはそっと私を抱きしめた。
周りを見ると、ドワーフさん達は船や熱気球の点検修理を始めている。
ん?
一斉に空を見る妖精達。
「ゴブ、来たか?」
誰かが呟く。
白い霧の中から現われるコロさん達。
飛龍の数が……3機足りない!
海岸に次々落ちてくる飛龍隊。
綺麗に着陸したのはコロさんだけだ。
皆、怪我がひどい。
「ゴブ、ニト、ちび共の手当を頼むゴブ」
「ゴブ、お前が一番重傷のようだがゴブゴブ?」
(あと少しでドワーフ王の船が来る。魔海獣の群れも来るかもしれん)
(阿騎!皆海岸から離れるように!)
(分かった!伝える!皆、海岸から離れて!敵が来る!)
トモイお姉さんの反応は早かった。直ぐに気球を上空に逃したのだ。
力持ちのドワーフさん達は船を陸に引き上げ始めた。
(トルクちゃん!魔力感知に反応ある?)
(ない、ないが何か近づいてくる感覚はある!)
厄介だ、黒い霧の応用かな?霊視をしてみても上手く見えない、この島の影響か?
!来た!
盛り上がる海面、飛び出してきたのは牙だらけのでかい口、古代魚を思わせる容姿だが、魔獣ラグナルの海戦仕様が正解か?
なんだこの大きさは!魔獣ラグナル並にでかい!飛魚みたいな翼はナイフみたいだし、鱗は岩みたいだ。
即、攻撃が始まる。
ああ、こちらの攻撃が通用しない!
弾き飛ばされるドワーフ達、陸上でもその動きは魔獣ラグナルと同等?いやそれ以上である。
次々に上陸する魔海獣達。
斧も、ブーメランも弾かれる!抜き以外無効か?
あ、潜水艦?
数匹を吹飛ばし、接岸するドワーフ王の船。
最初に上陸したのはメイドンだ。
次はサイザンお兄ちゃん。
お兄ちゃんは抜きを放ち、2匹を魔力還元する。
お兄ちゃん、動きが速い!
夢体を持っているのでは?
海中から蒸気を吹き上げ現われたのはメイドンだ。
手に魔海獣らしき塊を持っている。
オーバーヒートしている?
私が動こうとすると、そっと肩を摑まれる。
「ゴブ、まだ駄目ですよ、旦那様ゴブゴブ」
え?
振り向くと美観お姉さんがニッコリとしていた。
「ゴビッ!?」
「ゴブ、玲門と思ったゴブ?まだ回復にはほど遠い、阿騎、お前はじっとしていろゴブいいな?約束ゴブ」
……目が笑っていない、でも。
でも、このままじゃ不利だ!
海上だったら、全滅していたかも。地上だから辛うじて応戦しているけど。
ん?島の奥から何か来る?
霧の中から?音?足音?
ふれあう金属音、規則正しい足音、人?え?何人いるの?凄い音が!
「あんたら、ひとんチの海岸で何ばしよっとやぁ?あん?」
え?
凄くでかい声が海岸に通る。
「元帥、ありゃドライアドじゃなかか?」
「げ、元帥!はよ!はよ!助けてたもぉ!!」
魔海獣のでかい口が、小さなドライアドちゃんを呑込もうと迫る。
私は躊躇うことなく、重速術を……。
ひゅん、と剣が霧の中から飛んでくる。
駄目だ、剣や武器はアイツに効果ない!
が、その剣は深々と魔海獣の腹に刺さり、あ、突き抜けた!
とんでもない大声の、悲鳴が上がる!
そして地上にいる魔海獣に対して、矢が降り注ぐ。
その矢の数の多いこと!一体、何人いる?
矢は私の期待を裏切り、全て魔海獣に突き刺さる。
次々と魔力還元していく魔海獣。
「逃すな!生きて返すな!あれは我らが友、ドライアドに牙をむいたヤツぞ!」
霧の中から放たれた矢は全て魔海獣に刺さり、上陸した魔海獣は全滅した。
凄いの一言である。
何者だ?
「ゴブ、阿騎!無事だったゴブ?」
傷だらけのお兄ちゃん。
「ゴウッ、お、お兄ちゃん!」
トスッ、と私の爪先ギリギリに矢が刺さる。
「動くな、おまえらゴブリンか?魔族の波動を感じるが?」
「元帥!」
「ドライアド、どうした?最近姿を見せなかったが、何があった?えらく、むぞらしい姿になりおって」
栗の中から足音と共に現われたのは、大勢のスケルトンだ!
うわっ!
こわっ!
凄い迫力である!
数千人単位ではないのか?
剣、槍、弓、え?スケルトンがハンマー持っている!?大丈夫かな?
重くない?
数々の得物を携え、あっという間に囲まれてしまう。
「この者達は、不通り島から逃れてきたのだ。妾を呪縛から解放した者達だ」
ドライアドトルクちゃんが説明をする。
私は興味津々で近くのスケルトン戦士を見ていた。
次回投稿は2022/10/12の予定です。
サブタイトルは 島の守護者スケルトン です。




