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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
一章

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【第58話】 夢の再現と人族

 剣を手にする。

 

 その重み、鈍く光る刃

 凶器を手にした瞬間、パチンと何かが弾ける。


「ゴブ?」


 記憶が弾けた霊音だ!


 夢の中で繰り返し練習した剣。

 どっと流れ込む修行の記憶!


 剣だけではない、色々な武器の扱いを教わった。


 思い出せ、夢の中の記憶。


 そうだ夢の中で色々な魔物や、異世界生物と戦ったのだ!


 思い出せ!磨いた技を。得た剣技を。


 剣に魔力通し、満たす。

 何度も夢で実行してきたことだ。

 私は夢の中の動作を再現する。


 小ぶりの剣は魔力で満たされ、小さく振動し始める。

 夢の体は軽いが、この身体は重いな。


 ネーネーは言った。


 KILLを切るとOVERKILLになる。

 そして切るをKILLとOVERKILLになる。

 

 ネーネー、意味不明だよ!


 だけど私は夢の中で何年も鍛錬し、次々と技を修得していった。

 OVERKILL、リアルで使えるかな?

 それだけではない、色々な技も覚えたはず。

 

 襲い来るゴブリン。


 短期決戦タイプの私は、一撃で相手を倒さないと後がない。

 あ、思い出した!


 重速術!


 OVERKILLとワンセットの技!

 しかしこの一連の技は大量の魔力が必要だ!

 使いどころを間違うと、オーバーヒートして動けなくなってしまうぞ?


 直線的な攻撃の獣ゴブリン。

 スッと動いて剣を流す。

 襲ってくる剣のラインが、見える?

 ああ、これが剣筋ってやつか?それとも見切り?


 夢の中とリアルでは、見え方が違うな。


 ん?この獣ゴブリンは……そこまで強くない?

 2匹目を一撃で倒す。

 こいつら、武器を携帯しているが振り回すだけ?

 3匹目も一撃で倒す。

 4匹。

 5匹目。

 全て一撃で切り伏せる。

 無駄な動きを省き、歩くだけで敵を倒す!

 6匹目?


挿絵(By みてみん)


 おや?

 あれ?


 剣を弾かれた?

 6、7匹目から動きが違ってくる。

 7匹目は私の剣を躱した!

 

 どういうことだ?


「!」

 

 私の剣技を真似ている!?


「阿騎!できるだけ一撃で仕留めろ!」

 エルフさんが叫ぶ。

 体の動きが段々と鋭くなってくる獣ゴブリン。

 これって?


 とんでもない学習力だ!


 8匹目はどうにか倒したが、9匹目と10匹目はかなりの強さになっていた。

 エルフさんと連帯で仕留めようとするが、上手くいかない!


 まずい、応用もし始めた、連帯も!

 凄いこいつら!夢で修行した私に追いついた!

 

 とんでもない兵器だ!


「一撃で仕留めないと、こいつらどんどん強くなるぞ!」


 ここで朝日が差し始める。

 

 歪んだ木々の間から光が漏れ、白いドーム状の建物が浮かび上がる。

 見た目は綺麗な建物だが、見た目だけだ!

 中では恐ろしい実験が繰り返されている、悪夢のような場所だ。


 ん?霧が?黒い霧が消えていく?

 薄れていく霧の仲からラグナルが2匹、突進してきた。


 でかっ!


 ぶつかり吹飛ばされるエルフさん。

 予測と反応速度で回避する私。

 

 私を目で追うラグナルに、エルフさんの氷の投げ矢が刺さる。

 余程痛いのか、痛みに慣れていないのか、凄い悲鳴を上げ飛び退くラグナル。

 そこへすり足で近づき、抜きを放つ!

「ゴブ!」


 1匹、2匹。

 確実に仕留める。


「……阿騎」

「ゴブ?エルフさん?」

「囲まれたぞ」

 え?囲まれた?

 黒い霧は朝日に照らされ、消えてしまう。


 黒い霧?朝日に弱い?

 消えた黒い霧の中から10匹ほどのラグナルと、その頭部の立つ獣ゴブリンが現われる。

 これはマズイ状況だ。

 

 この獣ゴブリン達、私の分身だよね?技、見たよね?

 

 囮だから攪乱するだけでいいけど、この獣ゴブリン達、全部倒さないと後がヤバいのでは?

 さっと見回し、槍を携えている獣ゴブリンが3匹。

 まずこの3匹とラグナルをターゲットにして、包囲網を抜ける。

 最小の動きで最大の技を放つ!

 

 ラグナル2匹を抜き、で仕留め、槍の獣ゴブリンは簡単に倒れる。

 槍の技は、まだ修得していないみたいだ。

 そしてよく見ると、この獣ゴブリン、動きは忠実に再現するが、抜き、は修得できていない。

 抜きは動きだけでは発動しない技だからだ。


「ほう、不思議な技だな、これがラグナルを倒す技か」


「!」


 歪んだ木々、枯れ木が目立つ風景に、影が浮かび上がる。

 木々に隠れして、よく確認できない。

 

 ドームの前に立つ3匹?の影が目視できた。大きいな。

 ゴブリンの目で上手く見えないとは?何かカモフラージしている?


「くそっ、なぜ私が出向かなければならんのだ!黒の霧はどうした!陽の光に弱いだと?もっと強化できないのか?使えないヤツだな。役に立たん者はリセットするぞ!」


「リセット?勘弁してくれ。総攻撃後で、弾数足りないの、ご存じでしょう?」


「 忌々しいゴーレムめ!あいつが制御装置を破壊しなかったらボタン一つでこいつら殺せるのだぞ!このクズ共を!」


「所長サン、そんな昔のこと言ったって、どうしようもないでしょう?」


 この声、この感じ、あいつだ、捕獲部隊の生き残り!

 この2匹の他に、頭一つ大きい影がある。


「あーこのタイミングで襲撃とは、あーこいつらの目的は復讐か?面倒くせぇ」


 スラリと剣を抜き構える影。


「あ、阿騎!距離をとれっ!ひ、人族だ!」

「ゴブッ!」


 ヒュンヒュン、瞬時に間合いを詰められ斬激が身を掠める。

 

 避けたつもりだが切られた。

 左肩から鮮血が吹き出す。

 

 今の攻撃は?なんだ?


「阿騎!近い!離れろ!相手は人族なんだぞ!」


 え?ひ、人族!?

 

 こいつらが人族?

 

 うそだ!これが人?


 これは人ではない!

次回投稿は2022/08/28の予定です。

サブタイトルは 激戦 です。

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