【第131話】 短いスカートはちょっと苦手
今晩は。
いいね、ありがとうございます。
予告時間より、ちょっと早い投稿になりました。
「それでね、読み書きは合格点もらったの」
私はやや自慢げに、イオリちゃんに伝える。
今日も服を脱ぎながら、イオリちゃんとお話である。
一日の出来事は、しっかり報告しないと。
ぬぎぬぎ。
おお、この服、一瞬で脱げる!
変態時は便利だぞ!
「それはよかったですね、では残りの時間はダンジョン攻略の用意ですか?」
ドボンとお風呂に入る私。
獣人族は月に影響され、体臭がキツくなったりする。
魔力でコントロールできるのだが、やはりお風呂は必須なのだ。
「うん、それから旗を作ったんだ、パーティーの!それでねパーティー名は『ゴブリンズ』っていうの!」
石鹸使って綺麗にっと。
「ゴ、ゴブリンズですか?」
おお、この石鹸、泡立ちが凄いな。
「そう、私を受け入れてくれたから、感謝の思いを込めて!」
「?」
「どしたの?イオリちゃん?」
「いえ、アッキーでしたら、どこのパーティーでも両手広げて歓迎では?私はてっきりアッキーがメンバーを集められたのかと」
「それが、警戒されて駄目だったのよ!」
鼻血とか言われてさ!
「愚かな学友ですね、実戦経験が少ないか、無いのでしょう。まあ、初心者ならば、見る目が無いのは仕方ありませんねぇ……」
ん?怒りのオーラを感じるぞ?
私のご主人さまを、無視?……しめるか?と、ぽつりと呟いたような気がしたけど、聞き間違いだよね?
「アッキー、パーティーメンバーを今度寮に呼ばれませんか?お会いしてみたいです」
脱衣場のドア越しにも、姿勢を正したイオリちゃんが感じ取れた。
「男子2名と女子2名だよ?いいの?男子?」
「ミーティング、勉強会の形をとれば、男子でも入室、よろしいかと。あ、あと、ロットンから荷物が届きましたが?この機械はいったい?」
「あっ!届いたの!?どこ?」
嬉しさのあまり、脱衣室から飛び出す私。
「裸でお部屋を彷徨ってはいけません!髪がまだ濡れていますよ!突然ドアが開いたらどうされます!?」
荷物が気になり、タオル一枚もって部屋を走る私。
おかしいなぁ、降下期なのに、気分が上がっている。
魔力も充実しているし、安定感がある。
降下期独特の不安定感、心細さが無いのだ。
気持ちが高ぶり、強気になり、普段と違う行動を取っている。
裸を気にしないで、お部屋を横切るなど、普段の私なら絶対にしないのだが?
「アッキーいるぅ?」
ガチャリ、と開くドア。
えっ?なんで?
魔力感知、何も反応しなかったけど?
おい、獣人パワー!何しているの?お仕事してよ!
下降期でもこれはないでしょう!?
ドアには、ホッシー先輩、リュートお母さん、ボンバーズが立っていた。
「お、かわいいっ!アッキーおしり、ぷりぷりじゃん!」
「っんきゃあああっ!」
ホッシー!口に出していわなくていいいいいいっ!なんで?どうして開くのドア!?
慌ててお風呂場に逆再生である。
「これはようこそ、皆様」
イオリちゃん、冷静じゃん。
改めてお風呂場から出てくると、みんなお茶を飲んで、寛いでいた。
……まあ、いいけどね。何用かしら?
ボンバーズには会いたかったんだよね、それとリュートお母さんにも!
文字の読み書きのお礼と、制服のお礼!
こちらから、会いに行きたかったんだっけど。
「こ、今日は、先輩方。先程は失礼しました……」
「いえ、こちらこそ眼福、眼福」
「ホッシー!」
「……ごめんなさい、ママ・リュー」
「制服はどうでした、アッキー?」
「着心地よかった!……です」
「違和感はありませんでしたか?」
「違和感は無かったけど、スカートのその、短くありませんか?」
「あら、動きやすさでは、あのくらいが、よろしくなくて?」
「……膝が出るのは恥ずかしいです」
「ええ!?膝だよ?」
5組は青空教室。
ちょこっと座るだけで、スカート、捲れるのよ!
「アッキー!人族やエルフにはない、獣人族の筋肉スタイル、披露しようよ!」
じろり、とホッシーを睨むリュートお母さん。
まあ、ホッシーは私のおしりどころか、半獣人の真っ裸見ているしなぁ。
「ならば、少し補正しましょうか」
「ママ・リュー、膝上、手の幅で!」
手の幅?確か広げた手の親指から小指までの長さだっけ?15㎝くらい?
……パンツ見えるよ。
私が赤いお顔でホッシーを睨む。
「くっ、頬を染めたアッキーが私を睨んでいるぅ、その視線、美味しすぎるぅ!」
「ホッシー、ほんとあなた、アッキーのことが好きなのね。アッキー安心して、スカートは膝下で合わせるから」
……ん?ホッシー?
リュートお母さんを見ているけど?
「え?なに?私、アッキーが好きなの?」
「違うの?一緒に歌を歌ったり、仲良くお話ししたり、旅もしたわ。アッキーは自分の身を顧みること無く私達を助けてくれた。私もアッキー、大好きよ。そうね、この服を作っているときなんて、ニトが、まるで自分の娘に作ってあげているようだなって、凄く楽しそうに見えるって言っていたわ」
私は、息を止めてリュートお母さんを見た。
「ニトもアッキーのこと、すごく心配するのよねぇ、アッキーまるで、私達の子供みたい」
私は、お母さんを泣かせてばかりの、最後まで両親を悲しませた、親不孝の子供でした。
「リ、リュート、そのお話は、私達には刺激的すぎるわ」
あ、玲門さん、お顔が真っ赤だ。
「これ何?」
話を聞かず、しきりにドロトン先輩からの機械を眺めていた美観さんが尋ねる。
「美観、お話聞いていた?」
「え?なにレー?それより、このカラクリ、面白そうでなくて!?このハンドルを回すと多分、この中の内側の部分が回るのよ!」
お、鋭い!
いい機会だ。動かしてみるか。
「美観先輩、それに興味あるようですね、動かしてみましょうか?」
「うん!いいねぇアッキーお願い!」
「イオリちゃん、頼んだもの、用意できている?」
「はい、お砂糖と、ザラメですね」
さて、うまくできるかな?
綿菓子!
次回投稿は 2023/05/23 22時の予定です。
ある日のお話
「元帥さん、最近何聞いています?」
ポチポチ キーボードを抑える音が不規則に響く。
「ザ・デッド・サウス」
カキカキ 下書きのシャープペンシルを滑らす音。
「???」
未知の世界である。
グループ名?歌詞?
「MAYAKOは?」
「ピノキオピーさまの新しいCD、あとアルティメット先輩とか」
「???」
「アルティメット先輩、元帥さんに似ているんだよねぇ」
「なんねそれ?」
「あ、元帥さん、いま何枚です?」
「32か33枚くらいかね?MAYAKOはどのへんや?」
「え?私?今、331話だよ」
「……おかしくねーか?」
「いや、おかしくはないと思いますけど?」
「まったく追いつかん!」
「がんば」
「腹立つ!ぐらぐらするちぇ!あ、きさん(きさまの意)今笑ったろーが!?」
「え?笑うわけないでしょう、ふふっ」
今日も元帥さんは挿絵を描いて、私はポチポチとキーボーをいじっています。




