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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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330/406

【第130話】 パーティー名は護武鈴好    

今晩は。

投稿です。

 今日の授業は、午前中は文字の読み書きと、ふふふっ、計算である。


 わはははははははっと、悪役みたいな高笑い声が込み上げてくる。


 そして午後は南のダンジョンの攻略準備。


 パーティー単位での授業、プリントが配られる。


 先ずは午前中、読み書きをお互いに教えあうのだ。


 さて私達のパーティーは?

 ゴブリンズは、数字も文字もスラスラと読めた。

 そして私より綺麗な文字を書いた。


 私……リーダーとしていいのか?

 まあ、リーダーに求められるのは文字の綺麗さではあるまい。


 ん?何を求められるのだ?リーダーとは?


 戦闘力か?判断力か?生き様か?


「どこかで習ったの?」


 かきかき。


 ドングリくんは丁寧に文字を書いている。

 え?私?私は早書きでさっさと終わらせた。


 読めればいいか、と思ったんだけど、さすがにこの文字は酷かったかな?


 書き直す?


「ゴブ、ミントおにい……先輩ゴブ」


「え!?」


 思わぬところで、思わぬ名前が出た!


 図書室の主。


「知り合いなの?」


 チラッと周りを見る、ドングリくん。


 なんだ?


「……スリで捕まったとき、助けてくれたゴブ」


「!」


 今度は私が、チラリと、うめちゃんを見る。


「ゴ、ゴブッ、も、もうしないよぉゴブゥ」


 ……一番綺麗だな、うめちゃんの文字。


 私と比べると、習字習い始めと、いや、墨汁で遊んでいる乳幼児と有段者くらいの差がある。


「うめちゃん、字、綺麗だね……」


「アッキー、黒いオーラ出ていないゴブ?」


「あら、そうかしら?」


「ミントお兄に言われているゴブ、綺麗な字はそれだけで一難減るってゴブゴブ」


 くっ……リーダーとは?


「みんな、リーダーに全てにおいて、ナンバー1を求めないでね?」


 まあ、私はリーダーなんてしたことないし、適任がいたらあっさり譲ります。


「え~ゴブゴブ、格好良くあって欲しいゴブ!」


「じゃ……交代する?」


 一応、聞いてみる。


「イヤゴブ」うめちゃん。


「面倒いゴブ」ゴンズイくん。


「大変そうゴブ」クルミちゃん。


「無理ゴブ」ドングリくん。


 押しつけられたってことか?

 まあいいけど。


 そしてこのゴブリンズ、計算も楽に熟した。


 足し算、引き算問題なし、かけ算、割り算も鼻歌交じりだった。


「これもミント先輩?」


「ゴブ、計算で騙されないようにってゴブゴブ」


 あ、先生来た。


「終わったようだな?ダンジョン攻略の用意に移っていい」


 お、早々と。


 時間に余裕があると、気持ちが楽になるよね。


「では皆、チーム名決めよう、それと旗を作るよ」


「ゴブゴブ、アッキーが使っているゴブリンズ、でいいのかなゴブゴブ?」


「いいよ、分かりやすいし」


「旗は、ゴンズイが描いているゴブ」


 机に描かれた旗。


 おお、色指定までしてある。黄緑色の旗に菱形の図形を組み合わせて、ゴブリンズと書いてある。


 カキカキ。


「ゴブ?」


 護武鈴好、と描き込む私。


「ゴブ?この文字は?」


「これ、ごぶりんずって読むのよ、ふふっどう?」


「ど、どこの文字ゴブ!?」


「いいゴブ!」


「決定ゴブ!」


「ふふっ、ミント先輩の同級生、リュート先輩知ってる?」


 パーティー旗の生地を頼んでいたんだよね。


「知っているゴブ!ピア様の妹さまゴブ!」


「え?ドングリくん、ピア副団長知っているの!?」


「ピア様のお財布を、うめちゃんがスッたゴブ」


 え?無事だったの?あの副団長の!?


「う、うめちゃん?無事だった?」


「ピア様、わざとスらせたゴブ」


「え?」


「ゴブ、それからお供の騎士さま達に囲まれて」


「酷いこと、された!?」


 首を横に振るうめちゃん。


「ゴブ、もうこのような事はしたらいけないと、優しく言ってくれたゴブ」


 まあ、あの騎士団員だったら、さもありなん。


「そこでね、ミントくんを紹介してくれたゴブ」


「今はミントくんと一緒に暮らしているゴブ」


「ち、ちゃんと市場の掃除して、いるゴブ!」


「もう、泥棒はしていないゴブ!」


「そんなことあったんだ。今ねリュート先輩にパーティー旗の布をお願いしているんだ。受け取りいいかな?」


「ゴブ、いいけど?アッキーは?」


「あっちで揉めているから、ちょっと仲裁に」


 オーク、ダンちゃんが愚痴っている。


「旗、お願いね」


 そう言い残し、ダンちゃんのパーティーへ向う。


「読み書きできなくても、強けりゃいいだろ!」


 ……まあね。そうかもしれない。

 困り果てているパーティーメンバー。


「よ、ダンちゃんおはよう!」


「獣人が何用だ!?」


「討伐依頼とか、読めなかったら、騙されるぞ?賞金の計算もヤバくないか?」


「うっ」


「ほれ、私のマネして書いてみて」


 かきかき。


「なんて書いたんだ?おー?なんだ?」


「オークって書いたんだよ」


 かきかき。


「こうか?」


「いいね、次はこれ、かきかきと」


「か?い?オーク?」


「これはカッコイイオークと読む」


「ふん、こうか?」


「お、私より綺麗な字だな、次はこれ、かきかき、と」


「?」


「すぐれたオークと読む」


 こうやって、ダンちゃんと文字の練習をした。


「次はこれ、カキカキ」


「難しいな?これは何と読むのだ?」


「ミハラマ家のヨダン」


「!」


「ん?どうした?ダンちゃん?」


「キン子、お前教えるの、うまいな?」


「あはははっ、そーお?煽てても何も出ないよ?」


 こうして一方では旗作り、他方ではダンちゃんと文字の練習が始まった。

 私は、ダンちゃんに教えながら、できるだけ綺麗に書く練習した。


 ダンちゃんは放置しておけない。放置すると暴れ出すのだ。


 まあ、ダンちゃんのパーティーメンバーじゃまだ制御?は無理そうだから見かねて横に立ったのだが。


 ダンちゃんは文字を覚えるのが速かった。


 オークの特性か?なぜ今まで誰も教えなかったのだろう?


「では次はちょっと長いよ、かきかきかきっと。何と読む?」


「……獣人とオークは友である」


 ニヤッとする私。


「まあ、ダンちゃんがそう言うなら、友達になってやるよ!」


「!き、きさま!これを言わせたかったのか!?」


 笑い出すダンちゃんのパーティーメンバー。


 あ、ハピ子も笑っている。


 ダンちゃんも苦笑いである。


 校庭を見ると、ケンタウロス・グロスのパーティーが乱取りを始めていた。


 かなり激しいぶつかり合いだ。

 ここまで音が聞こえてくる。


「なあダンちゃん」


「なんだ?キン子」


「あいつらに勝ちたいとは思わないが、絶対に負けたくない」


「……キン子、勝ちたいとは思わない?お前歪んでいないか?素直に負けたくないと言えよ?」


「あんな奴等に勝ったって、自慢にもならん、いや自慢もしたくないし相手にもしたくない、が本音だ。だが、そんな奴等に負けたくないのだ!」


「やっぱ、歪んでねーか、キン子?」


「ゴブ、リーダー!旗ができたゴブ!」


「ゴブゴブ!見て見てゴブ!」


 緑色に金の縁取り、朱色で護武鈴好。


「気に入ったゴブ!」


「ゴブこれ、着色ゴブ、刺繍でも作りたゴブ!」


 ……コストって知ってる?


「ゴブ、南のダンジョンクリアして、入り口にこの旗を立てるゴブ!」


 まあ士気は大いに上がったかな?

次回投稿は 2023/05/22 22時の予定です。

サブタイトルは 未定です、すみません。


一章32話までイラストが入りました。

よろしかったらご観覧ください。

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