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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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【第124話】 ちょっと聞いてよ、イオリちゃん! 

今晩は。

早く帰宅できたので、20時に投稿できました。

明日はちょっと遅れるかも知れません。


「今日はどうでした?」


 へろへろになっての帰宅、いや帰寮である。


「た、ただいま、イオリちゃん、と、とにかく疲れた!」


「お風呂がいいですか?それとも夕飯を先にされますか?軽食もできますけど?」


 ありがたし!

 これはもう、三人目のお母さん、決定か?


 おっと、ここで勘違いをしてはいけない。


 イオリちゃんは超高性能メイドさん、お金で雇っているのだ。


 彼女にとってこれはビジネス!お仕事なのだ。

 メイドンが作った家系かも知れないが、愛情もたっぷり詰まっているかも知れないが、ビジネスである。


 私は社会人をしたことがあるので、お金と仕事の関係が少しは分かる。


 この世界と、私のいた世界、お金の価値が同じとは限らないが、人を雇うとは必ず報酬がついて回るということだ。


 黒い企業は、労働と報酬のバランスがよろしくないけど。


 いやだなぁ、黒い企業。


 社員を縛り、時間を無視し労働力だけを求める。そして報酬が少ない。

 結果、人は育たず、悪い風習と黒を好む人材が残り、黒さが更に進む。


 中小弱企業は人が少ない分、黒い人材はすぐに育つ。大、特大企業は人が多すぎて、蔓延って育つ。バイトや派遣社員、新入社員を絞り、上にはいいお顔をする。そしてそれが更に進化して、企業全体がドス黒くなる。暗黒企業の出来上がり。


 そしてバイトや派遣社員、新入社員が病んでいく。


 いつも思う。学校のいじめに似ていないか?どこか、奥底が繋がっていないか?


 ああ、亜紀は銀行のお仕事、大変だったけど好きだったんだなぁ。

 結果は暗黒人種に殺されたけど。


 そして恐ろしいことに、誰でも暗黒人種になる可能性を秘めている。

 ほらね?いじめとそっくり!


 今更悔やんでもどうしようもない。ここは別世界。

 今の私は獣人族の明季。


 ここには法律なんてない、あるのは種族の掟と暴力。


 脱衣所に駆け込むと、私は服を脱ぎながらイオリちゃんに話し掛ける。


 ぬぎぬぎ。


「ちょっと聞いてよ、イオリちゃん!」


 ちっとも育たないなぁ、私のお胸、おっかしいなぁ?あんなにご飯食べているのに!


「はい、なんでしょう?」


 うう、お尻もペッタン!


「ケンタウロスのグロスって知っている?」


 私のウエスト、どこ!?


「噂だけなら、あまりいいお話は聞きませんが」


 あいつ、噂持ちか!


「こいつ酷いんだよ!くるみちゃんを殺人級の蹴りで狙って!」


 なんで私の足首、こんなに大きいの!?


「くるみさまとは?」


「あ、クルミちゃんはゴブリンでねパーティーメンバーなの!」


「パーティーを作られたのですか!?おめでとうございます」


「あ、ありがとう!そ、それでね、あ、そうだ!朝からも大変だったんだよ!シンお姉ちゃんが切れて!」


 突然、勢い、時系列バラバラの、支離滅裂な私のお話に付き合ってくれるイオリちゃん、ありがたし。


 いや本当にありがたい。

 あ、亜紀が喜んでいる!


 そうだね、亜紀、まるでお母さんとの会話だね。


 今日一日のお話は、お風呂に入ってかも、食事中も続いた。


 イオリちゃんは時には質問し、時には笑い、ちゃんと聞いてくれた。


 あ、これは大事なことではないのか?

 将来、私に子供が出来たら、ちゃんと聞いてあげよう。


「それでは、グロスとの勝負はダンジョン攻略となったのですか?」


「うん、そうなの。ダンジョンってどんなところなの?イオリちゃんは騎士団級だから平然としているけど」


「そうですね、狭いところもあれば、広いところもありますし」


「暗くない?お日様の光、届かないし」


「はい、場合によっては夜よりも暗いです。あと息ができない場合もあります」


「それって、普段と違うと思うけど!?」


「そうでしょうか?戦いにおいて、想定内のことだと思いますが?あらゆる魔法攻撃を、考えておかないと」


「……ま、まあ言われてみれば、そう……かな?対策は?」


「任せてください!アッキー」


 おおお、頼もしいっ!


 そこで、コンコン、と扉を叩く音が響く。


「誰かしら?」


 食べることと、お話しすること、ダンジョン談話に一生懸命だった私は周囲警戒を怠っていた。


 イオリちゃんがすっ、と扉に向う。


「クラスメートの方ですよ」


 え?尋ねてくるクラスメート、いたっけ?

 自慢じゃないけど、ゴブリンズ以外知らないぞ?

 

 ここは女子寮、基本男子禁制。


 わ、私の場合はちゃんと、許可取っていますからね!

 

 扉を開けると、ハピ子とハピ子のメイドさんらしきハーピーが、立っていた。


 ハピ子の目が丸くなる。


「バ、バイオリーナ・バウリス!な、何故、貴殿がここに!?」


「どこかでお逢いいたしましたか?トウ・ソレル姫」


 ちょこんと挨拶をするイオリちゃん。


「あれ?ハピ子?どうしたの」


 今度はイオリちゃんの目が丸くなる。


「ハ…ハピ!?」


 横に引っ張り込まれる私。


(ち、ちょっとアッキー!?正気!?裂姫ソレルの二つ名よ!?ハ、ハピ子だなんて!彼女、相当危険なハーピーよ?)


(ええ?そんな怖い名前なの?でも私にとってはハピ子よ、それに朝シンお姉ちゃん、ぶっ飛ばしているよ?)


(ええっ!?ハーピーぶっ飛ばしたと言っていましたが、ソ、ソレル姫だったんですか!?こ、これからは、ちゃんとお話ししてくださいっ!)


「入ってもよろしいか?」


 ハピ子が慇懃に尋ねる。


「あ!?いいけど、いいよね?イオリちゃん?」


「はい、ですが食事中ですよ」


「ハピ子、一緒に食べる?」


(だからっ!アッキーっ!相手は王族ですって!)


(ええ?ご飯誘ったらいけないの?クラスメートだよ?あ、用意がすぐにできないか?)


(いや、そうじゃなくて、手順が!)


「なに?い、いいのか?」


 お、ハピ子、いい返事。


「条件一つ」


「なんじゃ、条件とは?」


「王族マナーなし、で」


 ハピ子はゲラゲラと笑い、お連れのメイドさんは横を向いて吹き出した。


「よいぞ、では、席に着こうか」


「は?何言っているの!一緒に食べるは、一緒に作ろうって事よ!」


「はああ?客人に料理を作らせる気か!?」


「一緒に作って、一緒に食べようよ!きっと楽しいよ?」


 ハピ子は、一興じゃ、と言って話に乗った。


 で、ハピ子、何しに来たんだろう?


次回投稿は 2023/05/18 21時か22時の予定です。


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