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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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322/406

【第122話】 怒る者と笑うヤツ   

今晩は。

投稿です。

 勝負は一瞬で決まった。


 いや、勝敗でいうなら引き分けである。

 お互い吹っ飛んだのだ。


 グロスはドドンと大地に叩きつけられ、動かなくなった。


 ドングリくんは大きく後ろにジャンプし、ストン、と大地に足を降ろす。

 そしてペタン、と座り込んでしまう。


「え?」

「なっ!?」


 周囲は何が起きたのか、わかっていない様子。


(動き、分かった?ドングリくん?拳の握り方、当て方、魔力で層を作り、防御、力を拡散させるやり方、そして全身の筋肉の使い方!)


(うん、分かった。すごいや!動きが、まるで僕が動いているようだった!)


(あははっ、君が動いたんだよ?僕が憑依して動かしただけじゃない、ドングリくんの意思と僕の意思が重なったんだよ、そうだね、ドングリくんに力が移ったと言えばいいかな?)


(よくわかんない)


(でも、動きや技はそのまま理解出来ただろう?移した力は残っているだろう?)


(うん、これ、もらっていいの?)


(ああ、力の贈り物だ)


(ありがとう!技も反復するよ!けど……)


(けど?)


(これ、筋トレが必要だ!絶対明日、筋肉痛になるよぉ!いや、もうなっているよ!)


(ふふっ、アッキーをよろしく!)


(え?君は明季姫じゃないの?)


(僕は阿騎、明季姫じゃないよ、亜紀の一部さ)


(わかんないよ?)


(遙か昔のゴブリンで、残留思念、おばけ、幽霊、亜紀とエンキドウ……シルバーっちの思いさ)


(???)


(ふふっ……アッキーでいいよ。さほど変らないし。じゃ、またね)


(あ、あり、ありが……)


 そして阿騎は私と重なる。


 そうとしか、表現できない。


 スライムみたいに分裂したってことかしら?そしてまた元にもどったと?

 ネクロマンサーの能力だろうか?


 これ、生き霊を憑依させたってこと?

 いや死霊か?

 でも私だぞ?


 ローローとネーネーに存在が似ている?残留思念なのだが、ちょっと違う?


 相手を思う気持ちは、伝わるって事か。

 でもこれ、魔力が無いと無理だ。


 なら、魔力保持者が相手を恨むと、呪いになる?


 心配すると、その思いは相手を護るんだ。

 シルバーっちの心配が、私を通してリアルに干渉した?


 呪いの反対ってなんだ?思いやりか?違うな、言葉がない。

 祝い?祝福?この場合、違う気がする。


 加護?違うな。


 お友達や、親、姉妹、兄弟、夫婦、お互いを思う気持ち、その気持ちが現実化する、これ理屈はわかんないけど、使えるぞ。


 想いが伝わり、相手を護り助けるんだ。


 逆の場合は、想いが相手に伝わり、相手を不幸にする、これは呪いだ。


 力は同じでも、方向性が真逆だ。

 ならば、私は人を呪わないようにしないと。


 この魔力量だ、相手によっては死んでしまうのではないか?

 これぞ呪殺、恐ろしい現象だ。


 ……でもこれ、亜紀を虐めた奴等が目の前にいるとしたら、どうする?

 ……よろこんで使うかな?


 思い知れ、と。


 そして亜紀はきっと後悔するだろうな。

 きっと、使うとしたら別の形で使うだろう。


 何か、形はないだろうか、イメージできる象徴。

 相手を思う気持ち、何がいいだろう?


 お父さんや、お母さんが子供を思う気持ち、飾らないそのままの気持ち。


 阿騎や明季は知っている、亜紀が欲しかったもの、そしてその気持ちは生きている者を越える。死者であり想いであるエンキドウも、心配して想いを送るのだ。


 ああ、百合の花がいい。ユリを象徴としよう!

 よき想いは色とりどりのユリをイメージして、相手に送ろう。


 そして、私に仇をなす者には黒いユリをイメージするか?いや、これは怖いな、止めておこう。


 よし、まずはこの放浪のゴブリン4人にユリをプレゼントするイメージを送ろう!


 皆にハブられた私をパーティーに誘ってくれたのだ、こんなに嬉しいことはないっ!


 むくり、お起き上がるケンタウロスのグロス。


「きさま、何をしたっ!」


 私に向っての物言いである。


「倒したのは、ドングリくんよ?」


「ふざけるな!俺が見えないとでも思っているのか!」


 凄まじい怒り、ああ、この波動にレイランお姉ちゃんは耐えられないんだ。

 今のグロス、毒の塊みたいだ。


「なぜクルミちゃんを狙った?」


 卑怯者め、なんと答える?


「はあ?間引きだ」


 え?


「早めに間引きしないと、野良ゴブリンはすぐ増える。害獣よりタチが悪りぃ」


 先生をチラリと見る。


 あ、少し怒っているかな?


 クラスメートを見る。


 グロスのパーティーメンバーは、ニヤニヤしている。


 ハピ子は?

 あ、激怒?


 ダンちゃんは?


「おい、最近ケンタウロスも増えてきただろう?間引きが必要じゃねぇか?」


 あ、ぶち切れてる。


「お前にできるか?あ?だんちゃん?」


 ここは、ン・ドント大陸、王都聖龍門学校。

 義務教育ではない。


 学校という名の戦場か?


 前世の記憶がじゃまだな。


 学校はこうあるべし!という概念が外れない。


 ダンちゃんが動こうとすると、グロスのパーティーメンバーが動いた。


「俺らのパーティー、つええぞ?」


 あ、ダンちゃん、躊躇った?


 そしてこのグロスのパーティー6名が、揃って私を見る。


 ……なんでかな?


 クラスの皆も私を見ている?


 ああ、実力が知りたいのか?

 ふんっ、相手にしなかったくせに!


 仲間はずれにした割には、気になるとでも?


 ここで倒れれば、ああやっぱり、となり、グロスのパーティー、全滅させればどうなる?


 怖がられる?それとも強者として扱い、距離をおくか?


 どっちもイヤだな。


 私が欲しいのはそんなものじゃない。


 ただ、間引きという言葉はゆるせん!


 そう思った瞬間、ドングリくんが動いた。

次回投稿は 2023/05/16 20時頃の予定です。

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