【第59話】 王都を歩く7
夕刻です。
投稿です。
このお誘いは!?
なんと答えよう?
歌?まどかと一緒の歌手?
ひ、惹かれる!
「え?えっと、入学は決めたけど、わ、私は歴史の勉強がしたいの!」
「ええっ?歌おうよ!」
「ホッシー、焦らないで。それに無理強いは駄目よ?」
「ママ・リュー、そ、それは分かっているわ。でもあの歌聞いたでしょう?クリスタルを消した歌よ、私、震えたわ!」
「それはそうだけど、数少ない校則が、あるでしょう?」
え?校則、あるんだ!
「た、たしかに校則あるけど」
「どんな校則なのですか?」
聞いてみる。
「基本3つと、言葉が一つよ」
ホッシーが答える。
え?たった3つ?
基本とは?
「一つ目が、勉学を第一とし、お互い尊敬し合うこと」
ふむふむ。
「二つ目が、王都の学生に相応しい振る舞いをすること」
ほーほー。
「これには、容姿も含まれるし、立振舞いも含まれるわ。それに助け合い、分かち合い、その他、多くが含まれる」
服装に始まり、解釈が多くあると。
「三つ目が、先に倒れた戦士を敬うこと。そして、言葉が『克己』以上よ」
克己の意味は知っている。
難しい言葉だ。
でも?
「倒れた戦士?」
「これも、解釈が大きいわ。この地を守って倒れた戦士や、志半ばで倒れた戦士も含まれるそうよ」
この3つと一つ、誰が作ったのかしら?この校則。
「誰が作ったの、この校則」
「言い伝えでは妖精王アシュリー様らしいけど、本当は分からないわ」
分からない!?
「え?じゃ、学校って創立はいつ?」
「不明なの」
「不明!?いつからか分からない!?」
それはおかしいのでは?
資料、ないのかしら?
文字があるから、何か残ってそうだけど?
「……王都はいつできたの?」
「アシュリー様が天から降りてきた時らしいけど」
天?
会話に追いつけない!
「妖精王アシュリー様って?」
「星々の世界に住んでいた、ドラゴンと言われているわ」
益々分からん!
話しているうちに、学校が見えてきた。
「アッキー、図書館に本が沢山あるから、調べてみたら?」
「そ、そうだね!あ!」
「どうしたの?」
「まず、私、読み書きからだ!」
字が読めん!
勉強しなくては!
「一年生で習うよ」
そうかも知れないけど、皆試験受けているのよ、基本、読めるのよ!
それに!
「シンお姉ちゃん、四年生なの、ずるくない?」
「え?シンお姉さま、私達と同じ!?」
ぱあああっと明るくなるホッシー。
お姉サマ?
あからさまに嬉しい、歓喜の顔?
ん?今、確かホッシー達、三年生?
「えええええっ!シンお姉ちゃん狡い!酷い!リュートさんやニトさん!ホッシー達と同級生!?もしかしたら!」
「「「同じクラス!」」」
「グルルルルッ!」
「わははははっ!頑張って勉強して、飛び級してきなさいっ!後・輩・君!」
「グルルルルッ!」
ホッシーめ、言ってくれたな!覚えておれ!
あと、学校で聞きたいことは?
「あ、夜の学校って、どんなの?」
「え?あ、夜?私は苦手だなぁ、ママ・リューは?」
「え?私?私も苦手、ちょっと怖いかな、危険だし、アッキー見てきたの?」
「うん、スケルトンやゴースト、ケンタウロスもいたかな」
「授業風景、怖いんだよね」
「でも男子達は時々参加しているの」
ええ?あの授業受けているの?なに考えているの男子?
「ああ、ティーくんが取り憑かれたときは、大変だったよね」
ひぃぃっ!
リアル憑依現象!?
こわいよぉ!
「あれ、ゴーストだけじゃないって話よねぇ」
え?ホッシー、どういうこと?
「夜の生徒の一部は異界の人達らしいの」
!
異界?別世界!?
「彼らは学校に行く夢を見ているそうよ」
「そうそう、ア・ダウ先生の考えなの。夢を通してこの世界に来て、生徒として振舞っている異界人」
「それは、眠っている間に、この世界に来て勉強しているってこと?」
「そう、一部の先生も異界人らしいの、だからこちらからの話は通じないの」
「唯一お話しできるのは生徒会、双子の姉妹だけかしら」
「それでティーくんが異界のレシピ、手に入れようとして、取り憑かれたの」
何をしているの!?ティーくん!?
通りに人が増え始める。
この格好、ちょっと人には見られたくないな。
戦闘モードみたいだし、この姿、獣人族にとってどんな意味があるのか、ハッキリするまで隠した方がいいみたい。
「私、ジャンプして帰るね」
「ここでいいの?」
「うん、今日はありがとう。ホッシーは、素敵な歌聞かせたくれたし。リュートさんはニトさんと助けに来てくれたし。感謝しかない。あ、この服とアイパッチは?」
「さしあげますよ、気にせずに」
え?いいのかな?
「アッキー、一緒に戦った戦友でしょう?いつでも呼んでいいわよ」
ニッコリと言葉を返すリュートお母さん。
もはや、私にとっては、救いの女神か?
「うふふっ、まあ、頑張りたまえ、後・輩・君!いつでも頼るがよい!」
うわぁ、入学すると決まったらホッシー、こうきたか。
「はい、ホッシー先輩!」
「……」
固まるホッシー。
「どうしたの?ホッシー」
リュートお母さんが声を掛ける。
「え、えっと、アッキー、もう一回、言ってもらっていいかしら?」
「?」
なんだ?
「その、ほら!」
「ホッシー先輩!」
「あっあああん!私より、歌が上手い後輩に、先輩と言われるこの倒錯感!なんか快感!」
「ホ、ホッシー?」
リュートお母さんが心配顔である。
ごめんなさい、ホッシー、私、理解出来ない!
「時々でいいから、歌おうよ!躍息!ね?」
これは理解出来る。
「時々なら」
「アッキー、他にも皆の知らない歌、知っているでしょう?私には分かるんだ、今度聞かせて!」
うげ、さすが歌人。どうする?
「孤児院に時々でいいからお花を届けて、それでどう?」
「え!?」
「小さいのでも、つぼみでもいいから」
「分かった!躍息する!」
「では、先輩方、これからもよろしくお願い致します」
そう言い残すと、私は大きくジャンプした。
明日 2023/04/02 は朝の投稿になりそうです。
朝5時から6時くらいでしょうか。
早くてすみません。
サブタイトルは 入学手続き です。
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