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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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【第47話】 ペロ

この時間になりました。

もはや朝刊とは呼べませんね。

昼刊?

投稿?

 ……どうしよう?


 美観、座り込んで泣いている!

 私が思っているより、年齢が低い?


 何歳だ?年齢が分からん!


 中学生?高校生?


 長寿のエルフ、年齢というか対応が難しい!


 こんなに泣くとは。

 これは、ちっちゃい子、虐めた気分?


 いや、虐めたことはないけど、きっとこんな感じではないだろうか?


 とんでもない罪悪感だ。


 あ、虐めたヤツは罪悪感なんて感じないな。

 それがあったら虐めない。


 虐めって何が面白いのだろう?

 いじめって、病気ではないのだろうか?


 ふと考えてみた。


 苦しむ姿を見て、笑う。

 憂さ晴らしの対象か?


 邪悪だなぁ。


 私に酷いことした奴等を、今なら消し去ることができる。


 これもね。


 彼奴ら消しても、私はこのままだ。

 気分は晴れるだろうか?

 その時一瞬は晴れるかな?


 そうだな、私としては、彼奴らとは二度と、関わり合いになりたくない。

 再び、私の前に現れたら、この力、躊躇うことなく使うけど。


 どこか、遠い遠い、遙か彼方で、自滅して欲しい、が本音か?


 ああ、何を、どう考えても、私の心は癒やされない。

 邪魔だな、前世の記憶。


 うーん、目の前に、女の子が泣いていたら、わんわんはどうするだろう?


 わんわんは、横に座るのではないか?

 それとも、正面に座って、お顔を見るだろうか?


 取敢えず、考えても分からん!


 ああ、そういえば、私も一人よく泣いたな。

 あの時、亜紀は、どうして欲しかったかな?


 ……美観の膝は、気持ちよさそうだ。


 よっこいしょ。


 座ってやったぞ、さあ、もふれ、特別に許してやる。


「「!」」


 そんなに驚くことはないでしょう?


「こ、このワンワン、犬?ゴロゴロ言ってる!」


 あ、あれ?そうかしら?


 ああ、確かに鼻や喉が鳴っている!


 ごごろごろごろ。

 ふんふんふん。


 震える手で、ちょっとずつ触る美観。


 ごろごろごろごろ。


「猫?もしかして新種の犬かしら?」


 かもね。


「ごめんね」


 よし、とす。


 お顔を見上げる。

 涙でぐしゃぐしゃだ。


 ……どうしてくれよう?


 ぺろっ。


「きゃっ」


 悲しい涙の味だ。


 涙には種類がある。

 そして、それぞれ味が違う。


 悲しい涙、悔しい涙、苦しい涙。

 味が分かるくらい涙を流した。


 ああ、嬉しい涙もあったな。

 この味だけは知らない。


「へへっ、許してくれたの?」


 なんか、アイお姉ちゃんに似ている。


 アイお姉ちゃんを紹介したいな。

 この二人、すぐお友達になりそう。


 それとも、混ぜるな危険、かしら。


「エノンさんや明季くんも、許してくれるかな、ペロ?」


 ?


 ペロ?


「ええっ?クッキーだよ!」

「いや、この子、ペロ!決定!」


 ……二つ名か?


 ん?まて、今、何時なの!?


「ん?玲門、ペロ、そわそわし始めたけど?トイレかな?」

「もしかしてクッキー、お家が恋しくなった、とか?」


 は、早く帰ろう!


「あ、そんな気がする。帰ろうか」

「取敢えず、王都まで帰ろう!」


 そっと私を抱き、妖精の走りで、飛ぶように帰路につく二人。


 うわあぁ早い!らくちん!


 城門をくぐり抜け、あっという間に到着。


「美観姉さん、クッキーどうする?」

「オーク堂で買ったクッキーについてきたから、まずは……」


 じゃ、また!


 ぽん、と腕から離れると、私はダッシュで孤児院を目指した。


 絶対6時過ぎてるぅ!


「え?」

「一直線に西区に向っている?」

「大丈夫、っぽい?」

「わ、私達もいそいで帰ろうか」

「そ、そうね」

「玲門、明日も来るかな、ペロ」

「クッキー買って、エルフの丘で待っていれば来るかも」


 ふふっ、確かに聞いたぞ。


 明日もあの美味しいクッキー、いただき!


 でもその前に。

 このまま帰ったら、マズくないか?

 玲門、美観シスターズとクッキーの匂い、バレるよね?


 ど、何処かに川か池、水場はないかしら?


 姑息かな?


 浮気した男の人って、こんな感じかしら?

 ん?いや、そもそも気にする人は浮気なんてしないのかな?


 水の匂い!こっちか?


 あ、噴水!


 そこはライトアップされた噴水公園?

 なにやら立像が乱立している。


 辺りに人影は無し、飛び込むか!


 ドボンと飛び込む、中を泳ぎ回る。


 匂い、取れるかな?


「ふ、副団長!誰か溺れているようであります!」

「なに!」


 え?


 溺れている!?


 わっ!


 がばっあああっと、水中から引き上げられる私。


「アンアン!」


 なに?なに?誰?この人?

 顔中髭だらけのおじさん。


「副団長!子犬でありました!人ではありません!」

「子犬だと?どれどれ?」


 あ、ピア副団長だ。


「これはまた可愛い子犬だな、気に入ったぞ!騎士団で飼うか?」

「「「賛成であります!」」」


 ちょっと待ったああ!


 は、反対っ!

 横暴です!

 飼い主も確かめないで!


 ピア副団長以下、七名?

 あれ?あの二人は?

 明らかに軽装の異質な人物が二名混じっている。


「そ、それ、うちの犬!連れて行かないで!」


 あ、エノン!


 ぱしっ!と腕を蹴り、エノンにダイブする。


「どこ行ってたの!?うち、心配したんよ!」


 ご、ごめんなさい!


「アン!アンッ!」


 ちょっと冒険を。


「まあ、その様子からすると、エノンが飼い主か。孤児院で飼っているのか?名前は何という?」


 ピア副団長、犬好きかしら?凄く残念そう。いや、悔しそう?


「な、名前は……き」


「ん?き?なんだ?」


「ラ、ラッキー」


「ラッキー、可愛いなぁ騎士団に献上しよう、とか思わない?」


 じり、じり、っと寄ってくる。


「おもわないっ!うちの大事な家族!」

次回投稿は 2023/03/23 お昼くらいの予定です。

サブタイトルは 学校どんなとこ? です。


総合評価が3桁になりました。

読者の皆様、ありがとうございます。

とても嬉しく、励みになります。

この評価を下げないように、頑張りたいと思います。

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