【第44話】 学校どうする?2
朝刊です。
おはようございます。
「面接がある。私の場合は何が勉強したいか聞かれたな、あと何か不安はないかとか?聞きたいことはないか、とか」
私は、何が勉強したい?
そうだな、やはり、この世界の歴史が知りたい!数学、あるみたいだし数学もおもしろそう!
「それから明季、あれ知っているか?」
シンお姉ちゃんの視線の先には……!
時計だ!
それも12等分!
え?なんで時計がここに?
数字は読めないけど、アレは明らかに時計!
秒針はない、でも大小の針がちゃんとある。
「ドロトンが作った時間を計る機械だ。学校や王都では砂時計が主流らしいが、これに切り替わっていくらしいぞ」
ドロトン君、もしかしてホルダー!?
「他にもいろいろ作っているらしい。商工会に目を付けられるはずだよ、こんな便利な物作って」
便利な物だけど、読めるの?シンお姉ちゃん?
「これ、見るの難しいのよ、今、小さい棒が10と11の間ぐらい?長い棒が、え?」
10時36分。
「わっかんない、多分10を過ぎたから11時36分?これ覚えろって学校からの課題なんだよ」
まさかの、時計の読み方?
「あ、いい匂い!食堂行く?」
食堂?食堂には抵抗があるな。
かつての施設。
私のご飯、少なかったし、取られたし、あまりいい思い出がない。
あれ?いい匂いが近づいてくる!
ドアから現れたのは、トレーに山盛りの食べ物!
「食堂はチビちゃん達がいるから、ここでいいかな?うち、いっぱい運んでくるね!」
「いや、おい、エノン?そんなにテーブルに載らないぞ!それに、そんなに食べれないよ」
食べ物はベッドまで占拠し、お花の匂いと相まって、凄いことになっている。
「アンアン!」
た、食べてもいい?飲んでいい?これオレンジジュース?
「エノン、食べるぞ?」
え?シンお姉ちゃんも食べるの?
「どうぞ、沢山お食べ、まだいっぱい作るよ!」
エ、エノンの手料理!?
え?こんなご馳走作れるの!?
ふふんっ、と自慢げなエノン。
素直に尊敬します。
では!
「いただきます」
「アンアン!」
とにかく食べた。
美味しく食べた。
最初はゆっくり噛んで、ゆっくり飲んで。
獣人族は空腹時、食べた物を全て分解するそうだ。
胃袋、消化器官が特殊らしい。
だから今は、どれだけ食べても、お腹が膨れない。
「体力は回復するが、魔力はあまり回復しない。力がついたからと言って、勘違いするなよ」
はい。
それでも体調がよくなるのは、うれしい。
ポメの身体は小さいが、相当食べた気がする。
「どうした?明季?」
……眠いです。
ほぁああっ、とあくびをするポメ。
「ははっ、眠くなったのか?眠っていいぞ、私は学校に行ってくる。歩き回ってもいいが、遠出はするなよ?えーっと、6時までには帰ってこいよ」
はい。
「アンアン!」
「……ちょっと待て、明季、あれが読めるのか?」
お腹一杯食べ、お花の香りに包まれ、私は再び、寝てしまう。
子供の声がする。
20人程か?
ぱちり、と目が覚める。
今何時?16時30分、夕刻か?4時間ほど眠った?
シンお姉ちゃんはまだかな?
起きた私はトコトコとドアに近づくと、レバー式のドアノブにぶら下がり扉を開けた。
辺りをお散歩してみるか。
お屋敷をでてみる。
すると、学校ほどではないが、広めの庭が現れた。
エノンや子供達が、ボールらしき物で遊んでいる。
ああ、この声で目覚めたのか。
彼らを横目に、壁を乗り越え、外へ!
夕暮れの王都!
どこへ行こう?
まずは、学校に行ってみるか?
それとも、メイドンを探してみるか?
いや、メイドンはエノンに聞いてからがいいだろう。
ン・キングと騎士団が、もめたとも聞いているし。
慎重に調べてからだ。
ならば、学校へ。匂いからして、こっちだな。
ポメラニアンの私は飛ぶように走り、学校を目指す。
地面は石畳で、この町は、猫が結構いる。
あれは何だろう?鍛冶屋かな?
隣のお店からは、いい匂いがする!お菓子?クッキー?
凄い、沢山のお店がある!
学校が見えてきた!
ん?この匂い!?
ホッシーだ!それにティーくんも!
話声が聞こえる?
「じゃ明季くんは食べていないの?」
「ああ、意識が戻らないからって、食べていない」
「で、お兄さんのミンさんが、代わりにお肉を食べ尽くしたと?」
「そう、あの人凄い健啖家だ。味や調味料にも詳しいし、今度また逢うんだ」
シンお姉ちゃん、この話は聞いていないんですけど?
あの美味しいお肉、食べ尽くした!?
我が兄、許しがたし!
「ニトの話だと、もうそろそろ意識、戻るはずなんだけどな、今日もお見舞い行く?」
「そのニトが言っていたよ、意識が戻っても、しばらくは会わない方がいいって」
それはね、この姿だから。
「あ、ジェイくん来た」
「今日も行くのか?ホッシー?」
「ええ、是非、学校に入学して欲しいの!」
「明季くん、気に入ったようだな?」
「実技試験で、凄い歌、歌ったそうよ、聞いてみたい!お友達になりたい!」
「え?もう友達じゃないのか?」
「ジェイ、ホッシーが言うにはまだ、知人クラスだとさ」
「え?少しだけど、一緒に旅したし、戦ったし、もう友達だろ?いや、戦友か?」
そう言いながら、皆は孤児院へ向って歩き出した。
「今日はクッキーを買っていこう!」
ホッシーが提案する。
「え?花じゃないの?」と、ティーくん。
「女の子には絶対、花って兄貴が言っていたけど、食べ物でもいいのか?」
「ジェイ、それ、どこの兄貴だよ!」
クッキー!
クッキー!?
先に帰って待つ?
私はもと来た道を辿り始めた。
で、ここの角を曲がると、孤児院の門が見えてくる。
!
あ、生徒会の二人!
!?
エノン?
追い返している?
とぼとぼと、帰って行く二人。
顔が一瞬見える。
美観さん、悲しそう?
「美観、明季くん大丈夫だよ」
!?
「助けてくれたのに、私、酷いこと言った。謝りたい」
え?
私は、少し考え、この二人を追うことにした。
次回配達は 2023/03/21 朝7時頃の予定です。
サブタイトルは ストーカーではありません です。




