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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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254/406

【第44話】 学校どうする?2

朝刊です。

おはようございます。

「面接がある。私の場合は何が勉強したいか聞かれたな、あと何か不安はないかとか?聞きたいことはないか、とか」


 私は、何が勉強したい?

 そうだな、やはり、この世界の歴史が知りたい!数学、あるみたいだし数学もおもしろそう!


「それから明季、あれ知っているか?」


 シンお姉ちゃんの視線の先には……!


 時計だ!


 それも12等分!


 え?なんで時計がここに?

 数字は読めないけど、アレは明らかに時計!

 秒針はない、でも大小の針がちゃんとある。


「ドロトンが作った時間を計る機械だ。学校や王都では砂時計が主流らしいが、これに切り替わっていくらしいぞ」


 ドロトン君、もしかしてホルダー!?


「他にもいろいろ作っているらしい。商工会に目を付けられるはずだよ、こんな便利な物作って」


 便利な物だけど、読めるの?シンお姉ちゃん?


「これ、見るの難しいのよ、今、小さい棒が10と11の間ぐらい?長い棒が、え?」


 10時36分。


「わっかんない、多分10を過ぎたから11時36分?これ覚えろって学校からの課題なんだよ」


 まさかの、時計の読み方?


「あ、いい匂い!食堂行く?」


 食堂?食堂には抵抗があるな。


 かつての施設。

 私のご飯、少なかったし、取られたし、あまりいい思い出がない。


 あれ?いい匂いが近づいてくる!


 ドアから現れたのは、トレーに山盛りの食べ物!


「食堂はチビちゃん達がいるから、ここでいいかな?うち、いっぱい運んでくるね!」


「いや、おい、エノン?そんなにテーブルに載らないぞ!それに、そんなに食べれないよ」


 食べ物はベッドまで占拠し、お花の匂いと相まって、凄いことになっている。


「アンアン!」


 た、食べてもいい?飲んでいい?これオレンジジュース?


「エノン、食べるぞ?」


 え?シンお姉ちゃんも食べるの?


「どうぞ、沢山お食べ、まだいっぱい作るよ!」


 エ、エノンの手料理!?

 え?こんなご馳走作れるの!?


 ふふんっ、と自慢げなエノン。


 素直に尊敬します。


 では!


「いただきます」

「アンアン!」


 とにかく食べた。

 美味しく食べた。


 最初はゆっくり噛んで、ゆっくり飲んで。


 獣人族は空腹時、食べた物を全て分解するそうだ。

 胃袋、消化器官が特殊らしい。

 だから今は、どれだけ食べても、お腹が膨れない。


「体力は回復するが、魔力はあまり回復しない。力がついたからと言って、勘違いするなよ」


 はい。


 それでも体調がよくなるのは、うれしい。


 ポメの身体は小さいが、相当食べた気がする。


「どうした?明季?」


 ……眠いです。


 ほぁああっ、とあくびをするポメ。


「ははっ、眠くなったのか?眠っていいぞ、私は学校に行ってくる。歩き回ってもいいが、遠出はするなよ?えーっと、6時までには帰ってこいよ」


 はい。

「アンアン!」


「……ちょっと待て、明季、あれが読めるのか?」


 お腹一杯食べ、お花の香りに包まれ、私は再び、寝てしまう。


 子供の声がする。

 20人程か?


 ぱちり、と目が覚める。


 今何時?16時30分、夕刻か?4時間ほど眠った?


 シンお姉ちゃんはまだかな?


 起きた私はトコトコとドアに近づくと、レバー式のドアノブにぶら下がり扉を開けた。


 辺りをお散歩してみるか。


 お屋敷をでてみる。


 すると、学校ほどではないが、広めの庭が現れた。

 エノンや子供達が、ボールらしき物で遊んでいる。


 ああ、この声で目覚めたのか。


 彼らを横目に、壁を乗り越え、外へ!


 夕暮れの王都!

 どこへ行こう?


 まずは、学校に行ってみるか?

 それとも、メイドンを探してみるか?


 いや、メイドンはエノンに聞いてからがいいだろう。

 ン・キングと騎士団が、もめたとも聞いているし。


 慎重に調べてからだ。


 ならば、学校へ。匂いからして、こっちだな。


 ポメラニアンの私は飛ぶように走り、学校を目指す。


 地面は石畳で、この町は、猫が結構いる。


 あれは何だろう?鍛冶屋かな?

 隣のお店からは、いい匂いがする!お菓子?クッキー?


 凄い、沢山のお店がある!


 学校が見えてきた!


 ん?この匂い!?


 ホッシーだ!それにティーくんも!


 話声が聞こえる?


「じゃ明季くんは食べていないの?」

「ああ、意識が戻らないからって、食べていない」

「で、お兄さんのミンさんが、代わりにお肉を食べ尽くしたと?」

「そう、あの人凄い健啖家だ。味や調味料にも詳しいし、今度また逢うんだ」


 シンお姉ちゃん、この話は聞いていないんですけど?


 あの美味しいお肉、食べ尽くした!?

 我が兄、許しがたし!


「ニトの話だと、もうそろそろ意識、戻るはずなんだけどな、今日もお見舞い行く?」

「そのニトが言っていたよ、意識が戻っても、しばらくは会わない方がいいって」


 それはね、この姿だから。


「あ、ジェイくん来た」

「今日も行くのか?ホッシー?」

「ええ、是非、学校に入学して欲しいの!」

「明季くん、気に入ったようだな?」

「実技試験で、凄い歌、歌ったそうよ、聞いてみたい!お友達になりたい!」

「え?もう友達じゃないのか?」

「ジェイ、ホッシーが言うにはまだ、知人クラスだとさ」

「え?少しだけど、一緒に旅したし、戦ったし、もう友達だろ?いや、戦友か?」


 そう言いながら、皆は孤児院へ向って歩き出した。


「今日はクッキーを買っていこう!」


 ホッシーが提案する。


「え?花じゃないの?」と、ティーくん。

「女の子には絶対、花って兄貴が言っていたけど、食べ物でもいいのか?」

「ジェイ、それ、どこの兄貴だよ!」


 クッキー!

 クッキー!?


 先に帰って待つ?


 私はもと来た道を辿り始めた。

 で、ここの角を曲がると、孤児院の門が見えてくる。


 !


 あ、生徒会の二人!


 !?


 エノン?

 追い返している?


 とぼとぼと、帰って行く二人。


 顔が一瞬見える。

 美観さん、悲しそう?


「美観、明季くん大丈夫だよ」


 !?


「助けてくれたのに、私、酷いこと言った。謝りたい」


 え?


 私は、少し考え、この二人を追うことにした。


次回配達は 2023/03/21 朝7時頃の予定です。

サブタイトルは ストーカーではありません です。

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