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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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251/406

【第41話】 君たちの名は、思い出の名2

夕刊です。

 他のゾンビ達もフーララさん、ミンお兄ちゃん、アランお兄ちゃん達が次々に狩っていく。


「え?」


「遅れてスマン、明季」


 そう言ったのはミンお兄ちゃんだ。


「向こうでも襲撃があったのでね、だがこれが最後だろう」


 アランお兄ちゃん、元気いい?


「あとは、あの術者か」


 ミミお姉ちゃん、相変わらず目が怖いです。


「なんで分かったの?」


「王都在住の北のゴブリンが、フーララに伝えたのさ」


 なるほど。で、駆けつけたと。

 助かります。


 ピア副団長が召喚者と対峙している。


 あとは、召喚者だけか?

 召喚者周辺のゾンビ達は、全部ピア副団長が始末したようだ。


 魔石に頼っているとはいえ、凄いな、この人。


「あ、あれだけのゾンビを、このバケモノどもめ!」


 え?バケモノ?

 それ、あなたが言う?

 私達、獣人だし、モンスターは自負していますけど。


 赤黒い蠢く霧に包まれた、満身創痍の男。

 身長は165㎝?体重は100㎏以上ありそうだ。

 身体には、矢が数本刺さっているけど?


「こいつ、リチの父親だぞ!」


 ジュナサンが叫ぶ。

 ジュナサン、何をしている!モニを担いで、退避するんだよ!

 モニは大丈夫なの?

 あ、シンお姉ちゃんが保健の先生に渡している!


「リチ?あの役立たずがぁ!どうせ今頃ワームのハラの中だろう、クズが」


「余裕だね?まだ何か隠しているの?」


 私は怒りを抑えて聞いてみる。


「リュート・フルートを始末するつもりが、まさか別の魔力に反応するとは!」


「リュートの殺害が、目的か?」


「あいつが古文書を見つけなければ、過去の技術は復活しなかった!我々がどれだけ時間と金を使ったと思う!折角消し去った技術を!あの愚か者が!」


「首謀者は誰だ!?それで、何を得るのだ!愚か者はお前達だ!」

 

 赤黒い霧と共に、右腕が吹飛ぶ。


「ぐふふっげへへへっ効果ないぜ?」


 霧が集まり、腕を再生する。


「なぜリュートお母さんを狙う?」


 次は左腕が吹飛ぶ。


「ぎやあああああっ」


「効果、ありだな、次は脚だ」


「ま、まて、明季!できれば捕獲したい」


 無視、ピア副団長の声は聞こえない。


 チリの苦しみ、悲しみ、以前の私に繋がる。

 お父さんは子供に対して、鉄パイプを向けてはいけない。

 クズと言ってはいけない!


「いつからそうなった?」


「金だ!支配だ!利益だ!もっと、もっと金を集めるんだ!」


 左腕は、ゆっくりだが再生し始める。

 私が朱槍に力を込めると、ピア副団長が割って入った。


「待て、明季。おい、そんなに集めてどうする?何のための、お金だ?お前は、気のいい商人ではなかったのか?」


「満足するための金だ、暮らしをよくするのだ!そのためには金がいる!無ければ奪う、我々は常に勝者でなければならぬ!」


「もう十分、いい暮らしをしているのではなかったのか?これがその夢の成れの果てか?子供や家族を殺してまで金か?」


「甘いぞ、騎士団!金があれば、家族も買えるのだ!私に逆らわない家族が!選ばれた者のみが手にできる名誉!」


「それが、お前の思い描いた世界か?」


「そうだ!」


「違う、お前はこんな世界は、思い描いていなかった」


 え?副団長?何かを見ている?

 霊視している!?

 何者なの!?この副団長!


「騎士団、お前らを皆殺しにし、また新しい俺の世界を手に入れるのだ!王都は我々のモノだ!」


「小さな……子供の頃のお前は、こんな夢を思い描いていたのか?夢を、どこに捨てた?どこで間違った?」


「ハハッ……なにを言う?私は間違っていない!」


「子供の人格を破壊して、洗脳して、親のすることか?人のすることか?」


「私が作った子供だ!何をしようと、私の勝手、自由だ!」


 黒い想念は止まることなく、全身から溢れ出てくる。

 そして異変が始まる。

 呪符が燃え上がり、その胸に文字が刻まれたのだ!


 !


 今!誰か、外から魔力を送った!?

 遠隔操作?

 魔力の矢みたいなのが、呪符を打ち抜いた!?


 どこだ!どこから放った?

 誰だ!こんなことできるの?

 ダークエルフか!?


 ピア副団長と目が合う。


 この人も見えたんだ!


「ごおおお、ぐおおおおおおおおっ」


 およそ、人の声とも思われぬ叫び声が響き渡る。

 ベキベキと身体が異様に膨らみ、人の形態が変り始める。


「こいつはもう助からん、飲み込まれてしまっている」


 悲しい顔、何を見たの?


「副団長でも無理?」


「無理だ」


 巨大な魔獣に成り果てたチリの父親は、私達に牙を剥いて唸り、挑んできた。

 シンお姉ちゃんとエノンは生命属性の技で、私は抜きで仕留めに掛かる。


 魔獣は強かった。


 エノンが最初に脱落した、次がシンお姉ちゃん。


 生命属性の技は長時間使用できない。獣人族でも、末梢神経がボロボロになるのだ。

私も魔力が尽きかけてきた。

 ミミお姉ちゃんやフーララさんが力で押し切ろうとするけど、決め手がない。


 獰猛な魔獣はしぶとく、その牙と爪で鋭い攻撃を繰り出す。


「呪符が刻印されたのだ、こいつは強敵だぞ!」


 それでも、フーララさんの抜きが見事に極まり、大きくバランスを崩す魔獣。


 倒れた魔獣は、避難途中の生徒会姉妹に目を付ける。


 美観さん、負傷している!?

 気がつかなかった!ごめんなさい!


 走り出す私。


 フーララさんが一足早く、美観さんを確保し、後退する。


 あと一人っ!


 が、そのエルフは、美観さんを逃がすため囮になり、魔獣に向って……走り出した!?


 間に合うか?


「レイモン!」


 叫び声と共に全身に力が漲る!


 巨大な牙が、レイモンお姉さんを引き裂こうと迫る。

 あんな刃物みたいな牙、触っただけで、死んじゃうよ!


 駄目だ!間に合わないっ!


「速!」


 遅くなる周囲、レイモンお姉さんの見開かれた目。

 私の魔力は殆ど無い、でも躊躇いはない!

 巨大な魔獣の目が私を捕らえたのが分かった。

 が、この魔獣が爪や腕、脚、尻尾に攻撃命令を出すより、私の行動が速い!


 OVERKILL!


 サクッ!


 どうだ!?


次回配達は 2023/03/19 朝7時頃の予定です。

日曜日は8時か9時くらいがいいのかしら?

サブタイトルは 君たちの名は、思い出の名3 です。

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