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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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【第40話】 君たちの名は、思い出の名 1

おはようございます。

朝刊です。

「?」


 あ、エルフさんと目が合った。


 この人は美観さん?

 この人が、美観さん!?


 双子の姉妹。


 私の知っている、名前と同じ。


 ならば、もう一人は……。


「いあたたたたたった痛いっ!痛いっ!エノン!エノン痛いっ!なんで抓るのっ!」


「うち、明季くんの婚約者……候補、筆頭、最初で最後の女の子、予定だけど」


「夫婦喧嘩は後でだ、炎を破って来るぞ、魔獣型のゾンビは動きが速そうだ注意しろよ、明季、エノン」


「……はい、シンお姉ちゃん」


 ん?エノン?


「き、聞いた!?聞いた?明季くん!シンが夫婦って!うちら公認だね!」


 あ。


 おおおおおねえぇちゃん!

 まだ早いって、保留ですって、これから、コロさんに言わなきゃいけないのに!


 エノンだって、自分から保留って言っているのに!


 まあ、いいけど。


「アクセス!」


 ステータス画面で魔力の調整。


 お鼻も脚も、不思議な魔石で回復したし、後半の筆記試験は殆ど魔力を使っていない。

 可能な限り、全身から魔力を掻き集める。


 何とかなりそうだ。

 

 そしてなにより、感情が上向きだ。

 降下期の戦い方は、あとで検証しなければ。


 エルフさんの名前を聞いて、意思が震えている。

 感情で魔力の量は増えたりしないけど、威力は増減する。


 バチバチバチッと、体内から霊音が響き渡った。


 まるで、体内に雷様が住んでいるような音だ。


 今宵の朱槍は、ひと味違うぞ!


 あれ?周りの人達、全員が私を見ている?


 ?


 驚いたお顔で?どうしたのかしら?


 炎を突き破り、ゾンビ魔獣達が襲ってきた。


「でる」


 一言告げると、私は朱槍を振るった


 短時間勝負だ!


 不気味な魔獣を薙ぐ。


「ふんっ!」


 ドンッ!


 重い反動が朱槍から伝わる。


 ん?


 かと思うと、ボンッと音を立て、魔獣は黒い霧状に成り、破れたお札だけが残った。


「?」


魔力還元しない!?


「呪符に憑依させているんだ!」


 そう言って、次々にゾンビ達を切り伏せるピア副団長。


「召喚者が中央にいる、そいつを仕留める!」


 副団!副団ッ!


 え?外から声が!?


「副団!今、助けに行きますっ!おい!結界を破るぞ!」


 うわっ!むっさい男共が十数名?


 ピア副団長って??


「馬鹿者!結界破ったら、こいつら外に出てしまうだろ!可能な限り、中で仕留める!それまで外で待機だ!」


「し、しかし!」


 あ、保健の先生!


「ピアがああ言っているのよ、外で待機。一匹でも逃がさないように周囲警戒。他にもいたらどうするの?いつでも全力出せるようにしておきなさい!居残りの下級生は教室へ避難!戦える上級生は校庭で待機!」


 私とピア副団長で競うように倒しているけど、これ、数が多い!


 モニもジュナサンも頑張っているけど、苦戦している。


 エノンがフォローしているけど、これは早く召喚者を倒さないとまずい。


 あれ?一気に敵が崩れ始めた。


 え?


「明季、エノン、生命属性の技が有効だ!一気にいくぞ!長引かせたくない!」


「お、おい!シン!なんだその技は!?」


「ないしょ。獣人族の秘技さ」


 ゾンビ達は次々に討ち取られ、その数を減らしていく。


「モニ、さすがにこのメンバーだと制圧が速いな」


「何言っているのよ!ジュナサンと私、まだ一体も倒していないし」


「それ言うなよ、俺達の攻撃、ほとんで効果ない。魔力を乗せるって、どうやるんだ?」


「ひっ!」


「モニ!」


 突然、地面から伸びた手が、モニの脚を摑んだようだ。


「こいつ!」


 蹴りも、手刀も、ジュナサンの攻撃は、一切効果が無い。


 そのボロボロの細い腕は、モニの白い脚を握り潰し始めた。


「あぐっ」


「畜生!モニ!」


 更に本体が出現し、モニは逆さ吊りの状態になる。


「なんで蹴りが効かないんだよ!」


 こっちも手、一杯なんだが。


「明季くん!モニが!」


 エノンとシンお姉ちゃんは、巨大な角のある、身長3m程のゾンビを押さえている。


 このデカいのが残り、九体。


 こいつら倒せば、後は小さいのが数体!


「ああ、分かった!」


 妖精の走りで距離を詰めて!


「ふんっ!」


 朱槍がブンッと唸る。


 ぶわっ、と黒い霧になり、ゾンビは霧散する。


「ひっ!」


 獣人族の反射神経で、すかさず、モニをお姫様抱っこする。


 あのままだと、頭部からの落下だからね。


「モニ、止血できる?」


「で、できる」


 苦しそうだな。


「おい、ジュナ!この馬鹿野郎!」


「え?」


「手に余るときは、助けを呼ぶんだよ!右足、潰れているぞ!」


「そ、そんな……お、お俺……」


「ピア副団長!封印を解こう!モニが負傷した!」


「だめだ、数がまだ多い!実を言うと、外の連中ではこいつら倒せない!バラけたら犠牲者がもっと増える!彼奴ら、見習いなんだ!」


 え?そうなの?


「モニ、脚のここを軽く押さえるんだ、いいな」


「う、うん」


「大丈夫、必ず助かる」


「うん!」


 私は残り九体か。


 周囲に北のゴブリンの気配がある。


 王都の北のゴブリンは、騎士団に指導しているらしい、という話を聞いた。

 さらに、ここには朱槍のゴブリンがいるらしい。

 フーララさんも言っていたし。


 人目につく行動はしていないようだが、これ以上負傷者がでれば、参戦するみたいだな。


「いいか、何かあったら叫べ!」

 

 そう言い残し、朱槍を握り締める。

 私が、九体のうち、三体を倒すと、突然、封印の壁が割れた。


「え?」


「だ、誰が解いた!」


 慌てるピア副団長。


 封印を破り、突風のように飛び込んできた三毛猫は、残り六体のゾンビを瞬殺する!


次回配達は 2023/03/19 朝7時の予定です。

サブタイトルは 君たちの名は、思い出の名2 です。

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