表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

248/406

【第38話】 保健室の住人

おはようございます。

朝刊です。

サブタイトル変更です。

諸事情により一時間早い投稿いなりました。

「借りた物はちゃんと返さないとな、これは明季が借りた物だ。私も使わせてもらったし」


 ノックをする、シンお姉ちゃん。

 そのマナー、どこで覚えたの?


「シュート家・シンと明季だ、入るぞ」


「「「「「!」」」」」


 引き戸の扉が開かれる。


 あ、中の皆さん、固まっている?


 正面に保健の先生。

 男子五人、女子三人。何の集会だ?


「筆入れ、ありがとうございました」


 ん?ベッドで寝ていた生徒さんがいない?


「あ、彼はもう帰ったわ。バイトなの。明日、私から渡しておくわ」


「バイトですか?寝ていたのに?」


「睡眠不足、過労で倒れて寝ていたのよ」


 そこまでして働くとは?

 ワケありなんだね。聞かないことにしておこう。


「ではこれを、ありがとうございましたと、お伝え下さい」


「確かに預かりましたよ。伝えておくわね」


「行こう、シンお姉ちゃん」


「世話になった」


「あ、体調はどう?あの魔石、魄をかなり使うの、お腹空いていない?今日は沢山食べて、早く休んだ方がいいわ」


「あ、はい。ありがとうございます」


 長居は無用だ、さっさと出よう。

 ん?シンお姉ちゃん?


 シンお姉ちゃんは一人の女子生徒を見ていた。

 どうかしたのかしら?

 女子生徒はお顔を真っ赤に染め、俯いている。


「そこの女子、私に聞きたいことがあるだろう?」


「え?」←女生徒。

「え?」←保健の先生

 え?←私。


「実技試験の時、私を見ていたな。明らかに他の男達とは違う視線だった」


 あ、男子達、一斉に横向いた!?

 男子!何を見ていた!

 まあ、シンお姉ちゃんは黒豹の凄い動きで、モデルみたいな美人さんだけど。


「筆記試験は白紙だ、試験はおそらく不合格だ。ならば今、聞かなければ機会はもうないぞ?」


 すると、俯くのを止め、絞り出すような声で聞いてきた。


「わ、わた、私はモニ・モニトと言います。実技試験の組み手を見ました。凄いバランスで攻撃も防御も回避も、まるで舞を舞っているようでした。どうしたら、あんな風に動けますか?」


 それは獣人族、特有のバランス感覚、予測と魄の柔軟性です。

 人族で再現するのは、相当修行しないと無理だ。場合によってはできない。


「予測してみたかな?」


「はい」


「言ってみろ」


「重心の滑らかな移動、関節の柔軟性?」


「なるほど、重心移動の仕方と柔軟性の鍛錬が知りたいのだな。重心の移動は意識して歩くことだ。日常の動作をいかに意識するかだ。それと食べ物だ」


「歩く、ですか?あと食べ物?」


「歩く、は最初の一歩であり、到達点だそうだ。私はそう師匠から教わった。柔軟性は重心の移動を覚えると、身体が自然と動き出す。食べ物は暴飲暴食を避け、魔力に満たされた水か自分に合った水を飲め」


師匠って?

誰?

……あ、ランお母さんか。


「そうだな……モニはティーを知っているだろう?彼は常日頃料理のことしか考えない、料理の向上こそが全てなのだ。生活と料理が一致している。ニトも同じだ。分かったか?」


「え、っとその」


「普段の生活の中に鍛錬がある、と言っているのよ。そうでしょう?シンさん」


 お、この保健の先生理解が早い!

 シンお姉ちゃん、説明が難しいよ!


「一つ教えてやろう。お前達、みんな椅子に座って脚組んでいるな」


「!」


「私達獣人族は脚を組まない。何故だ?立ち上がる動作が遅れるからだ。身体の歪みに繋がる、と言う者もいる。氷獣は待ってはくれないからな。ん?」


 男子生徒が私を見る。かなり強い視線だ。

 明らかに、シンお姉ちゃんを見る目と違うけど?

 この視線、なにかな?


「横の独眼は蹴りを喰らった、なぜ避けない?慢心していたのか?」


 う、これは痛いな。


「ジュ、ジュナサン!」


 慌てるモニ。私は腫れ物か?触ってはいけないモノか?


「……明季は警戒していた。が、緊張を解いたのがいけなかった。それと、審判の言うことを聞かなければ、と自分を縛ったのがいけない」


「明季くんは優しいのよ」


「え?先生?」


「ジュナサンなら審判を無視して脚を折るでしょうね、明季くんはそれをしたくなかったのよ、それ

だけよ」


 え?なに?この先生?


「直感能力者か?」


「そうよ、先祖にエルフがいてね、人族だけどちょっと違うの」


 直感?ああ、だから、あの不思議な魔石が私に有効だって、分かったんだ!


「ふん、今後お前達の前で明季が緊張を解くことはない。私も然りだ」


「そ、それは私達を敵と見なしているのですか?」


「一度、怪我をした子犬は、二度とそこに近づかない、猫も然りだ」


 え?そこまで言うの?シンお姉ちゃん。

 わたし、お菓子くれるなら、あっさり貰うかも。

 特に、アメちゃん。


「じゃ、独眼は甘かったんだな」


 うう、反論しきれません。


 ん?シンお姉ちゃん?


「甘いだと?実技試験で、私の乳房ばかり見ている奴がいた」


「!」


 あっ!男子陣、全員固まった!?


「不躾な視線は、無粋以上に不快だ。明季に甘いヤツだ、と言ったところで、お前が強くなるわけではないぞ?くれぐれも勘違いするなよ?明季、行くぞ」


「お、お邪魔しました」


 お、お姉ちゃん、言い過ぎ?

 は、はやく出ようよ!私達、もしかして注目されている?

 いろんな意味で恥ずかしいよ!歌って、鼻血出して、お絵かきして!


 外に出ると、もう日が暮れて真っ暗だった。


 あれ?足音が?

 この足音、女の子?息遣い、モニさんだ。


「あ、あの!」


「?」


「ありがとうございました!」


「たいしたことは、言っていないけど?」


 あ、シンお姉ちゃん、男子がいないところでは性格変えている!


「また、教えて下さい!」


「受かっていたら、良いんだけどね。二人とも、ほぼ白紙なの」


 いや、私の情報、流さないで!


「受かったら、入学しますよね?」


「私はする、明季はまだ保留かな?」


「そ、そんな、お二人とも是非、来て下さい!待っています!」


「ん?どうした明季?」


「あの、皆さん、身体弱いのですか?違いますよね?」


「え?ああ、あそこで待機しているんです。今夜、リュート先輩達が帰ってくるそうなので!」


 そう言って、彼女は元気に手を振り、校舎に向う。

 あ、振り返って、また手を振っている!

 

 リュートお母さんの関係者!?

 あの男子達、リュートお母さんも変な目で見ていないでしょうね?


「シンお姉ちゃん、人気者だね」


「やめて、恥ずかしい。それに入学したら、あの子、先輩だぜ?」


 あ、そうなるのか?

 

 しかし、ここで、突然止まったシンお姉ちゃんに、ぶつかる。


「きゃっ!ど、どうしたの?」


 ん?前方に人影?エノンかしら?


「エノン?」


「違う、影は二つだが。エノンはピアさんと二人で校門側にいる。魔法で風向きを変えているな、明らかに私達がターゲットだ」


 匂い防止か?あれ?あれは?


「試験官のエルフさん達だ。私の筆記試験の!」


「また何かしたのか?」


 あ、信用無いな、私。


次回配達は 2023/03/17 17時頃の予定です。

サブタイトルは 校庭で待っていた二人 です。

少し、グロテスクな内容になりそうです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ