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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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【第17話】 呪縛

おはようございます。

 死に向って走り出す少女。


 親の言うことは絶対?


 亜紀の親はどうだろう?

 疑うことの塊みたいな亜紀、私だ。

 目の前の少女、真逆の私に見えた。

 死に向って突き進むのは同じか?


 あの子は私か?


「ミンお兄ちゃん、ほい!」


「お、おい、俺三人も、引きずっているんだぞ!」


 4人目をキャッチする。


 が、引きずられていた3人は、猛然と走り出した。

 振り向きもしない。


「なんだ、こいつらも走れるじゃん。コケずに逃げろよ!」


 怪我しているのに、よくまあ走れるなぁ。


(それは、訓練しているからさ。学校で学ぶらしいぞ、一時的な痛み止め)


(ミンお兄ちゃん、詳しいね?)


(もっと誉めろ、情報収集は得意だぜ)


「私は無理、走れないわぁ、できれば助けて欲しい」


(ん?お、お兄ちゃん、誘惑されている?)


 あ、念話、カットした!


 ミンお兄ちゃんの腕の中で、妖しく蠢く女の人。


 あれは女生徒ではない、お兄ちゃんを誘惑する女だ。


「事実を話せ」


「助かったら話すわ、だから、ねぇ」


「1班の研究、これほどまでに邪魔か?クラスごと消すほど」


「さ、さぁ」


「誘惑がいまいちだ、焦りの臭いがする」


「ふんっ、これでも結構落としてきたのよ?」


 ミンお兄ちゃんの首に、残った腕を回す女。


「俺は今から、明季のフォローだ。走れないなら、歩いて逃げろ」


 ぽいっ、と投げ捨てるのがチラリ、と見えた。


「怪我人を捨てるのぉ!薄情者!」


 捨てられた女は、走って逃げていく。


 元気、いいじゃん。


 そして、目の前の少女も元気がいい。


 皆とは逆方向に走っている、死に向ってまっしぐらだ!


(ホルダー阿騎、近い!)


(攻撃ができない!)


(死にたい者を何故止める?)


 攻撃中の北のゴブリン達が警告する。


(死なせたくないからよ!聞こえない?あの、呪われた子の悲鳴が?)


 親による洗脳、呪縛だ。


 私はそれを、呪いと言いたい。


 呪縛とは、恐ろしい言葉だ。


 親に何を言われた?


 何を聞かされて育った?


 自分で判断できないか?


 判断、させてもらえなかったのか?


 ドワーフ・ドロトン君の技術、これほどまでに脅威か?


 亜紀の呪縛を解いたのは、まどかだ。


 亜紀は今も全てを呪っているが、縛られてはいない。


 エノン、私は亜紀であり明季だ、そんな私は人を愛せるのだろうか?


 エノンはこんな私に、付き合ってくれるのだろうか?


 これは怖くて言えないし、聞けない秘め事だ。


 足下に亀裂が走り、触手が何本も這い出てくる。


「ほら、ここまで来ても私は死なない!お父様は正しいのよ!あの卑しいドワーフの研究なんか、消えてしまえないいいのよ!全ては利益のために!」


 触手に絡まれ、持ち上げられていく少女。


 ワームは大きな口を更に大きく開けていく。


 身体が重い、魔法を使おうとすると、意識が遠のく。


 ならば、得意分野の肉弾戦で勝負!


 おおきなワームの口と対面する少女。


 その目は見開かれ、これから起こることを確信したようだ。


 うわぁ、あの口の中、覗いたんだ。


 私なら耐えられないかも。


 そう思わせるワームの口腔内。


 いや、これ以上の描写は不要だろう(作者注*同左)。


 私は思いっきりジャンプし、朱槍で触手を薙ぐ。


 パスッと軽い音を立て、分断される触手、そして自由落下していく少女。


 その目は見開いているようだが、もう何も見ていないようだ。



次回配達は 2023/03/03 朝7時頃の予定です。

サブタイトルは 赤い髪の騎士 です。

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