【第15話】 時間が無い
夕刊です。
巨大なワームである。
大きさは25mプールの3倍以上、75m以上はありそうだ。
一言で言えば蜂の子?
特徴は口の周りの長い2本の触手か?
他、詳細は駄目です。
だって気持ち悪いんですもの。
ごめんなさい、後はもう無理です(作者注*同左)。
なんでこんなワームが?
(チッ、死ぬ間際に呼んだか?厄介な!こいつ、鮮血の切り札だ!)
舌打ちするコロ叔父さん。
得意の風魔法で攻撃するが、如何せん、相手が大きすぎる。
あ、早速学生さんが触手に捕まった!
コロ叔父さんと数名の学生さんが、火と風の魔法で救出する。
そもそも私達獣人族は、格闘色が強い。拳での攻撃が得意なんだ。
これだけの大きさ、質量的に私達の攻撃、通用するの?
振動剣、抜き、ならば、ダメージを与えられる、かな?
ローローとネーネーは、巨大生物にも抜きは有効と言っていたけど?
田崎さんの武道って??
じわじわと重くなる、私の手脚、先の戦いで、OVERKILLの連発が響いてきたか?
「速、包、風、導、至!」
「ア・ダウ先生っ!スパイス足りないっよ!」
「無いよりましですっ!」
森へ退避しながらの攻撃。
この二人、いつも頑張っている。感心するというか、感動する?
森に逃げ込めば、あの図体、動きが鈍るか?
魔木に比べれば小さく見えるけど、今の私には手に余る。
逃げるが得策かな?逃げ切れるかな?
(明季!今から剣をあいつの頭に刺す!魔法で雷、落とせるか?)
そう言って、もうミミお姉ちゃんはワームの背中を駆上っている。
(お、お姉ちゃん!む、無理だよ!魔力、残っていない!ここは逃げよう!?)
(逃げるか?魔力無しか、まあ先の戦いで、頑張ってたし。ならば、明季、救助に回れ!)
ミミお姉ちゃんから指示が飛ぶ。
(分かった)
あ、振動剣!
豪快に切り裂くミミお姉ちゃん。
もの凄い悲鳴を上げるワーム。
ひ~っ!
体液が飛び散っているぅ!
虫は苦手だよぉ!
「明季くん、虫、苦手?」
こくこく。
「うち、割と平気だよ」
いや、あれは駄目だろう!
(おい!学生!私に構わず、魔法攻撃!ア・ダウ!)
次々に放たれる魔法。
風、火、岩、氷。
スパイスが効いてきたのか、今の攻撃が有効だったのか、動きが散漫になってきた。
それでも決め手に欠く。
相手が悪すぎる!魔力の回復薬とかないのかしら?多少不味くても、私、飲みますよ?
身体が重い、ペース配分をミスったかな?
目の前の敵を全力で倒すのは、当然だけど、二戦目、連戦が保たない。
うう、考察はあとだ、とにかく負傷者を森まで運ぼう!
獣人族の怪力で、次々に負傷者を森まで運ぶ。
「ミンお兄ちゃん!」
ぽいっ、と。
「うわあああっ」
「ほい、キャッチ」
間に合わないと判断したら、ミンお兄ちゃんに投げ渡す。
暴力的だが、ワームの動きは、思った以上に速いのだ。
あと2人!急がないと!
揺れる大地、走りづらい!
ん?あいつら5人?
大きめの魔石を持っていた生徒?
あんなところで何している?早く逃げないと!
わっ、揺れが激しくなっている?
これって??
(ホッシーだっ!聞け!後二匹、こっちに向っている!各班、各自の判断で逃げろっ!)
!
あ、私の魔力感知にも反応した!
更にデカいのが来る!?
今いるこいつ、子供か?そう思わせるくらい、大きなワームが向ってきている!
ホントに!鮮血の人達、いったい、こんなデカいワーム、どうやって飼育していたの?餌代とかトイレとか大変でしょうに!
つい、ペット感覚で考えてしまうけど、これ、まさに鮮血の最終兵器だ!
「リュートお母さん!森へ!ここはいいから速く!」
「でも、あの2班の5人と負傷者が!」
「私とミンお兄ちゃんで何とかする!エノン!お願い!」
「分かった!」
「いい?エノン、森へ入ったらリュートさんと負傷者をお願い、皆を守ってね。私も、直ぐに後を追うから!」
そう、エノンが心配なのだ。
速く森へ避難して欲しい。
とにかくエノンが気になってしょうがないっ!
指示を的確に出しとかないと、戻ってきそうなのだ!
傷だらけのワームは、大地に潜り始めたが、途中で動かなくなった。
負傷者の森送りは終りは、どうにか終り、私達は5人に向って走り出す。
「今のうちだ!森の奥へ走れ!いいか、指示があるまで、西回りで王都を目指せ!」
ミミお姉ちゃんが叫ぶ。
(コロ叔父さん、シン姉、ミン、まだいけるか?)
(フーララだ、王都から北のゴブリン達が到着した。二班に分け、学生の護衛とワームの攻撃班に分けた)
(何名だ?)
(一班10名だ、攻撃班は戦闘を始めた!周辺の村からも北のゴブリン達が来る!)
後方で別の巨大ワームが、一匹、のたうっている。
北のゴブリン達の猛攻だ。
抜きを連発して内部組織を破壊しているようだ。
(このワーム達は鮮血の最終手段だ。彼奴らは、まさか明季、お前に瞬殺されるとは思ってもみなかっただろうな)
(コロ叔父さん?)
(あの5人、彼奴らにワームが惹かれているようだが、そう見えないか?)
(あの、少し大きめの魔石?)
(フェロモンはその種族にしか反応しない、俺達獣人族は人族系統のフェロモンは判断できるが、昆虫類はスルー、感じ取れない)
(あの魔石に何かあると?)
(ミン、明季、あの5人、救助するときは慎重に)
(なぜ?コロ叔父さん?)
(彼奴ら王都で有名な、商工会の幹部の子供、関係者達だ)
(ワームが来る、時間が無い、急ぐぞ、明季!)
次回配達は 2023/03/01 朝7時頃の予定です。
サブタイトルは 利益が全て です。
朝刊は毎朝を予定していますが、夕刊は不定期です。
号外が出せるとしたら深夜12:00になると思います。
三月もよろしくお願い致します。




