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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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223/406

【第13話】 王都まで、あと一日しかない

おはようございます。

朝刊です。

 ステータス画面は日本語だ。


 これは概念だ。


 手伝ってくれたレイランお姉ちゃんには、この世界の言葉に見えたはず。

 私は日本語を喋っているけど、何らかの補正が入っている……はず。


 そうでしょう?

 シルバーっち、ゴルちゃん。


《……》


 意思の奥深くから、何かが響いた。


 おそらくYESだろう。


 この文字を、変換できるシステムがあるといいんだけど。


 ん?シルバーっち?


《……基本を覚えれば、変換できます。入力がないと、出力もない……》


 ああ、基本文字を覚えればいいのね?


 間に合うかしら?


 泣いてなんか、いられない!


「ホッシー!!あなた亜紀を!」


 烈火のごとく、怒りを吹き出すリュートお母さん。


 目が怖いです。


「うわ!お、怒らないでよ!ママ・リュー!ほ、本当に読めないか、試しただけだよ!ご、ごめんなさい!ご、ごめんよ?アッキー!」


「試した?いけないことよ!」


「ごめんなさい!ごめんなさいっ!」


「だ、大丈夫だよ!もう大丈夫!それより、これ、なんて書いてあるの?」


「あ、それは……」


「ん?見せてみろ」


 心配したのか、シンお姉ちゃんが横に来ていた。


 ぶっ、と吹き出すシンお姉ちゃん。


「ホッシー、これはないだろう?」


 あ、シンお姉ちゃんもホッシーって言うんだ。


「え、あ、だってこう書かないと、ホントに読めないか、どうか、分からないし……」


「ホッシー、そこを見極めて、どうなる?」


「あ、ど、どうなる、と言われても……」


 なんと書いてある?


 これはどうしても、読みたい!


「あ、エノン!」


「なに?明季くん?うちに、ご用?」


 突然、焦りだす、シンお姉ちゃんとホッシー。


「ばっ!ま、まて!」

「ごめん!アッキー!エノンちゃんはマズイ!」


「え?エノン、これ読める?」


「どれ?」


 エノンは見せられた文字を見ると……真紅にそまり、私を見つめ、私を突き飛ばし、走り去った。


「ごめん!エノンちゃん!まってええええぇ!」


 叫びながらエノンを追うホッシー。


「リュートおか……リュートさん、これ、なんて書いてあるの?」


「どれ?……ホッシーったら!帰ってきたらお仕置きよ!あの子!」


 え?


 リュートさんのお顔も赤い?


 読んだのはシンお姉ちゃんだ。


「エノンとリュートは誰にも渡さない、シュート・明季、と書いてある」


 ホ、ホッシイイイィ!あいつうううううううっ!とんでもないヤツだっ!


 でも、悲しきかな、否定できないっ!


 いや、リュートお母さんは、ニトお父さんがいるから、渡すも渡さないも、前世の両親で大好きだし。


 ニトお父さん、早く帰ってきてよ!リュートお母さん、頑張っているんだから!


 エノンは……エノンは……その、ごにょごにょ。


 ん?視線を感じる?


 キッ、と周りを見る。

 さっと視線を外された。


 え?今、クラスの全員、ア・ダウ先生も含めて、私を見ていた!?


「……今の、何かしら?」


「明季、知らないのか?」


「何をかな?シンお姉ちゃん?」


「エノンを自分の子供のように扱っている、リュートとニト。そこにエノンとリュートを同じくらい愛する明季が現れた。そしてニトが帰ってくる」


「は?」


「ラブラブの四角関係になるか、明季とニトがエノン、リュートを巡って戦うか、という噂がクラスで流れている」


「なななななっなにそれぇ!」


「私も先程聞いたのだが、こいつら、あの戦闘中に、とんでもないこと考えていたんだな?」


「ばっかじゃないの!なによそれ!」


 いや、ラブラブの四角関係、当たっているか!?


 クラス?学校!ここで、はっとする。


 クラスの噂話、気になるけど!


 だ、誰に習おうか?文字数字!


 せめて、自分の名前は書きたい。覚えたい!


 やはりここは先生か?ア・ダウ先生を捉える私の眼。


 いや、それとも身内か?シンお姉ちゃん、ミンお兄ちゃんを捉える私の眼。


 あれ?


 ホッシーが?

 ホッシーがエノンの手を引っ張って?


 とことこ。


 私の所へ……来た。


「ごめんなさい、明季。エノンにも謝った。だから……その」


「明季くん、うち……突き飛ばしてごめんなさい……」


 ……この二人、かわいいっ!


「ホッシー、もう怒っていないよ、エノンも……!」


 ん?エノン?俯いて、目を合わせない!?


 まて、ちょっと待て、待って、よく考えろ!


 ここで、ごめんね、と謝ったら、あの言葉『エノンとリュートは誰にも渡さない』を否定することにならないか?気にしていないよ、とか言ったら、エノンを傷つけないか?


 よく考えろ!


 私は男子と女子の思考を持っている。


 女子は気にしなくても、男子は気にすることがある。

 逆に、女子にとっては、とても大切なことなのに、男子にとっては、気にもしないことがある。


 どうする?


 ここで謝ったらいけない、謝ったら、何かが終わる!そんな気がする。


 ここはよく考えて、返事しなければ。


 どう答えたら、エノンを傷つけない?

 エノンだけは傷つけたくない。


 いや、誰も傷つけたくない、が本音か?


 八方美人?


 前前世では散々人に踏みつけられた。

 人を踏んではいけない、それが無意識でも。まあ、できるなら、だけど。


 どうしよう?なんと答える?


 エノンは赤面して、悲しそうに俯いている。


 返事を待っている。

 

 私には、そう見えた。


次回配達は 2023/02/29 朝7時頃の予定です。

サブタイトルは 決魂してください です。

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