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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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221/406

【第11話】 殺戮集団

一部グロテスクな表現があります。

虫の嫌いな方、苦手な方は、次話からお読みください。または、体調がいい時にお読みください。

 魔力感知に影が浮かび上がる。


 影は全部で12。


 こいつらが仕掛け人?


 目視では、魔獣の後ろから、人影が浮かび上がる。


「よおう、コロ、腕はどうした?」


「お前らか、生きていたんだな。虫使いの誇りはどうした?金に食われたか?」


「ああ、金が大好きでね、金さえもらえれば、どんなお仕事でもしますよ?我ら傭兵団『鮮血』は」


 ……鮮血だ……。

 え?なんで鮮血が僕たちを?

 彼奴らに狙われたなら……。

 彼奴ら、死んだんじゃなかったの!?

 西で全滅したと聞いたが?


 学生達に動揺が走る。


 鮮血?


 先頭の人物が私を見る。


「傭兵団『鮮血』さまだ。暗殺を得意とする裏の殺戮集団さ」


「ご説明ありがとう」


「お前が、噂の金狼か?なかなかの槍捌きだが、今、ひとつだな」


「負傷者はママ・リューの所へ!急がせろ!」


 ホッシーがそう言った瞬間、8本の矢が放たれる。


 私は、軽く朱槍を振る。


 すると、重い音を立て、矢が大地に落ちる。

 この矢、見たことある。筋肉で打ち出す、体毛タイプのヤツだ。


 見かけは人の形だが、とんでもない奴がいるぞ。


(3班のリーダー、レイ・レッドだ。3班女子は自決の用意を。選択は任せる)


 え?なにを言っているの?


(彼奴らは魔昆虫使う虫宿師だ。適合した女子は母胎にされる。僕が前に立つ、タイミングは僕が倒れたときだ。鬼猫さん達がいるけど、掠われたら地獄の苦しみが待っている)


(適合魔昆虫の駆除は終わったはず!)


(彼奴ら以外はね、あいつら、死んだことになっているんだけどなぁ)


「昆虫宿師?」


「昆虫の特性を取り込む種族のことさ、蝶の羽を取り込み飛んだり、外骨格を取り込み身体強化したり、蜘蛛の糸を使い、相手を拘束したり」


「本来は、温和な種族よ。基本、皆、草食だし」


「そんな中に、野心たっぷりのヤツがいた。魔昆虫を取り込んだこいつらだ。一度はニトに駆除してもらったのに」


 破裂音が連続して響く。


 学生の一人が矢を放ったのだ。


「狙いはいいが、届かないねぇ」


 空中にやや大きめの羽虫が飛んでいる?


 かなりの数だ。これ、虫機雷?


「どうだ?近づけまい?動けないだろう?獣人族でも重傷だぜ?お前らの回復よりも俺達の羽虫が早い!月は欠け始めた、お前ら終りだ!虫使いは最強なのさ。1班は全て殺せ、後は生け捕りにして虫のエサだ、気に入ったメスは繁殖用だ!」


 ヒュン。


 投げ矢の音が走る。


 突然上がる悲鳴!


「うがあああっ」


 シンお姉ちゃんの投げ矢が、団長らしき昆虫宿師の胸や顔に何本も、深々と刺さる。


 ア・ダウ先生とティーくんが動いた。


 それと、同時に!


「速」


 ステータス画面で魔力と体力を重速術に全部つぎ込む。ようは全振りだ。


 虫機雷に接触するが、爆発しない、私の方が速いのだ!


 まず、一番近くにいた、この団長らしきヤツをOVERKILL!


 多分、方向からして、針を飛ばしたヤツはこいつだ!二人目をOVERKILL!


 そしてこいつが虫機雷の司令塔!こいつもOVERKILL!


 躊躇いは一切無い、リュートお母さんとホッシーを狙ったし、皆殺し宣言を聞いたからだ。

 私が槍を振るわなかったら彼女達は死んでいた。誰も反応できない速さだった。


 次々にOVERKILLで仕留めたが、8人目でステータス画面にレッドランプが点滅した。


 危険信号である。あと4人だが、ここまでか?


 通常モードに移り、朱槍で9人目を仕留める。


 辺りに転がり、魔力還元する9体の鮮血傭兵団員。


 一瞬である。


 私が現れたと同時に、次々に爆発する虫機雷。


 そして、ア・ダウ先生とティーくんが呪文を放つ。


「速、周、風、導、至!」


 スパイスを含んだ竜巻が、生徒全員と鮮血のメンバーを包み込む。


 巨大台風並の風に、全員が晒される。

 なんだこれ?変な匂い?


 突然苦しみだす鮮血メンバーと、小型の魔獣。


 このスパイス・パウダーもしかして?


「ニトと僕とで作った魔昆虫の駆除剤。ニトは薬草の専門家、薬草で身体を治す。僕は料理の専門家で、スパイスで身体を癒やす。似たもの同士なんだ」


 それがタッグを組むとこうなる、と?


 残ったメンバーと小型の魔獣は激しく嘔吐し、体内の魔昆虫を全て吐き出したようだ。


「これ、魔昆虫用の駆除剤だから、他の生き物には無害だよ」


 呆然とする生き残った3人。


 こいつら、とんでもない悪臭だな。


 周りを見ると、小型の魔獣は逃げ出してもういない。


 どうやら体内の魔昆虫で、コントロールしていたみたい。


「ま、魔昆虫は死んでも、我ら、本来の虫は死んでいない!」


「い、一度受けた依頼だ、最後まで遂行させてもらう」


 スラリと剣を抜く2人。


 瞬時に身体が外骨格に変る。


 残りの一人は、腕がカマキリのように変る。


 走り出てきたのはジェイくんである。


「まさかここで、お前達に会えようとは、南のケナ、覚えているか?」


「キキッ?」


「グゲェ?」


「我らが外骨格、剣は通らん」


一歩踏み出し、剣を振るうジェイくん。


サクッと切れ、分断される虫使い。


「!」


 残りを薙ぎ、突く。


 魔力還元していく3人。


「周囲警戒!各班、状況報告!負傷者は1班、ママ・リューへ!」


 私の魔力感知にはもう反応がない。脅威は去ったようだが。


 学生さん達、凄い!


 ア・ダウ先生が近寄る。


「助かりました。何といってお礼を……」


「いや、我々も助かった」


「ア・ダウ先生!ここは早く森を抜けましょう!」


 生徒達が先を急ぐ。


「負傷者は?」


「2名追加です」


 私が運ぶのね、10名。


 戦闘勝利の興奮、生き残った安堵。ある者は口数多く、ある者は沈黙の中、生徒達は足早に移動し始める。


 ……金狼の技、見たか?

 見えなかった。

 突然の魔力還元、あれはOVERKILLではないのか?

 まささか、あれは勇者と魔王の技だ、再現は難しいよ、まして修得は無理だと言われている。


「明季、代わりに引くよ、どきなさい」


「え?いいの?ミンお兄ちゃん?」


「なんの技で倒したか知らないけど、アレ、相当体力と魔力を使いそうだな?無理はするなよ?泣くのは、ランお母さんだけじゃないからな?忘れるなよ?」


 !


「わ、分かった。ありがとうミンお兄ちゃん」


 この兄は優しいな。いや今の私の姉妹兄弟は、みんな強くて優しい。


 私は恵まれている。


「あと……」


「なに?」


「俺も、焼肉、食い放題なんだよな?」


 誰から聞いたの?


「どうだろう?」


「そこのところ、よろしくな!」


 この兄は、強くて、優しくて、食いしん坊だな。

次回配達は 2023/02/27 朝7時の予定です。

サブタイトルは 王都まで1日 です。

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