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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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218/406

【第8話】 王都まで2日

おはようございます。

朝刊です。

「ドロトン君はン・キング、知っている?」


「い、いま一番会いたいドワーフ!」


「会ったことないの?」


「ン・キングは王都にいたことあるけど、すれ違いでなかなか会えなかったんだ。いまはゴブリンの東砦にいるはず!」


「会いに行かないの?」


「明季くん、ゴブリンの東砦は遠いよ、僕では辿り着けない。途中で魔獣のご飯になるか、方向が分からず、泣きながら帰ってくるか、のどちらかさ」


 連れて行くとなると、キッドナップと疑われるかも知れないな。

 キッド=子供、ナップ=捉える、誘拐のことだ。


 ン・キングを王都に呼ぶか?


「王都に着いたら、ン・キングを呼ぶ?」


「え?またまた、明季くん。ン・キングは自由のドワーフ、誰のいうことも聞かないよ?我儘の極みたいなドワーフだよ?」


「ダチだ。果てしなく昔から知っている。私の言うことは、まず、二つ返事で聞いてくれる(たぶん)。ドロトン君、君の技術は素晴らしいが、危険だ。ン・キングの元で修行する気、ある?」


「え?紹介してくれるの?」


「紹介できる。だけど一度紹介したら、ドロトン君、どっぷり嵌まるのでは?」


「もしかしてゴーレムの研究?」


「あれ?知っているの?ゴーレム?」


「ン・キングのゴーレム研究は有名だよ、王都のメイさまの保管所に突撃して騎士団ともめた」


「え?」


「騎士団と互角に戦って、ホントか嘘か分からないけど、沈静に朱槍のゴブリンが駆けつけたそうだよ」


 は?


「で、ど、どうなったの?」


「保管所まで辿り着いたらしいけど、メイさま、大きな泥の山?に包まれて、会えなかった、とか」


「ン・キングは?」


「1000日間、入都禁止」


 うわ、王都から出て行けと?1000日間、出禁?


「今、ン・キングは、ゴブリンの東砦でスーパーゴーレムを手に入れ、研究をしているわ」


「え?入手したの?うっそだぁゴーレム自体いないよ?」


「多分、ドロトン君と、気が合うと思う。君が望めば、いい形で紹介してあげる」


「……」


「どうしたの?」


 すっ、と小指を握られた。


「きゃっ!」


 え!?


 わ、わたし、きゃっ、って言った!?

 女の子みたい!

 いや、女の子か。


(突然ごめんなさい、僕、念話苦手で)


(え?な、なに?)


 ドキドキドキドキ。

 し、心音が!?


(この襲撃、僕が……僕たちが、原因だと思う)


(?)


(僕達の班、リュート、ニト、ジェイ、ティー、星影さん、ミント、ア・ダウ先生と傘の再現をしているんです)


(傘!?)


(それと、飛龍という文字が頻繁に出てくる古文書を、王都の図書館で見つけて)


 飛龍!


(誰かに話した?)


(クラスの皆は知っています。あと学校の先生達も少し)


(皆、古文書は偽物だって言うけど、書いてあることが面白くて……)


(再現したの?)


(まだ途中ですけど)


(圧力かかった?)


(はい、他の先生からやめるようにと。ア・ダウ先生とその先生、喧嘩して。ニトも今回の実習は気をつけろ、と言っていたし)


(その研究、のったっ!)


(え?)


(ン・キングと共同研究にできる?彼と研究するならある程度安全だよね?)


(はい、それはもうン・キングは、私達ドワーフ一族の憧れみたいな存在ですし、彼の敵はドワーフ一族の敵ですから)


 しかしそうなると、王都に到着しても気が抜けない、ってことか?


 ン・キングに引き合わせることと、リュートお母さんやニトお父さん達の安全確保、これが優先かな。


(よく話してくれたわね?始めて会ったのに)


(そうですね、自分でも不思議です)


(一ついいかな?)


(はい)


(なんで再現しようと思ったの?)


(え?それは僕が、ドワーフだからですよ)


 おお、いい答えだ。


「アクセス・イージーモード」


「え?」


 瞬時に私の周りに現れる、3体の超小型ゴーレム・ピジョン。

 鳩サイズのこの銀色のゴーレムは、言葉を届けることができる優れものだ。


 まだ満月期。ネクロマンサーの召喚術は問題なく使える。


「ン・キング!真球と純鉄の答えを知りたくば、王都へ来られたし!行け!ピジョン1.2.3!」


 銀の矢のように3体のゴーレムは飛び去る。


 魔力の流れを感じた生徒もいたが、ほとんどがピジョンを見ていない。


 緊急時、召喚呪文を省くシステム。要は、無詠唱だね。

 魔力はかなり使うが、超便利である。

 ただ、大人数とか、でかいスーパーゴーレムは無理なんだよね、今のところ。


 嬉々として王都へ来るだろうな、ン・キング。


 あ、でも出禁か?


 まあ、途中まででも来てもらえれば、どうにかなるでしょう。


「次は森の入り口まで歩く、いいな!」


 シンお姉ちゃんの声が響く。


 そして、その日は森の入り口でキャンプ。


 何も起こらない静かな夜。


「なぜ、王都から誰も来ない?おかしいだろう?」


 ジェイくん、落ち着いて。


 敵は満月期が過ぎるのを待っている?

 すると、魔力感知に5つの影。


 南の王都方角から2つ、北から3つ。


 私の次に、反応したのは星影さんだった。


「南2つ、北3つ、みんな、抜刀用意!魔法班、詠唱開始!3、2……」


 緊張が走る。


「安心しろ、私達の応援だ」


 シンお姉ちゃんが、その場を押さえる。


 南からの訪問者はコロ叔父さんとエノン。

 北からは、ミミお姉ちゃんとミンお兄ちゃん、それとフーララさんだ。


 長い一日が過ぎようとしていた。

次回配達は 2023/02/25 朝7時頃の予定です。

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