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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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【第5話】 一緒に行きませんか?

号外です。


「女の人、泣かせたら駄目だろ?あれ?あの子、リュートさん?」


「あ、アランお兄ちゃん!」


 まっぱのアランお兄ちゃんが、ふっと目の前に現れる。

 バキバキに割れた腹筋、目立つ肩の筋肉、三角筋だっけ?体脂肪、マイナスでは?と思わせる容姿だ。


「あ、この匂い、リュートさんだね。久しぶりだなぁ」


「アランお兄ちゃん、匂いで判断、絶対に口にしないで!」


「なんで?」


 なんで?獣人族の常識と人族の常識は違うのよ!


 女の子を匂いで判断するなんて、怖すぎる!

 絶対嫌われる!敵視される!


 と、思う。少なくとも、私は嫌だ。


「はいこれ、服と靴。あとフックね」


「おう、ありがとう。こいつら、聖龍門学校の生徒だってな」


「ええ」


 私達、二人の会話をビックリして見聞きしている、数名の生徒さん達。

 いや、会話じゃないな、アランお兄ちゃんの格好か。


 戦闘時、裸の意識はカットされちゃうんだよね。

 戦うことにのみ、意識を集中、よりベストな状態を選ぶ。


 躊躇って選択を間違うと、死に直結する。


 人モードで戦うか?獣モードで戦うか?

 中間の獣人モード戦うか?


 私はポメラニアンだから、人モード選択が圧倒的に多い。


「おい、明季、私のは?」


 すっ、と現れるシンお姉ちゃん。


 うわぁ、綺麗な肢体、眩しい裸体。見れないよ、シンお姉ちゃん。


 詳細は省くが、リアルな生きたギリシャ彫刻?みたいな凄いバランスの女神がそこにいた、とだけ記しておこう。


「こ、これよ、シンお姉ちゃん!」


 私はなるべく見ないように、視線をはずし、衣とフックを渡す。

 魔力感知を働かせ、周囲の不届き者の、視線を妨げるように振舞う。


「明季、靴!」


「は、はい、シンお姉ちゃん」


 最後に靴を渡す。


 周りの生徒達は息を呑み、固まっていた。


「ん?どうした?」


「どうしたんでしょうね?」


「ああ、裸か、緊急時だ許せ」


 いやぁ、許すも何も、眼福以上?もはや尊い域では?

 獣人族は、人族ほど裸に拘らないんだよねぇ。


 私は前前世があるから、ここで裸は無理。


 人前なんて、水着でも無理。


「明季、お前変っているよなぁ」


「なに?アランお兄ちゃん?」


 変っている?

 なにがかな?

 妹に変なこと言わないでね?お兄ちゃん。


 私、兄弟姉妹耐性、殆ど無いの、いじわる言われたら、ほんと、へこむから。


「いや、俺に対しては平然と、ハイどうぞ、だろ?」


「?」


「きゃ、とか、もうおにいちゃん!とか妹味ではなくて、どちらかと言うと弟味だ」


「味?」


「だってよ、俺の場合、裸見てもなんともない感じで平然として、シン姉の場合は見ないよう視線、逸らしたり、防いだり、これ弟味だろ?」


「はははっ明季は男性属性が強いと?」


「いやシン姉、こいつ時々男だぞ」


 うげっ!ゴブリン男子の意思が、出ていた?


「だ、そうだ。明季、アランの忠告だ、今後変な視線、婦女子に向けるなよ?」


 心外である。


 抗議しますっ!


 変な視線とは、なんぞや?


「……」


「不服のようだな?」


 こくこく。


「まあ、私は気にしないが、世の中広い、色々なヤツがいる、気にするヤツもいる。心に留めとけ、いいな?」


「……」


こくこく。


「シン姉、これからどうする?」


「王都を目指すよ」


 え?生徒達は?


「行くぞ、明季」


 え?

 このまま?ポイ?


 負傷者8名と生徒14名とア・ダウ担任、ポイ?


 ん?アランお兄ちゃん、交渉している?


「我々が倒した魔獣と蜘蛛の魔石は回収する、蜘蛛の脚はそちらで回収して構わない、かなり高価で売れるはずだ」


 ……おい、あの獣人、蜘蛛の魔石取りやがったぞ……

 ああ、俺達でも仕留められたのによ、あとから来て、弱っているところを……。

 ……何様?

 あれは、私達の魔石よ?

 ……横取りなんて、ひどい!


「おい、そこの学生5人、聞き捨てならんな、魔石は仕留めた者が取る、そこに卑怯はない。横取りでも許される。お前達が我々より遅く、弱かったのだ。欲しければ奪うがよい、奪ってみるか?」


「う……」


「傭兵団や、ハンターにそのような口をきいたら、即、殺されるぞ、以後注意しな」


 命より魔石が上ってことかしら?


 これは亜紀の常識は横に置いておかないと、この世界では邪魔だな。


 ん?この汗の臭いは?恐怖の臭い?

 ちらっと眼を移すと、青ざめた学生が5人。


 腕に、魔石付きのブレスレット。

 少し、大きいか?

 もしかしてお金持ちかしら?


 この程度の生徒、聖龍門学校、たいしたことないかな?


 いや、この欲張り学生で判断したらいけないな。


 全体を見たい。


「シュート家の方、無礼をお許しください。生徒の暴言、不愉快な思いを」


「なに、警告は一度までですよ、あとは無視します。あのまま外の世界で暮らすと即、落命します。ここは氷の世界です。学校とは何を教えるところなのですか?」


 うわっ、アランお兄ちゃん性格きつい?いや、この警告は響いている者もいる?


 周りを見ると、雰囲気が変った者が数人いる。

 この数人の学生は真剣な眼差しで、アランお兄ちゃんを刮目している。


「シュート家の方は、これからどちらに向われるのです?」


「王都へ、二人が聖龍門学校の入学希望でね」


「では、一緒に行きませんか?我々は龍門の生徒と関係者ですし」


 ほらきた、ご一緒イベント!


 どうするのアランお兄ちゃん?


 ん?一瞬、シンお姉ちゃんを見た?

 シンお姉ちゃん、お顔が厳しい?怒っている?


「それは、護衛の依頼か?」


 !


 え?そっち!?

次回配達は 2023/02/23 朝7時頃の予定です。

サブタイトルは 努力のドワーフ です。

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