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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
二章

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209/406

【第100話】 それぞれの道7

おはようございます。

朝刊です。

遅れてすみません。

 静かな夜。

 私達3人は、天井を見続けている。

 私の右側にはアイお姉ちゃん。


「エノン、起きているか?」


「何?アイ?」


 エノンは左側。

 日に日に良くなっていく二人。


 アイお姉ちゃんとエノンは満月に向って、体調は上向きによくなり、力も増していく。

 逆に私は、新月と満月の間が、一番弱い時期。したがつて体力その他、下がっていく。今は降下時期なのだ。


 私は身体がだるい、動けない。


「お前、これからどうする?」


 え?これからのこと?


「うちは、もう傭兵団には戻れない。王都で孤児院の先生になる」


「は?エノンが先生?なんの先生だよ!?」


「うち、子供達に人気だよ?」


 あ、なんか分かる。エノン、子供に好かれそう。

 いや、みんなに好かれそう……元旦那の贔屓目か?


「人気と先生は違うだろう?何を教えるのだ?」


「生きていく術よ、生き残ることを教えるの」


「……誰の受け売りだよ?コロ叔父さんか?」


「あ、ばれた?コロ団長も傭兵団、降りるって」


「ああ、怪我、酷かったしなぁ一緒に王都か?」


「うん、今のところ、そう。アイはどうするの?一緒に行く?あ、学校か?」


「学校はパス。勉強は向いていない」


「じゃ、さ、孤児院くる?他にも優しい、いい先生いるよ、皆で暮らそう?」


「皆でか、いいなぁ、折角のお誘いだけど、王都はパス」


「え?なんでよ?うちのこと嫌いか?」


「エノンは好きだよ、でも王都は空が狭い」


「?」


「伝令で王都に行ったけど、私には向いていないよ、あそこ」


「美味しい食べ物や色々な道具や機械、お芝居に、宝石、綺麗な布、なんでも沢山あるよ?」


「面白そうだけど、息が詰まる。私は草原でトビトカゲ焼いて食っていた方がお似合いだよ」


「じゃアイはどこへ行くの?春と夏は故郷へ帰る?冬はここでアルノお婆ちゃん達の家で暮らす?」


「獣人の称号は勝ち取ったけど、そうなると、なおさら故郷では暮らせないよ。どうしようかなぁ帰るところがないし、行くところもない……」


 行くところがない?


「お、おねええちゃん、アイお姉ちゃん……」


「ん!?明季?水か?トイレか?」


 どっちも違うよっ!


「……砦、東の砦に行こうよ……」


「え?」


「き、北のゴブリン、とても強い戦士でそれ以上に……みんな、優しいよ、陽気なドワーフも、スー

パーゴーレムも設置予定だよ」


「……北の……砦?」


「い、今から皆で作り上げる街、砦だよ?ゼロから作り上げる皆の街」


「はははっそうだな、明季が壊してしまったしな?」


「うん、私が全部壊した……その街を、砦を、アイお姉ちゃん作ってみない?」


「?」


「明季……くん?」


「おい、明季、泣いているのか!?ご、ごめんよ冗談が過ぎたか?全部壊したなんて言い過ぎたか?気にしていたのか?」


 違う!確かに全部瓦礫にしたのは私だけど!

 そこじゃない!


「い、行くところがないなんて言うなっ!帰るところがないなんて!」


「あ、明季……」


「明季くん、どうしたの?」


「……相談して、皆に!」


 カチャリ、とドアが開く。


「どうした、騒がしいぞ」


「ごめん、シン姉、私が騒いでいた、静かにするよ」


「元気になってから騒いでくれ」


 そう言って、シンお姉ちゃんは、私の顔を覗き込んだ。

 冷たい手で、私の頭を撫でる。

 ああ、ヒンヤリして気持ちいい。


「明季、お前はどうするのだ?王都へ行くのか?私は学校へ行くぞ。色々なことが知りたいからな、それに勉強というものも、してみたい」


 囁くような、小さな声だ。

 聞いていた?真面目だね、シンお姉ちゃん。その誠実さが眩しいな。


(念話も魔力感知も、寿命も、こいつら二人、失ったものが多すぎる。どうにかしてあげたいと、考えるのは当たり前だ。でも明季、悲しいけど泣くな。)


(アイお姉ちゃんとエノン、自ら選んだ道ではない。それでも次を選べと?)


(そうだ)


「明季くん、明季くんはどうするの?学校……行くの?


「私は……王都へは行きたい。でも勉強はしたくない。学校は……嫌いだ」


「でも明季くん、学校は面白いって、ニトくん言っていたよ?」


 え?


「誰だ?ニトって?」


 ニト?


「見習い薬師さんだよ、確か3年生?だったかな?」


 薬師のニト?


「ああ、私達を看てくれたっていう学生さんか?」


「そうだよアイ」


「全身包帯だらけ、裸、看られたのかぁ嫌だなぁ恥ずかしいよ」


「アイ、薬師だよ?そんなこと言ったら駄目だよ」


「じゃエノンは、いいのかよ?もしかして惚れているのか?」


「裸は恥ずかしいけど、ニトはえーとお嫁さんみたいな人、いるよ」


「みたい?」


 婚約者?


「婚約者か?」


「そうそうそれ!さすが詳しいね、シン!」


「な……名前は?」


「名前?フルートさんだよ」


 リュートじゃない、でも。


「ああ、フルートさんか」


「え?フルートさん決魂するの?」


 ん?みんな知っている?なんで?


「ああ、明季、フルートさんは機織りで有名でね、この獣人用の脱ぎやすい服、作ってくれ人なんだ」


「織り姫とか言われているんだぜ、凄くかわいい人族なんだ」


 織り姫?織物?


「フルート家のリュートさん、リュート・フルート。人族の名門だぞ」


 !


 アイお姉ちゃん、なに自慢しているのよ。


 学校、どうしよう?

 でも、その二人には会ってみたい!どうしても!

 覗くだけでも?メイドンのこともあるし?

 

 本当に、どうしよう?


次回から諸事情により、朝刊のみになります。

楽しみにされている読者のみなさま、ごめんなさい。

号外は出せると思いますので、その時はお楽しみください。


次回配達 2023/02/20 朝7時頃の予定です。

サブタイトルは 旅立ち です。

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