表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

207/406

【第98話】 それぞれの道5

朝刊です。

 響めく獣人達。


 苦々しい顔でカナヤが言い放つ。


「足をわざと崩すとは、卑怯な勝ち方だな?おいエノン?」


 おいおい、卑怯とは?

 お前らのことではないのかい?


「エノンを卑怯と言うなら、鏡を見るんだな、きっとそこには、醜い顔が映っているだろうよ」


「言うじゃねえか、ケイン、いつからそんなに偉くなった?」


「偉くなくても、もの申す。空のケインは自由のケインだ。知らないのか?おい、お前ら、そんなヒマリ家なんかさっさと抜けて、シュート家に来いや、賑やかで毎日、おもしれーぞ?お茶目な金狼もいるしな」


「そいつはまだ儀式の途中だ、故郷に帰って精霊の墓に報告していない。金狼は名乗れん」


「だから今日襲撃に来たんだろ?皆殺しにして、一族の長の座をもらう。まずは金狼がじゃまだからなぁ。金狼が認められたら、お前らのプライド、ボロボロになるしな、お家断絶ってか?」


「……」


「どうした?図星か?エノン見てわかったろ?力の大半を無くしても、お前らとは対等以上だ。キング・オーの戦斧を持つオークのノギ(元)大将軍、獣人族最強の戦士ラン、その後継者ミミ、そして敵味方問わず白のドームも東の砦も瓦礫にした怒りの金狼明季、お前達、勝ち目ないぞ?」


「我々には代々の技がある!」


「その剣、ダークエルフに貰ったか?歌姫の子孫を名乗るお前達が、ダークエルフに屈するか?歌姫が泣くぞ、馬鹿者ども!そんな剣に頼るから、勝てないんだよ!何が代々の技だ?家臣共!お前らヒマリ家の奴隷か?自分の進む道、自分で選べ!」


 スラリ、と半数が剣を抜いた。

 半数は抜かなかった。

 それどころか、剣を手放したのだ。


「お前ら、裏切るのか?抜け!家族、殺すぞ!」


「金狼に剣は向けられん、それに話が違うぞ宗家!」


「OVERKILLなら気にするな!あれは膨大な魔力を使うと聞く、あのじじいはもう使えないはず」


「あら、私は使えるわよ?何回でも」


 子供の細胞は無理をするかも知れないけど、新月、満月期だったら何度でも使える。 

 この技は獣人族と相性がいいのだ。


「な、なんだと!?でまかせだ!」


「獣人はその回復力と、月の魔力でカバーできるのよねぇ魔力不足」


「ワシはこれで補っておる」


 巨大な魔石を見せるノギお爺ちゃん。


 ふっ、とサウカとその横の二人が消える。

 抜刀し、アイお姉ちゃんに襲いかかる。


「手を出すな!」


 叫ぶアイお姉ちゃん。


(この3人、倒してみせる!私だって獣人!)


 ぽっと両手が光る。


(筋肉女って悪口言われていた私だ!ならば魄属性の魔法は相性がいいはず!両腕に意思を加える!)


 振動が始まり、生命属性の腕!拳の出来上がり!

 後はその痛さに耐えて!


「3対1だ、手、出すぞ」


 ケインお兄ちゃんが指弾を使い、襲いかかる3人に、次々にヒットさせる。


 手の甲、手首、指、こめかみ、突然の痛みに剣を落とす3人。


 そこへ、両腕を剣のように使い、一人、二人、と切り伏せるアイお姉ちゃん。

 

(斬れたぞ!)


 が、三人目のサウカには届かない。

 さすがに新月期の獣人は強い。


 エノンが勝てたのは、おそらく傭兵団の経験があったからであろう。常に戦いの場に身を置いて、全力で相手と戦う、修羅の世界。


 アイお姉ちゃんや私達が知らない世界だ。


 サウカのバックハンドブローがアイお姉ちゃんを捉える。


 バランスを崩し、ガクッと膝をつく。

 そこへ鉈のような重く鋭い蹴りが襲いかかる。


 腕をクロスさせガードするが、軽く吹飛ばされてしまう。

 後方の大木にぶつかり、倒れてしまう。


「ぎゃう」


 両腕は砕けていた。

 それでも、よろよろと立ち上がったアイお姉ちゃん。

 その目はまだ死んでいない。


次回配達は 2023/02/18 17時の予定です。

サブタイトルは それぞれの道6 です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ