【第89話】 元帥さん再び
おはようございます。
朝刊です。
ミシミシと軋む音が室内に響く。
それと同時に魔法陣が、形成される。
「ひっ」
小さな悲鳴を上げるレイランお姉ちゃん。
季羅お父さんが、レイランお姉ちゃんを庇い、前に立つ。
3500-3497
3-3500=3500-3
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魔法陣に綺麗な光が通り始め、正装したスケルトン戦士3名が魔法陣から浮き出てくる。
「がはははははっ!久しいのう阿騎くん!元気しとったね?」
「はい!」
うわ、元帥さん相変わらずだぁ。私、泣きそう!
「今度は獣人ね?あんたも、せわしかねぇ」
「元帥さんも、皆さんもお元気そうで!」
「がははははっ!元気たい!死んどるけど!まだまだ現役たい!」
ボロボロの玉座のような椅子に腰掛けている元帥さん。
その横には、右に古代アトラ帝国の紋章を掲げる、大きなスケルトン。左にはドワーフの王さまの王家の紋章を掲げる、これまた大きなスケルトン。
「「「……!!……」」」
言葉を失う季羅お父さん達3名。
「ん?右目は?どがんしたとね?相変わらず頑張り過ぎじゃなかとね?」
「不覚をとりました」
「今度うちの衛生兵ば召喚しなっせ、彼らに一度診せるとよか」
堂々と並ぶ、古代アトラ帝国の英雄3柱。
「ゴビッ!そ、その紋章は、古代ドワーフ王家の、失われた一族の紋ゴブ!」
「ほう、そげん言われとるとね、ここん王さまと、おっ所の開発部長がゴーレム達ば作ったとよ」
あのゴーレム達を!
「見たろう?阿騎くん、ドワーフ王のプレゼントたい、自由に使いなっせ」
「使わせてもらいます!」
「おお、よか返事たい、おっ達も大いにこき使え!ホルダー阿騎の前に立つ者、心して立て!アトラ帝国、海琴隊がお相手致す」
「元帥さん、それで、あの白いドームだけど……」
「ああ、何か、頑丈ごたるね、ばってんスーパーゴーレム一体で十分たい」
「では、使わせてもらいます」
「阿騎くん、全部、あんたのゴーレムたい、遠慮なく使いなっせ。こわれても開発部長が修理するけん心配無用!」
「はい」
「なんか不具合があったら、遠慮なく言いなっせ、開発部長が喜んで対応するけん」
これはとんでもなく、心強いのでは?
「ああ、そうそう、そんでな、阿騎くん。メッセージがあるとよ」
「え?」
「もし、もしも、阿騎くんと巡り会えたら、伝えてくれと、エルフさんやら、皆が残した言葉たい」
「み、皆の!?」
「阿騎くん達がいなくなって。おっ達はとても寂しくなった、ばってん未来で会えるこつば信じて、生きていきます。私達は幸せでした、以上たい。確かに伝えたけんね、心して受け取るごつ」
「……はい、っ心して……受け取りました!」
「泣くな、阿騎くん!あん時は戻らん。ばってん、今ば、一生懸命、生きるしかなかとよ」
「……はい」
次回配達は 2023/02/14 17時の予定です。
サブタイトルは 一撃 です。