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【第88話】 ネクロマンサーは目覚めていた

夕刊です。

諸事情により、一時間早い配達になりました。

 ん?


 あれ?


「明季?どうしたの?」


 私は震えだした。


「ど、ど、どうしたの?」


 つ、つ、使える!?

 え?なんで?どうして突然使えるように?

 ネクロマンサー起きていた!?目覚めていたの!?

 あ!魔族チクリの、あの、感謝のシャワー!!

 あれか!?


 いや、それだけではない、月だ新月!


 これなら元帥さんが呼べ……?


 ん?項目が増えている?どういうこと?


 私は項目、古の戦士召喚、の次の項目に意識を集中した。


 何これ?


 ゴ、ゴーレム?

 なんでゴーレム?


 ゴーレムなんて召喚できるの?なんで出来るの?


 え?数が!ひ、148体!?


 魔力1で一体召喚!?

 魔力1で?どんなシステム?


 巨大ゴーレムはあの島でないと動かなかったはず!


 誰!?こんな凄いの開発した……ドワーフの王さま!?

 クリアーしたんだ!そ、それに飛ぶゴーレム?大地の力は?


 私は大興奮して、意識を集中する。

 どんな機体なんだろう?

 ずらり、と脳内に並ぶゴーレム。


 機体にドワーフ王の紋章と、元帥さんの古代アトラ帝国の紋章が打ち込んである。


 項目は?


『スーパーゴーレム師団 ジャジメント 召喚』?


 うわ、これ、サイザンお兄ちゃんや、ドワーフの王さまが好きそうな名前。


 え、でも師団って7000人位の規模じゃなかったっけ?

 148体ならば中隊規模じゃ?

 まあ、シミュレーションゲームの知識だけど……。


「え?あ、明季?どうしたの?」


「な、なんでもないわ」


「何でもないなら、泣くわけないでしょう!?」


「凄いプレゼントもらって、感動しているの」


「え?」


 ドワーフの王さま、サイザンお兄ちゃん……どうしてここにいないの?

 今から、スーパーロボットが大暴れするよ!


「お父さんと砦の長にお話を、白のドーム、攻略出来るわ」


「え?」


 私とレイランお姉ちゃんは物見台屋根から地上に降り立ち、季羅お父さんと北のゴブリンの長を訪ねた。

 そこは砦の中央、テニスコート位の大きなお部屋だ。


 大きなドアを開けると、正面には筋骨逞しいゴブリンの像が設置してあった。

 槍を携え、静かに見下ろしている。


 格好いいなぁ、でも上から目線だなぁ、誰だ、こいつ?などと思っていると、この像、なんと私だった。

 私、ゴブリン時代、こんなに格好良くなかったよ?


 伝説美化、こえぇぇ、と思った。

 皆、こんな目で私を見ているの?やめてください!とんでもなく恥ずかしい!本気で思う。


 季羅お父さんと砦の長さんは、先に到着していた。


「ゴブ、ワシは長とは言っても、北のゴブリンは皆繋がっているからなぁゴブゴブ、皆が長ゴブ」


「それで話とは何だ?」


 こうして見ると、季羅お父さん、大きいなぁ。頼もしさ倍増、って感じだ。

でも、ニトお父さんも頼もしかったなぁ、ゴブリンでちっちゃかったけど、安心感は抜群だったな。妖精になって、私、両親や家族に恵まれているのでは?


「北のゴブリンの長、ゴーレムについて何か伝わっていませんか?」


「ゴブ、伝わっておる」


「どんなお話です?」


「話ではないゴブ、一言だけ伝わっているゴブ、闘神とゴーレム達はとても仲がよかった、とそれだけじゃゴブゴブ」


「ゴブリンと縁があるゴーレム?ならば、大地の勇者メイが有名だろう」


「え?」何、その二つ名?


「空中都市より出撃する、天空の勇者達は本来の勇者だが、ゴーレム・メイが勇者以外で初めて魔王を倒した。相討ちとはいえ、魔王を倒したのだぞ、あり得んことだ。それ以来ゴーレム・メイは大地の勇者と呼ばれるようになった」


 ちょっとメイドン?いつの間に二つ名?


「ゴブ、メイは闘神とも仲がよかったと聞くゴブ。ただ、メイは闘神のことは余り話したがらないゴブ」


「話したくない、わけがあるのですか?」


「分からないゴブ、ただ話したくない、と言うだけゴブ」


 ……メイドン。


「では、闘神の召喚術については何か、言葉は残っていますか?」


「ゴブ、闘神は地の底より、スケルトンの王とその眷属を呼び、北のゴブリンや囚われていた妖精達を導いた、とあるゴブ」


 ここで季羅お父さんが私を睨む。


「呼べるのか?ゴーレムと地の底の王を?」


 鋭いなぁ季羅お父さん。


「呼べる」

「ゴビッ!?」

「本当か明季?では、その力は強すぎないか?父として心配だな、わんわんの娘が恐れられるのは避けたい」


 父、真顔でわんわんって言う?


「今回の件、死者や怪我人が多い。アイとエノンは獣人としての力の大半を失うし、未知の毒物で倒れる者も少なくない。死を恐れるわけだはないが、ダークエルフの一族は手に余る。あの白いドームや新種の魔獣、計画的でまだ次があるように思う。明季、お前がゴーレムや地の底の王を召喚したら、彼奴ら、もっと凄いモノを作るのではないか?競争しすぎると、共倒れになる。競争の果ては自滅だ」


「競争は怖いですが、このままでは砦が落ちます」


「そうだな……」


「人知れず、こっそり召喚とかどう?季羅お父さん?」


「怪しいが、仕方あるまい」


「そこで、今ここに地の底の王、元帥さんを召喚したいのですが?」


「なっ!」

「ゴビッ!?」


「元帥さんのお話は、白いドーム攻略にとても有効です、どうでしょう?」


「ゴブゥ……で、伝説の王と会える?」


「会ってみよう」


「私、席はずしたい、なんか怖いかも」


 ……まあ、気持ちは分かりますよ、レイランお姉ちゃん。


「レイランお姉ちゃん、周囲はどう?」


「北のゴブリンさん達は皆繋がっているから、全員、この場にいる、と考えたほうがいいわ」


 そうね。


「では、アクセス」


「!」


「今この時、ン・ドント大陸、北のゴブリン達が集う東の砦にて、我、明季がスケルトン3の戦士を、白いドーム攻略のため、我が魔力をもってここに召喚する、集え!古の英雄達!」


 ドォオオオン!


 霊音が大地を揺らし響き渡る。

次回配達は 2023/02/14 朝7時の予定です。

サブタイトルは 元帥さん再び です。

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