表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/406

【第73話】 翔べ、ちゅんちゅん2

夕刊です。

 かわいいなぁ。

 だが、向うは戦場だ。


 気を引き締めて!そうしないと倒れるのは私達。

 この命の灯を吹き消そうと、奴等が向ってくる。


「先行する!」


 皆に告げ、そっと、もふもふのエノンを撫でる。


 そして、颯爽と背中に乗ると……うひゃあああああああああ!

 ひいいいいいいっ!


 エノンは、もの凄い勢いで翔び立った!

 あっ、という間にランお母さん達は小さくなる。


 ゴブリンや獣人の目でなと見失ってしまう。


(エ、エノン!凄いよ!)

(え?うち、凄い?)

(こ、怖いくらいに速いよ!)

(速い?まだ速く飛べるよ?)

(……このくらいで、お願いします)

(うふふっ了解!あ、魔ゴブリン!魔獣の群れだ!)


 しかし、この背中、クセになりそう!ほわほわのもこもこだ!

 それに、じんわりと暖かい。


(レイランお姉ちゃん!)

(砦に着いたわ。よく聞いてね、東より魔獣210、魔ゴブリンの群れ900、北より氷獣の群れ312、後方獣人族が18名布陣、あれ2名消えた、おかしいな?)


 凄いなレイランお姉ちゃん。最初に狙われるわけだ。


(更に北に基地らしきものがあるわ、これ?何かしら?ここから魔ゴブリンが産まれているみたい、魔獣もかな?)


 あ、ここからも見える!


 白いドーム!?


 生産工場だ!


 どういうこと?鱗の人族の生き残り?いや違うな、これは鱗の人族の技術を復活させた、とみるべきだろう。


 どこの誰だ!迷惑な!


(季羅お父さんに連絡は?)

(連絡したわ、こちらに向っている。先行しているミミお姉さんとケインお兄さんはもう戦ってる!氷獣が300切った!)


 はやっ!


(エノン、明季、そのまま上から状況を報告しろ!そこが安全だ。もう砦に降りるなよ?分かったな?)


 それは出来ない。

 ゴブリン達が危ないのだ!


「エノン、ゴブリン達が危ないんだ!私は助けたい、付き合ってくれる?」


 付き合ってくれる?付き合ってくれる?付き合って、付き合ってくれ……。


「ちゅ、ちゅぴぴぴぴぴぴぴっ!」


(つ、付き合う!うち、明季くんと付き合う!)


 ん?


(コロ叔父さん、後ろの18名お願い!あ!目視で確認、北後方に3名隠れている!全部で21だ!)

(分かった、その調子で頼むぞ、おい!?聞いているか!エノン!降下しているぞ!)


「エノン、まず魔ゴブリンから殲滅する」


(数、多いよ?)


「私が今から魔法攻撃をする、攻撃終わったら突撃して各個撃破、いい?」


(分かった、でも危ないと感じたら、うち、明季くん摑んで翔ぶからね?)


「了解だよ、行くよ、エノン」


(緊急回避!)


「え?ひぁああああ!」


 クルリ、と空中で回転する雀エノン。な、な、なになに?よく私、落ちなかったな?


 シュッ、と音を立て通り過ぎる矢。


(矢の名手が何名かいる!ここまで届くなんて!)


 次々に湧き上がってくる矢。もう弓矢を覚えているんだ!どこで覚えた?

 よく見ると、普通のゴブリンの倍の大きさだ!強化ゴブリン?ホブゴブリン!?


 また、命を弄んでいる奴等がいる!この技術、魔族チクリか!?


 ゴブリンの苦しみ、悲しみ、知っているのか!


 怒りで、ゾアントロピーが徐々に始まる。

 体毛が伸び、犬歯が大きくなる。


 戸惑ってはいられない!


 魔力は十分だ、シルバーっちのプレゼント!ゴブリンの回路も開いている。ネクロマンサーにはまだ遠いけど、戦える!


「カウント行くよ、3(大地の液状化)、2(地下水の利用)、1(水、炎の結晶魔法)、久々の!山茶花!」


 消えろ!過去の亡霊!

 許せ!悲しいゴブリン達!


 怒りと悲しみに満たされた私の感情は、そのまま魔力に伝わった。

次回配達は 2023/02/08 朝7時の予定です。

サブタイトルは 迷惑再び です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ