【第70話】 金と銀2
おはようございます。
朝刊です。
魔族チクリはどうしても許せない。
でも、シルバーっちや金狼は助かるよね……そして私も。
……。
「どうした明季?」
金狼と目が合う。
ゴル。
「ごる?」
金狼、あなたの名前!
ゴールドのゴル!
決定。
金狼は、今からゴルちゃん!
「はあああああっ!?我は獣人族に伝わる、伝説の狼なるぞ!そ、それを、それをゴル?ゴル、ちゃん、だとおおおっ!?」
ゴルちゃん。
「断固拒否する!」
ゴルちゃん。
「無用である!我は獣人族、力の象徴!魂の拠所、勇気の源であるぞ!」
「ゴルさま」ぽつり、とシルバーっちが呟く。
「……よ、よいではないか」
は?
「我が名はゴル。獣人族の金狼なり!」
こ、こいつわあああああっ!今、無用って言ったじゃん!
断固拒否って言った!
なあに!?あっさりころんじゃった!?
これが、これが噂に聞く惚れた弱み、とかいうヤツなのかな?
あ、また見つめ合っている!
もう!
ゴルちゃん、シルバーっち、皆の所までいいかな?
「よいぞ」
「はい」
特にゴルちゃん。
「なんだ?」
北のゴブリン達に、傷一つ付けさせないよ、いいね?
私が怒ったのが原因で、ほとんどのゴブリンの意識が飛んで、倒れたんだ。
お家に例えるなら、落雷でブレーカーが落ちた状態だ。ライサージってヤツだ。
「分かっておる、我も責任を感じておる」
ここでゴルちゃんはチラリとシルバーっちを見る。
なに?この沈黙?
「ゴルさま、シルバーとお呼びください」
おいおい。
次回配達は 2023/02/06 17時 の予定です。
サブタイトルは 金と銀3 です。