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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
二章

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178/406

【第69話】 金と銀1

夕刊です。

 一目惚れ!?

 魅せられた!?


 おい金狼!私は何を見せられているのだっ!


 ポチャン。


 あ、亀さん?


「!」


 ん?どうしたのシルバーっち?金狼?

 あれ?尻尾が?


「……分かった、亀殿よ。そこまで言うのなら移るとしよう。話がある時は、遠慮無く訪れるぞ、それでよいか?」


 会話が?今、何かお話ししたの?私には聞こえないよ?

 移れるの?移るの?


「はい、亀さんが繋げてくれましたから。さすがに魔族チクリさまでも、超空間を繋げることは出来なかったようですが……」


 魔族チクリは、何を考えているのだ?

 疑似空間を作り出す?


 世界の仕組みに挑戦しているのか?


 これだけの労力をタダで?見返りは、感謝の言葉のみ?おかしいだろう!


 目的はなんだ?


 ん?


 ゆっくりと動き出す金狼。


 パチン!

 閃きだ!


 あ、金狼は……シルバーっちと同じ、獣人族の集合思念体?怨霊か?


「そうである、が、怨霊は心外である」


 !!


 ならば、いつかは消えてしまう存在。

 シルバーっちもそうだけど、ローローやネーネー程、強くはないんだ。


「消えてはしまうが、明季、我はお主より遙かに大きな思念を持つぞ」


 比べものにならないくらい、長生きと、捉えるべきか?


「亀殿が言うには、魔族チクリが作り上げた空間は、記録を残すことが出来るそうだ」


 記録?何の?


「我々集合体の記憶や経験。これが空間自体に染み込むそうだ、空間そのものが記憶媒体になるらしい。この蓄積は必ず役に立つと思うが?」


!恐るべし、魔族チクリ!


 昔、超空間に来ただけで、ここまで再現し、オリジナルの機能も付けるんだ。


 凄いな。


 目的は何だろう?妖精達を助けて、彷徨っている?

 なぜ助ける?

 改心?まさか、あれはそういう存在ではない。

 あれからどのくらい時間が経過しているのだろう?


 それでも、信用はしない。

 あいつのしたことは許せない。

 これは譲れない。

次回配達は 2023/02/06 朝7時の予定です。

サブタイトルは 金と銀2 です。

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