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【第68話】 揺れる尻尾2

お茶の時間です。

「だれ?」


「んもう、ホルダー阿騎、冗談が過ぎますよ」

 

「シルバーっち!?」


「はい、これが本来の姿です」


 はああっ!?

 

 私がこれで、シルバーっちがアレ!?

 何処か知らないが、何者かに抗議したくなった。

 設定に悪意を感じるぞ!


 あの乳、でかすぎだ!

 デカすぎてアクリル板に挟めないぞ!なんだよあれ!

 

 うう、目が離せん!元男子ゆえか?

 前世の性別、邪魔だっ!


「北のゴブリン一族は、エルフさんの細胞が組み込まれていましたから、私はこのような容姿に……」


 いやエルフさん、そこまでなかったよ?

 あ、ごめんなさい、エルフさん。

 あああ、元男子、なんでこんなに……目のやり場に困る!


「……」


「どうされました?狼さん?魔族の作った空間はやはり、信用なりませんか?ゴブリンと一緒では嫌ですか?」


 少しだけ、悲しい顔をするシルバーっち。

 ごめんなさい、シルバーっち、私、不謹慎だよね。


「……」


 金狼、ご招待だよ?ゴブリンからの?

 そ、そんな嫌なの?返事もしないなんて!

 なんで無視するの!

 無視がどれだけ辛いか、お前は知っているのかっ!


「……フン」


 は、鼻で笑ったぁ!?

 そんなに嫌いか!ゴブリンが?


 う……なんで嫌うんだよっ!どうしてだよ!


 元ゴブリンの私としては、泣きそうだ。嫌いだ!金狼っ!


 ん?


 今、尻尾が?揺れた?

 いや、ゆっくりとだが揺れている!


「……」


 シルバーっちと目が合う金狼。


 あ、横向いた。

 で、でも、し、尻尾が!ちぎれんばかりに動いている!


 パタパタパタパタ。


 ……音までするぞ。


「わ、我はゴブリンなぞ、好かぬ」


 うそつけ!


 なんだ!その尻尾は!それだよ、それ!

 音がするくらい、振っているではないかっ!

次回配達は本日 2023/02/05 17時の予定です。

サブタイトル 金と銀1 です。

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