【第67話】 揺れる尻尾1
おはようございます。
朝刊です。
「明季、お前には頑張って欲しいと思うのだが、我は焦る一方で……」
その時、何かが近づいてきた。
!!
肩に何か留まった!鳥?
「ホルダー阿騎、なぜ動かないのです?探しましたよ!」
シルバーっち!?え?どうしてここに?
「亀さまから、お招きがありました。ご招待です」
え?亀さん?お招きって!?
それに動けるって?
あっ!?
動けた!?
「先程、魔力をプレゼントしましたよ?それにゴブリンの回路も一部開いておきましたが?お気づきに、なれませんでした?うふふっ」
う、動けた!思い込みで、動けなかった?
怖いな、思い込み。特にここは超空間だから、思いの強さが表れやすいのだろうか?
だったらなんで、記憶が持ち出せないのだろう?
こんなに思っているのに!
私はゆっくりと、右腕を動かし、手を握り締めてみる。
「あ、ありがとう!シルバーっち!凄く嬉しい!」
ゴブリンの回路もほとんどが、開いている!
どうやったのだろう?シルバーっちが、ゴブリンの守護者だから出来たのかな?
「どういたしまして。狼さん、私がいるゴブリンの超空間に来ませんか?ここの超空間は本物ですから、魔力維持が大変では?今度はこちらが、ご招待致しますよ?」
「……」
え?返事もしないの?
そんなに嫌いか?ゴブリン。
「さまよう賢者が作り上げた疑似空間に来ませんか?疑似空間なので、内部で起きたことは現世に反映されませんが、ことのほか快適ですよ?あっ!」
ん?
肩に留まっていたカワセミは飛び立ち、ポンッと長身の女性に変わった。
ええええっ?なに?どうしたのシルバーっち?
「ほら、ここは魔力維持が難しいです」
私の横に、不思議な女性が起立していた。
胸元の大きく開いたドレス?髪は栗色で、小さな可愛いティアラが頭に乗っかっている。目がくりくりと可愛く、耳が長い!最初はエルフのお姫様か、と思ったが、ちょっと違う。
ゴブリンとエルフのハーフ?野性味があるのだ。
次回配達は 2023/02/05 15時 の予定です。
サブタイトルは 揺れる尻尾2 です。