【第63話】 友の行方
夕刊です。
(青3番ゴーレムは不通り島に渡ったドワーフ王が亡くなると、動かなくなったと伝わります。メイドンさまは、長らく不通り島に封印されていたそうです。なぜ封印されていたかは伝わっていません。封印の解けた彼女は、侵攻してきた魔王軍と戦い、朱槍に阻まれた魔王と相討ちになり、壊れました)
メイドン!
メイドン、会えると思っていたのに!メイドン!
え?ん?魔王と相討ち!?
魔王を倒せるのは、勇者だけじゃなかったの?
(勇者以外で魔王を倒したのは、唯一メイドンさまだけです。メイドンさまの言葉も伝わっています)
どんな言葉ですか?
(魔王の大軍と魔王を前に、サイザンさまより弱そうだ、と魔王を格下扱いしたそうです)
やったね、メイドン。その場にいたかったな。
しかしお兄ちゃんより?何があったの?メイドン?何を見たの?
きっとメイドンは、皆を守って相討ちになったのだろうな。
そうでしょう?メイドン?
その後、メイドンはどうなりました?
(メイドンさまは、王都に保管されています。壊れたメイドンさまを修理出来る者が、不通り島にいると伝わります。私達ではあの島に辿り着けません。)
うわ、熱い視線を感じる。
え、メイドンを連れて不通り島へ行けと?
それは私だって行きたいよ?
そう、すぐにでも!
でも、下調べは大事だ。それと確認も!
メイドンは自己修復するはず、そのうち動き出すのでは?
いや、魔王の攻撃を受けたのだ、唯ではすまないだろう。
それに、あれから何年経っている?金属疲労とかないのか?
メイドン、どうにかしてあげたい!会いたい!
王都行きが、徐々に私の中で固まっていく。
どうにかして、学校パスで王都に留学できないだろうか?
都合、よすぎか?
ん、ちょっと待て?ここ超空間だよね?
え?私、覚えているかなぁここでの会話!
獣人だし、魔力、不安定だし……!
ここでカワセミさんと目が合う。
沈黙する私とカワセミさん。
まずい。
どうする?
……敵、来たよね?
(東より魔獣と魔ゴブリンの群れが、北より氷獣の群れが……それと悪意のある獣人族が20名程、西側に布陣しています)
3方向からの攻撃か?
次回投稿は明日 2023/02/04 朝7時の予定です。
サブタイトルは その名はシルバー です。




