【第62話】 一言だけのメッセージ
おはようございます。
朝刊です。
(うふふっ確かに、過去の亡霊とも言えるでしょうね、怨念とも)
危険なヤツかな?そうは思えないけど?
(ですけど、ちょっと違いますよ)
いや、同じだろう?
(私、争いや恨んだり、呪ったりすること、嫌いなのです。もともと、ゴブリン達のあなたへの思いが産んだ想念、思念体です。私の基本は慕情であり、憧れです)
ゴブリンの思いがあなたを生んだ?思いとは、こんなにも凄いものなのか?
(いいえ、ゴブリン達とあなたが産んだのですよ?私にとっては、あなたはお母さんであり、お父さんなのですが)
え?
(お母さんやお父さん、姉妹、兄弟、親友、友達、大好きな子ネコや、わんわん、相手を思う気持ちが私を産んだのです、ですから争いは好みません)
その大好きな者達を、傷つける者が現れたならどうするの?
(我が想念、消えるまで戦い続ける)
さすがゴブリンの守護者、敵にはしたくないな。
(ではメッセージを)
ん?私に?
(私達は幸せでした)
え?
(誰の言葉かは分かりません。遙か昔から、あなたに向けて送られた言葉です。多くあったのですが、もはやこの言葉しか残せませんでした。お許しを、ホルダー阿騎)
え……。
誰の言葉だろう……誰かが、誰かが幸せだったんだ。そして私を安心させようと、残した言葉……救われるな。
よく、この言葉を繋いでくれました。感謝しますエンキドゥ。
ボンバーズだろうか?エルフさんはどうなったのだろう?
(彼女は元帥閣下の島に渡られました、そこで音楽や料理に親しんだと伝わります)
!
エ、エルフさんが音楽!料理!?
か、家庭的だ!エルフさんの手料理、食べてみたい!
きっと幸せだったに違いない!
では……では……彼女は……。
メイドン……は、どうなりましたか?お兄ちゃんのお友達、青3番はどうなりましたか?
2023/02/03 本日17時 夕刊配達予定です。
サブタイトルは 友の行方 です。