表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/406

【第45話】 東の砦前で焼肉4

夕刊です。

 まさかまた、丸焼きを食べることになろうとは。


 じゅうーと焼ける音。


 ああ、この香ばしい匂い、あの時と同じだ。

 お兄ちゃん、私、また食べるんだよ、トビトカゲ。

 リュートお母さん、なぜ、あなたはここにいないの?


「明季、これ、すんんんっつっつげー美味いんだぜ!」

 知ってる。

「でよ、捕まえるの結構難しいんだ!」

 それも知っている。

「アイ、よく捕まえたね!うち、感心する!」

「へへっ、すげーだろ」

「トビトカゲはドワーフが大好物なんよ、傭兵団で武器注文するとき、金貨よりもこっち持って来いって言うんよ」

 あ、それも知っている。

「へー」

「それでね、うち達、捕まえに行くんだけど、動きが速すぎて捕まらないんよ、うちら獣人族だよ?それなのに!」


 ドワーフさん、相変わらずトビトカゲ好きだね。

 あと角イノシシも好物だったよね、こっちはどうかしら?


 絶滅とかしていないよね?


 ドワーフさんやゴブリン、会ったらどんなお話をしよう?


「明季、話があるの」


 え?ランお母さんからのお話?

 ん?コロ叔父さんとエノンが横に座った?


 お話はゴブリンとの交渉についてだった。

 先にお話をした、ケインお兄ちゃんによると、氷獣退治の件、お礼は全て断られたそうだ。

 沢山のゴブリンが死亡したけど、こちらから赴いたこと、と言い何一ついらぬ、と言うことだったらしい。


 そんなゴブリン一族から、お願いが1つだけあった。


 私に会いたいと。


 始めはケインお兄ちゃんも話を聞いた季羅お父さんも、困惑したらしいが、余りのゴブリンの熱意に、成人の儀式として向わせること、にしたらしい。


 ゴブリン達、何か気がついているよね?多分。

 私の声で、獣人族の村に集まったし、皆死んでしまったし、どう思っているのだろう?


「明季、ゴブリンに対しては、何を喋っても構わぬ、季羅の言葉だ。ただ礼節をもって対応しろ、とも言っていた」


「分かりました。ランお母さん」


 陽は大きく傾き、星が見え始めた。

 森の中が騒がしくなり始める。

 夜行性の獣達が動き始めたのだ。


「この儀式、旅はまだ長い。長いが、旅が終わった後のことを、少し話したいの」

「……はい」


 自然と皆、集まってくる。


「取敢えず、私は次のトビトカゲ焼くね」

「お、調理、手伝うぜ。なんせ私が捕ったヤツだからな」

「じゃ私も……」

「シン、アイ、あなた達にも話があるの」

「皆、耳だけはこっちに向けとけ」


 なんだなんだ?もしかして、お見合いとか、婚約とか、け、決魂とか?


 二人とも妙齢だし。


次回投稿は明日 7時 の予定です。

サブタイトルは 東の砦前で焼肉5 です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ