【第42話】 東の砦前で焼肉1
夕刊です。
ソリを引き、東のゴブリン砦を目指す私達。
予定では二日後到着なんだけど、今日の夕刻に到着予定とし、明日の朝から訪問することになった。
「ガモか?襲撃があるようだが?何か策はあるのか?」
足早に進みながら、ランお母さんがコロ叔父さんに問う。
「警戒しかない。ランさん、ヒューとミューを帰したいのだが、さすがに無理か?」
「無理だな。帰すとなると、戦力が分散される。一緒にいた方がいいだろう。もしくはゴブリン砦に預かってもらうか?私は嫌だぞ」
「ゴブリン達に迷惑は掛けられない、やはり同行しかないな。レイラン周囲はどうだ?彼奴ら二人、付いてきているか?」
「付いてきている。あの二人、怖いし、気持ち悪いわ。頭の中でシンお姉ちゃんやお母さんに、酷いことばかりしている。私、吐きそう」
「辛いが、監視は外すな。動きがあったら、直ぐに知らせてくれ」
「……はい」
「シン、雪洞はちゃんと壊してきたか?」
「ああ、壊した。問題ない」
え?折角作ったのに、壊したの?
(雪洞に雪が積もって、春になると、落とし穴みたいになるんだって、だから壊すんよ。ここいらは、エルフやオークが狩りをするんよ。うち、物知りでしょう?)
(勉強になるよ、さすがエノン)
(うふふっ)
「エノン、危険と感じたら明季を摑み、空に逃げろ、いいな?」
「うん、わかった」
ん?私を逃がす?
(ランさん、襲撃はどこであるか分からん、次の新月期とは限らんようだ)
(そうか?皆、新月期と思っているようだが?まあ、覚悟するように伝えよう)
(ヒューとミューには聞かせたくない話がある、いいか?)
(なんだ?コロ?)
(砦にゴブリンが集合している、それと東の魔物達に動きがあるらしい、北もだ)
(誰の情報だ?)
(エノンのカンだ)
(エノンの?)
(傭兵団は何度もエノンのカンに助けられている。外れたことがないカンだ)
(分かった、皆に周知しよう)
戦いが近い?
でも何で私?私を摑むの?ヒューお兄ちゃんやミューお姉ちゃんではなく?
逃がすのは、ちびちゃんズではなくて??
次回投稿は 2023/01/27 7時の予定です。
サブタイトルは 東の砦前で焼肉2 です。